カジュアル面接という謎の選考フローについて
最近「カジュアル面接」なるものを求人やSNSで見かけることがあります。単に「面談」の書き間違いのものもありますが、中には「書類選考→カジュアル面接→一次面接」などと書かれている求人もあり、カジュアル面接が正式な選考フローとして位置付けているようです。
どの企業も一次面接との違いを求人で一切説明していないため、このカジュアル面接がどういうものなのか分からないのですが、おそらくこういう意図ではないかと想像します。
従来は面接など通常の選考のみ行ってきたが、母集団を増やすため、最近流行っているカジュアル面談を導入したい
しかし、カジュアル面談により転職意欲の低い人やスキルの低い人の応募が増えると、選考コストが増えるので困る
そこで「カジュアル面接」にすることで、応募ハードルを下げると同時にスクリーニングができ、カジュアル面談と面接の良いところどりができる
私がこういう邪推をするのには理由があります。こういう企業の求人や採用サイトを見ると、
候補者が応募するメリットが無い微妙な求人(給与が低いのに業務範囲が膨大とか)
採用サイトには候補者視点で知りたい情報が書かれていない
選考フローの説明が不十分(カジュアル面接と一次面接の違いが書かれていないなど)
など、言い方が悪いですが採用リテラシーが低いと感じるものが多いのです。おそらく採用やダイレクトリクルーティングの経験豊富な人が社内におらず、ネットの記事を読んだり、他社の見様見真似で採用活動しているのではないでしょうか。
彼らの採用リテラシーの低さは、カジュアル面談という手法を誤って理解していることからも窺えます。カジュアル面談はあくまで「選考ではない面談」だからこそ母集団形成ができるのであって、そこに書類選考などを追加して「選考」にしてしまったら母集団が増えるはずがないからです。名前だけ「カジュアル」にしても意味が無いのです。
カジュアル面接は「面接」とはっきり謳っている以上、「カジュアル面談と思ったら実は面接だった」のようなトラブルは起きないだろうと推測しています。ただ、「カジュアル」の意味がさっぱり分からないため、「カジュアル面接だと思ったら全然カジュアルではなかった」というトラブルは増えるかもしれません。今後に要注目です。
私の採用の仕事については下記の記事をご覧ください。
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