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ツェズゲラの正しい叱り方

『HUNTER×HUNTER』のグリードアイランド編で、ツェズゲラがゴンを叱る場面があります。

No.170「三つ巴の攻防」

レイザーとのドッジボール直後でゴンもキルアも満身創痍であり、すぐにゲンスルーに攻撃されれば勝ち目はゼロでした。そんな状況でゴンがゲンスルーを挑発したのを叱ったのですが、この叱り方が非常に上手であり、年長者ならではの人生経験を感じます。


①相手が受け入れやすいように言葉を選ぶ

ツェズゲラは「もしゲンスルーが来ていたら命が危なかった」と説明していますが、ここで「ゴンの命が危なかった」だと「自分はまだ闘える」と強がってツェズゲラの言葉を聞かなかった可能性があります。ゲンスルー戦で両腕を捨てたことからも分かるように、ゴンは無鉄砲で自分の命を顧みない性格だからです。

一方、ゴンは仲間(特にキルア)を大事にする性格なので、「キルアの命を危険にさらした」と言われたら、自分が愚かな行動をしたとすんなり理解できたはずです(キルアが闘えない状態なのはドッジボール戦で明らかなので尚更)。ツェズゲラがゴンの性格をどこまで理解していたかは不明ですが、ゴンが受け入れやすいように言葉を選んで叱ったのは見事です。

②相手を認めた上で叱る

ツェズゲラがゴンを叱ったのは、ゲンスルーに勝てるのはゴンたちだけ→ツェズゲラたちが時間を稼ぐので体を治してほしい という話の途中でした。ツェズゲラはゴンたちを認めた上で、勝ち目を潰そうとした行為を叱ったわけです。決して嫌がらせやマウンティングではないことが分かるからこそゴンも受け入れたのでしょう。

No.170「三つ巴の攻防」

③叱った後は蒸し返さない

ゴンが謝った後、ツェズゲラは「まあいい」とすぐに本題に戻し、ゴンのミスを二度と蒸し返しません。この切り替えの良さが綺麗な叱り方ですね。

No.170「三つ巴の攻防」

最近はアンガーマネジメントが話題ですが、アンガーマネジメントの本質は「叱らない」ことではなく、「正しく叱る」「怒りをコントロールする」ことです。ツェズゲラのように他人を正しく叱りたいものですね。

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