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会議も戦も事前準備が大事

歴史もの、特に三国時代や戦国時代(日本)などの時代については、赤壁の戦い・川中島の戦いなどの華々しい戦、武将たちの軍略が人気です。特に桶狭間の戦い、昆陽の戦いなど、「圧倒的不利であった武将が逆転勝利する」戦はサクセスストーリーとして大人気でしょう。

こういう逆転劇の人気は創作物の常ですが、実際のところ、戦は地理条件や軍勢、兵站によるところが大きく、戦う前から勝敗が決まっていることも多くあります。孫氏の兵法でも、「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む」と、勝てる状況になってから戦うのが勝者だと指摘されています。

左:『ドリフターズ』の織田信長 右:『センゴク』の武田信玄

ここで話を現代のビジネスに変えますが、会議というのは戦と非常に似ています。会議が成功する状況になってから会議を行うのが筋なのですが、実践できていない企業が非常に多いのです。

例えば、私が制作会社にいた頃、以下のことをやっているディレクター・デザイナーがいました。これなどは「戦いて而る後に勝を求む」、会議してみないと勝敗が分からないという奴であり、これで会議に失敗するのは当然です。

  • LPのデザインを依頼されたが、クライアントからのヒアリングが不足しているため、要件が曖昧。まずは叩きのデザインを作ってから、次の会議でクライアントからフィードバックを貰おう。

ここまでの話をまとめると「会議を成功させるための事前準備が大事」ということなのですが、具体的にどうすれば良いのか? 例えば、以下のような準備が挙げられます。


議論はなるべくチャットで詰めておく

「チャットだと議論がややこしいので会議で」と考えがちですが、実は会議のほうが説明や考える時間が長引く上、口頭の議論になるのでもっと混乱しやすいです。

議論はなるべくチャットで完結させ、「8割ほどチャットで話し終えたが、明日が定例会議があるから、残り2割はそこで話す」ぐらいがちょうど良いでしょう。

意見をコメントで書いてもらう

例えば、議題Aについて、参加者5人各自の意見を聞きたいとします。会議でこれをやると、1人10分としても、意見を聞くだけで50分かかってしまい、議論の時間が10分しかとれません。その結果、「議論の続きは次回の会議で」と、どんどん先送りになります。

こういう場合、議題Aを事前にチャットやドキュメントで提示しておき、それに対して意見を書いてもらうと効率的です。会議当日、参加者の意見発表の時間を省略し、いきなり議論に入れるからです。

アジェンダを減らす

会議のアジェンダが多く、

  • アジェンダA(5分)

  • アジェンダB(10分)

  • アジェンダC(10分)

などとタイムキーパーをすることがあります。私もこういう定例会議に何度か参加したことがありますが、時間はほぼ守られませんし、アジェンダ1つずつの時間が短い分、議論が深まりづらいのが欠点です。

こういう場合、タイムキーパーをしなくてはならないほどアジェンダが多いのが問題であり、アジェンダを減らすほうが効率的です。前述のように、チャットやコメントを駆使すれば、実は会議でないと話せないアジェンダはかなり少ないものです。

会議の時間を短縮する

「アジェンダや議論が多いから時間を長めにとろう」と考えがちですが、私の経験則でいうと、時間を長くするほど会議の質は下がります。会議というと無意識のうちに60分でとりがちですが、実は60分の中でダラダラしている時間は結構あるものです(誰かが会議中に調べ物を始め、皆がそれ待ちとか)。

逆に30分にすると、「時間が短いから事前にチャットで共有しておこう」などと、会議を効率的に進めようという意識が働きます。

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