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顧客が本当に必要だった人材
「顧客が本当に必要だったもの」というシステム開発の有名な風刺画があります。「顧客が本当に必要なものは顧客自身も説明できない」「伝言ゲームを重ねた結果、本当に必要なものとかけ離れた成果物が出来る」ことを表しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1725277495-TjghvORDorNuES5ysF2ZMqbi.png?width=1200)
実は人材採用でも同様に、「顧客が説明した要件」と「顧客が本当に必要だった人材」がかけ離れていることがあります。例えば、以前に某スタートアップからエンジニアを採用したいという相談を受け、経営陣から社内の状況をヒアリングしました。
プロダクトの戦略や方向性を決める人材が社内にいないので、新機能開発などを行っていない
エンジニアは戦略や方向性に依存しない軽微な開発(リファクタリングや不具合修正など)のみ行っている
これを聞いて、「顧客が本当に必要だった人材」はエンジニアではないと感じました。この状態でエンジニアを採用しても開発できるタスクが少ないですし、やりがいを感じずに早期退職する恐れがあるからです。まずはプロダクトの戦略などを決める人材を採用すべきであり、プロダクトマネージャーの採用を提案しました。
この話は登場人物が経営陣と私だけなのでシンプルですが、経営陣→採用担当→エージェント→候補者 と登場人物と伝言ゲームが増えるほど、「顧客が説明した要件」と「顧客が本当に必要だった人材」の乖離が激しくなります。例えば、以前に某エージェント経由で「リード獲得のために広告運用をやりたい」という企業を紹介してもらったのですが、面談で色々ヒアリングした結果、リード獲得に広告運用が不向きなプロダクトだと判明しました。「顧客が本当に必要だった人材」は広告運用者ではなかったのですが、エージェントがそれを見抜けずに私を紹介してしまったわけです。
こう考えると、エージェントやRPOに必要なのは「顧客が説明した要件」に沿って採用することではなく、「顧客が本当に必要だった人材」を理解して提案することです。そのためにはプロダクトやビジネスモデル、組織など採用以外の領域の知識も必要でしょう。
私の採用の仕事については下記の記事をご覧ください。