司法書士試験合格のための処方箋1:総論

 前回からかなり時間が空いてしまいました。

 結局私は令和6年度の司法書士試験に最終合格しておりました。現在は新人研修を受けております。司法書士登録も今年中にする予定です。

 前回は「普通程度の能力の者が働きながら司法書士等の超難関資格に合格できるか?」というテーマで記事を書きました。その記事では、ある程度の条件が揃っていれば働きながら普通程度の能力の人間でも合格できるということを述べた上で、その条件について3つ挙げました。これらの条件のうち、できれば全部、全部と言わずとも複数は持っていないと普通の能力の方なら兼業での合格は厳しいと感じています。細かいことを言うとまだまだあるのですが、前回挙げたものが普通の人が仕事をしながら超難関資格に合格するための三大条件だと思っています。

 それと併せて強く申し上げておきたいのは、「自己分析をしっかりする」ということです。自分が能力を発揮するために必要な睡眠時間は最低何時間ぐらいかとか、どういう勉強法を取った時に知識が頭に残りやすいのかといったことをよく把握できていないと、長い受験勉強を戦い抜くことが難しくなります。やみくもに一生懸命やるというのは現実的ではありません。マラソンを走るのに最初から全力疾走していては、最後まで持たないでしょう。ですから、自分が長い距離を走るのに1キロ何分何秒で走れるのか知るというのが自己分析です。合格体験記を読んで「この人の真似をしてみよう!」と張り切るのは、いい面もあるでしょうが、私はむしろ危険であると思っています。自分とは全然タイプの違う人の真似をしてしまうと、合格に近づくどころか、逆に合格は遠ざかると思うからです。受験生時代に異常なまでに睡眠時間が短かったLECの福島先生も合格体験記本を出されていますが、あれを読んで私が真似をしていたら確実に不合格になったでしょう。そもそも合格体験記を読むこと自体、私はそれほど推奨していませんが、少なくとも合格体験記を読んで真似するならご自身と似たタイプの人にしてください。

 睡眠時間が少なくても大丈夫な人は幸運ですが、私のように7時間の睡眠は必要という場合、そこを削るのは得策ではありません。眠いときに無理に勉強を続けるのは非効率的ですので、眠いときは寝てください。私は休日勉強している時に眠気がきたらすぐに布団に入り、少し眠っていました。そしてすっきりしてから再度勉強に取り組みました。寝ぼけた状態というのは、酩酊状態に近いと言います。ですから、そのような状態で無理に勉強を続けるぐらいなら寝てしまったほうがいいのです。勿論、これは個人差があることなので、そこはご自身のことをしっかり分析してください。眠くなったら立って勉強していたという合格者もいます。それでちゃんと勉強した知識が頭に残るのなら、それでもいいでしょう。とにかく、自分に合ったやり方を見つけることが重要です。

 また、ご自身がテキスト読みで勉強できるタイプか、問題演習のほうが向いているタイプかも試してみてください。テキスト読みが向いている方はオートマやリアリ等の素晴らしい教材をメインに学習を進めるといいでしょうし、問題演習を中心にしたい方は伊藤塾のプラクティカルコースがおすすめです。プラクティカルコースを取っていない方に今頃言っても遅いわけですが、伊藤塾の高橋講師は、3月辺りに「うかる択一式」というような名前の直前対策講座を出すはずですので、問題演習メインでいきたい方はこれだけでも取っておくといいように思います(一応申し上げておきますが、私は伊藤塾の回し者ではありません。どちからというと、伊藤塾特有のスノッブな雰囲気は苦手です。しかし、高橋講師は素晴らしいと思います)。

 さて、前置きが長くなりましたが、今日は本編として以下の内容で私の考えを述べました。
1. 合格者のマインドセット
2. 受験生が絶対に避けるべきこと
3. スケジューリングについて
4. 最後に予備校(及び受験アドバイザー的な個人事業主)を利用すべきか否か

書いてみたら長くなってしまったので、各科目の具体的な取り組み方という各論部分については次回述べたいと思います。

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