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94【期待値を超える財務コンサルティングとは?】地方在住経営コンサルタントの思索
写真は岡山市にある小規模映画館「シネマクレール」です。
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はじめに
「プロだから経営コンサルティングは期待値を超えて当たり前!」
確かにそうです。しかしながら、現実問題、全ての顧客に対して120点の状態で満足感を与え続けることは至難の業です。
では、どうすれば「期待値超え」の状態になっていただけるのか?
財務を軸とした経営コンサルタントとしての立場で反省と戒めを踏まえて、現時点での持論を少し展開してみます。これから年商10億円規模までの中小、零細企業向けの経営コンサルティング業を志す方や、コンサルティングを利用する中小企業経営者の方々へ読んでいただきたい内容です。
契約前段階の協議が最も大切
結論を先に言います。
「事業領域を明確に示す。」ということに尽きます。事業領域は事業ドメインと言い換えられます。
もう少し、簡単に言うならば「できること、できないことをはっきりと先に言っておく。」ということです。具体的に言いますと、一つの対策として、おおまかでも良いので、基準となるサービスメニュー毎の価格表を指し示すということです。
つまり、事前に提示したメニュー以外は、追加料金の発生対象になる可能性があると、顧客が認識できる状態を作るということです。
特に形の無い商品で勝負するコンサルタント業界は、あらかじめ、できるサービスとできないサービスの線引きをしておかなければ、交渉上手なお客様や、自らが何とかしてあげたいという思いが強過ぎる場合など、コストに見合わない仕事がどんどん増えてしまいます。
これは、「中小企業向けコンサルティング業界あるある」とも言える状況です。
コンサルタントとして起業したばかりの段階では「自らのコンテンツを高めたい、広げたい。」という成長意欲が当然、あってしかるべきです。
ただ、起業当初から様々な課題に対処できるチームを組成できているのなら構いませんが、自分一人で業務を受託する場合は、精緻に事業領域を選定して、お客様ご納得の上で、ご契約をしなければ時間が膨大にかかりコスト倒れの大変な事態に陥ってしまいます。
自らのコンテンツ内容をきちんと詳細に説明し、お客様にご納得、おぼろげながらでも具体的なイメージを描いていただいた状態でのコンサルテーション開始を意識しています。この時点での期待感を抱かせ過ぎてもいけないし、一方で一定の期待感がなければ契約締結には至りません。非常に難しい匙加減とも言えます。ここがコンサルタント業の難しさの一つと思います。
契約締結後は最善を尽くしますが、弊社では対人間同士、どうしてもお互いかみ合わないケースも想定して、当初は6カ月間の契約期間に設定させていただいています。
事業ドメインの絞り込みはどうする?
この本質をコンサルタントの立場で端的に言うならば、
「市場において絶対に勝てる武器の選定」
です。
コンサルタント業もビジネスですので、この考え方は、年商10億円規模までの中小、零細企業の経営者が取るべき施策としても通用します。
もちろん、市場にニーズがあり、そこに自社の強みをぶつけ、高い満足度をお客様に得ていただくというクロスSWOT分析のプロセスで武器は導き出されます。武器となる戦略・戦術をどう展開していくのか。優先順位を決めて、行動計画を作成しそれに基づき経営していくことが必要です。
活用すべき価格メニュー表
クロスSWOT分析から導いた戦略・戦術はそれほど多くは無いはずです。事業主を含めた、中小企業の経営資源には限界があります。自社の経営資源を過大評価してしまうことは危険です。シビアな目線で自らを捉えた上で、まずは限定的な市場で確実に勝利をおさめ、利益を積み上げ続け、企業としての体力を蓄積していきましょう。
以下、価格メニュー表の項目です。
①コンサルティング内容(細分化して20種類程度)
②コンサルティングプランの名称
③月額の料金
④対面時間
業務委託契約書にも、メニュー表の内容をきちんと織り込みます。
こういった簡単な一覧でもお客様の立場から言えば、サービスを導入するかどうかの判断は断然楽になります。気になる項目を掘り下げて、納得がいくまで質問すれば良いからです。
お客様にとっては限りある、自らの資金と時間というリソースを投入して、コンサルティングに取り組むわけですから、見込める利益や満足感を想定できなければ、契約という意思決定をいただくことは難しいと言えます。
最後に一つだけ、年商10億円規模までの中小、零細企業の経営者へお伝えしたいことがあります。
自社の今後の展望や、現在のステージに最適なコンサルタントなのか?という視点で判断すれば、正解が増えるのではないでしょうか。但し、地方都市などは、肉薄し全体最適までもっていくスタイルのコンサルタントが意外と多いようで少ない現状があるので、出会ったご縁を大切に、コンサルティングに踏み出して、トライすることも状況によっては重要と言えます。
まとめ
・コンサルタントは事業ドメインの設定を曖昧にせず、きちんと行う。
・中小企業経営者はコンサルティングの導入目的を明確に。何のために?という視点を持つ。(全体最適か。はたまた割り切って部分最適なのかも考える。)
・「思っていたのと違う。がっかり。」の感情にならないお互いの工夫を出来る限り行う。コンサルタントはきちんと価格メニュー表を提示する。
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株式会社なかむらコンサルタンツ
代表取締役 中村徳秀
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