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155【中小零細企業経営者が経営計画を書く前にすると良いフレームワークとは?】元銀行員・地方在住・財務コンサルタントの思索


はじめに


このブログで何度も「経営計画」の重要性は説いてきたつもりです。しかしながら、「経営計画」を書く前にすれば良いことはあまりきちんと触れてきませんでした。私が中小零細企業、特に年商10億円規模までの経営者に対して、薦める経営計画の方式は経営学の伝統的フレームワークである、「クロスSWOT」分析を根拠とした、行動計画にまで落とし込んだ形のものです。ただここで、クロスSWOT分析の精度を高める上で役に立つのがマーケティング手法を駆使しての「環境分析」と「業界分析」です。これを的確に実行することで、経営者は自社を取り巻く外部環境を解像度を上げて正確に見える確率が上昇します。正しく、細かく社外の状況を知り、分析することで実際の戦略・戦術を作り出すタイミングでの切れ味が増大するというイメージをもっていただいて構いません。

「マーケティング」を深く知る方にとっては「なあんだ、そんなこと知ってるよ。」「当たり前のことじゃないか。」と思われるかも知れませんが、基礎ほど重要なものはありませんので文章にしたためたいと思います。思わぬ気づきもあるやも知れませんので、ぜひ最後までお読みください。

参考:AIの回答。


Q.経営計画書を書く前にすればよいビジネスのフレームワークは何でしょうか?

A.経営計画書を作成する前に、ビジネスのフレームワークを活用して課題を整理し、解決策を明確にすることが重要です。以下にいくつかのビジネスフレームワークを紹介します。

  1. SWOT分析:

    • Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の4つの要素を分析します。自社の内部状況と外部環境を整理し、戦略立案に活用できます。

  2. PEST分析:

    • 政治(Political)、経済(Economic)、社会(Social)、技術(Technological)の4つの要素を評価します。外部環境の変化を把握し、ビジネス戦略に反映させるために利用されます。

  3. VRIO分析:

    • Value(価値)、Rarity(希少性)、Imitability(模倣の難易度)、Organization(組織の適合性)の4つの要素を評価します。自社の資源や能力を評価し、競争優位性を見極めるのに役立ちます。

  4. 3C分析:

    • Company(自社)、Competitors(競合他社)、Customers(顧客)の3つの要素を分析します。市場でのポジショニングや競合戦略を考える際に活用されます。

  5. ファイブフォース分析:

    • 競合他社、顧客、代替品、新規参入者、サプライヤーの5つの要因を評価します。業界の魅力度や競合状況を把握するために使用されます。

これらのフレームワークを活用して、ビジネスの改題や戦略を整理し、経営計画書の作成に役立ててください。

いちコンサル個人としての結論めいた方式

AIの回答もやはり非常に参考になります。王道のフレームワーク5種類!だと感じます。ただ、全てに取り組めば整理していくことはより難しくなります。経営者にとって環境や業界といった外部環境を整理しインプットすることで、その世界の中に位置する自社としてどう戦って勝ち抜いていくかという戦略を紡ぎだすクロスSWOT分析に非常にスムースに入っていくことができます。クロスSWOT分析をするための入念な準備運動のようなものだと捉えてください。

※手前味噌ですが、念のためクロスSWOT分析をわかりやすく説明したコラムを紹介します。


PEST分析(環境分析)➡3C分析(業界分析)➡クロスSWOT分析

マーケティング戦略立案基礎理論を元に筆者が再構成

上記のフローが一つの王道だと現時点では考えています。これはあくまで一つの方法論ではありますが、弊社がコンサルテーションを重ねていく中で行き着いた一つの結論とも言える手法です。

簡単に図示すると以下のイメージです。


マーケティング戦略立案基礎理論を元に筆者が再構成

クロスSWOT分析だけでも徹底すれば充分効果はあるのですが、自社を取り巻く外部環境の情報量が圧倒的に増えるため、特にクロスSWOT分析で最重要とも言える、自社が勝ち抜いていく上での「一点突破となる積極戦略」の切れ味が鋭くなります。つまり、的を射たO(機会:opportunities)を抽出できる可能性が高まります。そしてそのO(機会)をものにできる自社の最高のS(強み)をぶつけてクロスさせて立案される戦略こそが大きな意味を為していくということになります。

なかなか抽象論でイメージ上での話ではありますが、実体験すれば、戦略立案のレベルはどんどん上がっていくと思います。これは、先人のフレームワークという思考手法を駆使することで、誰しも努力によって磨かれる経営の能力であると私は考えています。

そもそも直観や、今までの経験則で自社の最重要戦略と戦術に取り組んできている企業が中小零細企業では大半だと考えられます。社会科学の領域のテクノロジーたるフレームワークを利用すれば万能とは言いかねますが、大半のケースで現在以上の良い結果を得られるはずですので、ぜひ挑戦してほしいと感じています。

もちろん自社でも取り組んでいます

蛇足かも知れませんが、当然ながら弊社でもこのフローで戦略を立案しています。安定的に毎年、集客が増え、増収、増益できていることが論より証拠であると考えています。

古い言い方ですが、テクノロジーは日進月歩ですので、常に自社を取り巻く外部環境は移ろっていると考えるべきです。そのため、PEST分析と3C分析を駆使して、外部環境の変化をきちんと見落としなく捉え続け、クロSWOT分析に微修正を重ねて陳腐化しないようにして行く継続力が経営者には規模の大小を問わず、求められているのではないでしょうか?

まとめ

・先人の知恵であるマーケティングの手法やフレームワークを使わない手はない。

・特に外部環境の変化が激しく、影響を受けやすい中小零細企業こそ慎重にPEST分析や3C分析を駆使して正確に理解すべきである。

・PEST分析や3C分析を行うことで情報量が増え、クロスSWOT分析の精度が向上する。

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【融資・財務コンサルタントの仕事をかみ砕いて言うと…】

岡山県倉敷市という地方都市で、独立系の融資・財務コンサルタントというニッチな業態を生業としています。

得意な分野はやはり「融資」です。貸すと借りるの両方を経験し、その道のコンサルタントとして活動している人はまだまだ少ないと思います。

実務としては、インタビュー・対話形式をメインで、銀行などの金融機関の評価が高まる、改善施策を行動計画にまで落とし込んだ「経営計画」を作るお手伝いとなります。実はこの「経営計画」を作っていく中で、自社の情報を体系的に整理するというメリットを得られます。そして、銀行から自社の財務状況がどう評価されているのか?(財務格付と言います)を算定するノウハウが弊社にはあります。この財務状況がどういう状態なのかをコンサルテーションの中で、分かり易く説明させていただきます。少しだけ踏み込んで言えば、この財務格付の算定プロセスの中に、自社の改善ポイントを見つけることができます。

「経営計画」以外には、銀行借入の再編プランを作り、金融機関への説明資料を経営者と一緒に作成し、場合によっては銀行の許可を得た上で、交渉の場に立ち会わせていただくことも頻繁にあります。銀行融資の再編だけでびっくりするくらいの資金繰り改善に繋がることが多くあります。

色々と書きましたが、年商10億円規模までの中小零細企業の経営者には、頼りになる右腕的幹部社員もいなかったりするケースが一般的です。つまり、私(弊社)は外注幹部社員としての役割を担うことになります。

融資・財務改善を軸としたコンサルタントは多いようで実は少ないと考えられます。このnoteを読まれたことも何かの縁ですので、自社の財務面や戦略面でモヤッとしていることがあればお気兼ねなく、質問などお問い合わせください。メールとfacebookへのDMでどうぞお気軽に。

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nori.nakamuraconsul@gmail.com

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※KOKUYO社が運営する経営お役立ちサイトでコラムを寄稿しています。もし良ければこちらもごらんください。無料でダウンロードできるツールもあります。

今回もお読みいただきありがとうございました。

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株式会社なかむらコンサルタンツ
代表取締役 中村徳秀

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