【インタビュー】開催中! デザイン&アートフェスティバル『DESIGNART TOKYO 2021』とは?(前編)
10月22日(金)~10月31日(日)に行われるデザイン&アートフェスティバル『DESIGNART TOKYO 2021』。
このイベントでは、世界屈指のミックスカルチャー都市、東京を舞台に、世界中から集まったアート、デザイン、インテリア、ファッションテ、テクノロジー、フードなど様々なジャンルの多彩な展示が行われます。
今回は『DESIGNART TOKYO 2021』開催直前 発起人インタビューとして、DESIGNART代表/クリエイティブディレクターの青木昭夫さんに『DESIGNART TOKYO』の立ち上げの経緯や昨年のコロナ禍での取り組み、そしてZAIKOとの取り組みについて、お話を伺いました。
様々なクリエイティブが一堂に会する横断的なイベント
ZAIKO編集部:
『DESIGNART TOKYO』とはどういったイベントなのでしょうか?
青木:
2017年から始まり、今年で5年目を迎えるデザイン&アートフェスティバルで、開催中は街全体が美術館のように作品展示が表参道、渋谷、原宿、六本木、代官山、銀座など都内各所で楽しめるイベントです。
構想自体は2008年のリーマンショックの時からありましたが、ちょうど2009年頃になってくると街の元気がなくなってきました。そこでショップとクリエイターが繋がるようなタイアップ型イベントができたら、クリエイターは場所を無料で借りて作品発表ができますし、お店にとってもPRになり、お互いの良いところを掛け合わせることができると思いました。
そして、2016年に東京オリンピックのロゴや新国立競技場をめぐる一連の問題で、クリエイティブに関する様々な議論が世の中で巻き起こりました。その時、追い打ちをかけるように東京デザインウィークであってはならない事故が起きてしまい、人々の生活を豊かにするはずのデザインやアートで新しいことがしにくい雰囲気がありました。
そのような状況や風潮を打破するためにも、クリエイティブのポジティブな部分を広げていく必要があると考え、2017年『DESIGNART TOKYO』をグラフィックデザイナーの川上シュンや建築家のアストリッド・クラインとマーク・ダイサム、WEBデザイナーの小池博史、伝統工芸プロデューサーの永田宙郷など様々な分野の第一線で活躍する発起人の方々とクリエイティブ産業を活性化していくために少しずつお金を出し合って立ち上げることにしたんです。
ZAIKO編集部:
どれくらいの規模感で開催されているのでしょうか? またどのようなクリエイターや企業が参加されているのでしょうか?
青木:
規模としては、延べ20万人の集客があった2019年が最大で、その時もファッション系ハイブランドや家電メーカー、自動車メーカーといった企業、若手から大御所までのクリエイターなど、様々な分野・業界から横断的に参加して頂くことができました。
イベントをジャンル横断型にした理由ですが、例えば、パリではパリコレのようなファッションウィークがあり、ミラノには世界最大級の家具の見本市『ミラノサローネ国際家具見本市』があります。しかし、そういったことを日本で行う場合、何が特徴的な要素になるか考えてみたところ、東京の街が見せる“スーパーミックスカルチャー”がマッチすると思うようになりました。
例えば、渋谷と浅草では全然文化圏が違うし、都内だけでも色々なカルチャーが存在します。そういった何が起こるか、何に出会えるかわからないミックスカルチャー加減が、東京の素晴らしさだと気づきました。それであえて、家具やアート、映像、音楽、ファッションなど様々なジャンルが一堂に会するような横断的な形を特徴として打ち出すことにしました。
オンライン化で地方や海外の人たちにとっても身近なイベントに
ZAIKO編集部:
去年のコロナ禍ではどういった形で開催されたのでしょうか?
青木:
正直なところ、リアルの来場人数に関しては最大の盛り上がりを見せた2019年と比べて30%減の延べ14万人程度、会場数も約100会場から70会場という規模に縮小せざるを得ませんでした。しかし、昨年(2020年)はオンラインとリアルを掛け合わせたハイブリッド型で開催することでイベントを成功させることができました。
昨年に関しては、360°カメラを使って、世界中のどこからでも現地で見ているような臨場感を感じられるオンライン展示の仕組みの導入や、これまでリアルオンリーだったトークイベントをオンラインで配信するなど、オンラインシフトに取り組みました。その結果、例年の1.5倍〜2倍ぐらいの流入数を増やすことができ、全体的なウェブサイトへのリーチ数も例年以上に伸ばすことができました。
ZAIKO編集部:
コロナ禍でオンライン化が進んだからこそ、実現できたのはどのようなことでしょうか?
青木:
昨年、オンラインシフトを行ったことで、地方や海外の人たちが「DESGNARTがより身近になった」と言ってくれたことは印象的でしたね。もちろんフィジカルに東京に来てもらうことがベストですし、その方がしっかりとコミュニケーションしやすいというのはあります。ただ、リアルの現場に来て頂ける人の数は限定的です。
でも、オンラインでやった昨年はその絶対数も急激に増えましたし、海外や地方からのアクセスも非常に増えました。そういう意味では、オンラインは地域やエリアに関係なく発表ができるため、参加する若手クリエイターやプロダクトメーカーにとってもチャンスが広がったと思っています。
ZAIKO編集部:
今回、ZAIKOとパートナーシップを組むことになったのはどんなきっかけからでしょうか?
青木:
ある時にプライベートで偶然ZAIKOのスタッフさんと知り合ったのがきっかけになりました。その時は名刺交換だけさせて頂きましたが、こちらからすぐにご連絡させて頂きました。
ZAIKOとの取り組みは新しいチャレンジ
ZAIKO編集部:
ZAIKOと一緒に取り組もうと考えたのはどういった理由からでしょうか?
青木:
昨年のイベント開催時にもチケットサービスの候補としてZAIKOさんの名前が挙がっていたこともあって、以前から知ってはいましたが実際に利用させて頂くのは今回が初めてです。
そういうことも含めて、ZAIKOさんと一緒に取り組むことは、僕らにとっても新しいチャレンジでした。これまでは他社のチケットサービスを利用してきましたが、今回はこれまでとはまた違うジャンルの人の扉を開けることができたらいいなということで、力をお借りすることにしました。
今までも『DESIGNART TOKYO』では、ジャンルを横断してそれぞれがクロスオーバーすることを目的にしてきました。そうすることで化学反応が生まれ、自分たちの想像以上に良くなっていくような経験をしてきましたし、今回もZAIKOさんと一緒に取り組めば、何かまた新しい化学反応が生まれるはずだと考えました。
ZAIKOさんは素晴らしいモチベーションで取り組んでくれることもわかりましたし、音楽などの生活に密着したカルチャーに対しても、もっとクロスオーバーしていければという想いでご一緒させて頂いています。
ブランドマナーに沿ったチケット販売ページを作成できることが魅力
ZAIKO編集部:
ZAIKOのどのような部分に魅力を感じていただいてますでしょうか?
青木:
直感的に新しいものを受け入れるような企業文化があると思いますし、丁寧にイベントについて説明することの大切さも理解されています。他のチケットサービスではチケットを売ったり、管理することはできても、ZAIKOさんのように販売ページをブランドマナーに沿った形で作成できるようなことはできません。
そういったよりチケットを販売する側に寄り添った機能があるところに感度が高いサービスを提供していくというブランドアイデンティティが現れていると思いますね。そこが僕らとも親和性があると思っています。こちらの無理難題にフレキシブルに対応して頂けたり、わからないことにも丁寧に答えて頂けるのはありがたいですね。
それとサービスに関して言えば、やはり弊社のように国際イベントを謳っておりますと国際発信していく機会は多いため、ZAIKOさんのように「ZAIKO ボーダーレス」のような海外展開に秀でたサービスあることは国際PRの面でも心強いです。
ZAIKO編集部:
今回、ZAIKOとパートナーシップを組んでみていかがだったでしょうか?
青木:
チケットの販売はもちろんのこと、今回はカンファレンスのオープニングイベントとエンディングのモーショングラフィックを用意しましたが、そちらもZAIKOさんに「Powered by ZAIKO」という形でお引き受け頂きました。こういったクリエイティブの作成に対応できるチームも社内で抱えておられて、無理なくご協力頂けたことには非常に助けられました。全面的に協業できていることもあって、非常に心強いパートナーだと思っています。
ZAIKO編集部:
今年は、フレイバー焼酎のイベントも実施されるそうですね?
青木:
『DESIGNART TOKYO』の会期中、最後の週末となる10月30日(土)に有楽町駅から新橋駅間の高架下に昨年できた新スポット「日比谷OKUROJI」で開催します。日比谷OKUROJIは、ジェイアール東日本都市開発が100年以上の歴史がある煉瓦積みアーチを活用し再開発した高架下空間で、店舗選定にもこだわるなどカルチャーへの感度が高い人をターゲットにしています。
そこで、鹿児島県酒造組合さんのご協力のもと、銀座コリドー街の隣にあり、若い世代の方たちも集まりやすい日比谷OKUROJIさんで、若い蔵人を中心に新たな本格焼酎として売り出されているフレイバー焼酎のイベントをすることになりました。
焼酎というと"芋特有のクセがあるお酒"といったイメージを持つ人も多いかと思いますが、最近ではオレンジ味やバナナ味のようなフレイバー焼酎が沢山生み出されています。また、新しい飲み方として「ソーダ割り」が熱いそうで、そういった楽しみ方を広めていきたいという声がありました。そこで数々のファッションブランドやハイカルチュラルな人たちからも支持されているYOSHIROTTENさんとコラボすることで、これまでの焼酎のイメージをアップデートできると考え、このようなイベントを企画させて頂きました。
今回、日本一の焼酎の蔵数を誇る鹿児島県の酒造さんの中から29蔵にご参加頂き、YOSHIROTTENさんデザインのオリジナルラベルを冠した「鹿児島県本格焼酎 DESIGNART TOKYO 2021 限定ボトル」を作成しました。イベント当日は、ZAIKOさんで事前応募された方の中から抽選で、限定数無料でお配りします。
「鹿児島県本格焼酎 DESIGNART TOKYO 2021 限定ボトル無料プレゼント」応募ページ
次回は『DESIGNART TOKYO 2021』の見どころやオンラインカンファレンスの内容、今後の展望について伺います。