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仕事ではないけれど

火曜日の夕方にロシア語会話の対面授業を受けることになり、先週から通い始めた。今回の授業には予習もして行ったので、前回よりも発言回数が増えた。いいことだ。

仕事ではないけれど、自分のためにどこかへ出掛けて、たった数時間だけでも集中して何かを学んで帰ってくる、という時間を週に1度確保するだけで何かが活性化するのがわかる。自宅でオンライン授業を受けるのとはそこが一番の大きな違いだった。

今日も地下鉄の接続が思いのほかよくて、想定時間よりも早く学校に着いてしまった。外で時間を潰すにはまだ寒いので、早めに教室へ向かう。先生が来ていたので、少しだけ雑談をする流れになった。

「どこでロシア語を勉強したの?」
「ベルリンの大学で学生をしていたときにロシア学科の準備コースを確か2年ほど…2年半だったか受けていたんです。そのあと偶然モスクワの医療クリニックでインターンをすることになって。半年ほどモスクワに住んでいたんです。2001年なので、もう随分前ですけど。ベルリンには30年近く住んでいます。」
「モスクワに半年住んでいたことがあるのか、医療クリニックでインターン、なるほどね。私もベルリンには30年ほど住んでますよ。」

そこまで話したときに他の受講者が教室に入ってきたので、話が途中で終わってしまったが、先生も90年代にベルリンに来たのであれば、共通の知り合いがいる可能性は大いにある。同時期にベルリンでロシア人の知り合いがたくさんできたからだ。

今日も「週末は何をしていましたか?」といういつものテーマで話をしたんだけれど、ジムに行った話をしたら先生がこういうではないか。

「うーん。ジムもそうなんだけど、私は心理カウンセリングも整形外科もホメオパシーも信用していません。」

やはりこの先生、面白いことを半ば真顔で言うのである。そして週末に何をしたのか、という問いに自分でも答える先生。

「土曜日は近所の店にラドラー(ビールのカクテルのようなもの)を買いに行ったんですが、いいのが売っていなくて、また別の店に買いに行ったらいいのがあったので(娘と妻の分なんですが)、自分用にはビールを買って家に帰りました。天気が良ければ散歩にでも行ったんだけど、まだ寒いからやめて家で至極受け身に休息を取りました。」

「受け身で休息を取る」ってどういうことですか?と思わず突っ込んでしまった。なんてことはない話なのに、なぜか面白いのだから大したものだと思う。ロシア人の「ジョーク」はドイツ人のそれと比べても段違いに面白いし、とにかく話がうまい人が多い印象を毎回受ける。あの話のうまさがどこから来るのかいまだによくわからない。

そんなわけで今日もぼーっとしていた頭が先生の話を聞いているうちにどんどん活性化していくのがわかった。活性化したからだろうか、帰り道に聴いていた日本語の歌の歌詞が一句一句とてもクリアに聞こえたのが不思議だった。来週の授業も非常に楽しみである。




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ベルリンのまりこさん
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