漫才台本『一番怖いもの』
ういっす。えいっす。おいっす。
東京NSC29期生の安斉太啓(あんざいもとひろ)です。
相方が見つかるまで漫才台本に書いてます。
読んでくれたら嬉しいです。
よろしくお願いします!
B:ボケ
T:ツッコミ
T「よろしくお願いします。」
B「お願いします。
お前がさ、
この世で一番怖いものってなに?」
T「僕が一番怖いのはおばけですね。」
B「はぁ?」
T「え、怖いじゃんおばけ。」
B「なんで?」
T「いや想像してよ。
夜歩いて帰ってたらね。」
B「俺、自転車で帰ってるけど。」
T「・・・夜に自転車で帰ってたらね、
後ろから足跡がこつーんこつーんと
してくるんだよ。」
B「はいはい。」
T「どうするお前、
自転車乗ってるとしてさ。」
T(Bを舞台袖の方に体を向けさせる。)
B(自転車に乗るマイム。)
T「そう、自転車乗ってて。
後ろからこつーん、こつーん。」
B(舞台袖側に移動)
T(Bに追いつけない。)
T「・・こつん、こつーん」
T(徐々に声のトーンを落とす)
B(センターマイク側に戻ってくる。)
B「…たしかにヒール履く女って、
性格怖そうだもんな。」
T「気遣うなよっ。
ヒール履く女が怖いって言ったか?
お化けが怖いんだよっ。」
B「ああ、そういう話だったな。」
T「わかった。
じゃあ自転車乗って、
こっち側に来て。」
B「オッケー。」
B(舞台袖に移動し、
センターマイク側に漕ぐマイムで移動。)
T(少し後ろに下がる。)
B「あー、仕事疲れたなあ」
B(センターマイク側に到着)
T「わぁ!」
T(前に出て、Bを驚かす。)
B「あ、おばけ。」
T「お前を、食ってや・・」
B(自転車こぐマイムで逆の舞台袖へ)
T「逃げ切るなよさっきから。」
B「ぜんぜん怖くないわ。おばけ。」
T「なにその感じ?
お前が逃げ切るからじゃん!
逃げ切れないからね普通。」
B「そもそもいねぇし!おばけ。」
T「いや、今更その話する?」
B「いないものが一番怖いってなに?」
T「じゃあ、
お前が一番怖いものってなんなんだよ。」
B「警察。」
T「え?」
B「警察が一番怖い。」
T「なんか違法なことしてるじゃん。」
B「してないよ。」
T「してなかったら別に怖くないって。」
B「お前、警察が怖くないのか!?」
T「お化けのテンションじゃん。」
B「いないお化けより、
いる警察の方がずっと怖いだろ。」
T「いやお化けの方が怖いよっ!」
B「だからお化けはいないから!」
T「妖怪とか目撃情報すごいんだよ!
だから絶対にいるんだよ!」
B「え、目撃情報でてるの?」
T「もうあちこち出てるよ。」
B「じゃあ、
出会っても逃げ切れてるってこと?」
T「あっ。」
B「逃げ切れるなら怖くないじゃん!」
T「いやそれは、あの、その」
B「お前、自転車乗れ。」
T「はぁ?」
B「自転車乗って、
あっちからこっちこい」
T(舞台袖に行く。
自転車を漕ぐマイムで
センターマイクへ移動。)
T「今日も仕事つかれたなぁ。」
B「はい、そこの君止まりなさい。」
T「え?」
B「その自転車、ライトついてないよね。」
T「いや、えー。」
B「ずっと見てたから。
身分証ある?違反金が、」
T(自転車漕ぐマイムで逃げる)
B(自転車に乗って漕ぐマイム。
Tに追いつく)
B「はい、今なんで逃げたの?
署までこようか。」
T「・・・」
B「深夜に、急に現れて、
違反金と称して人から金をうばう。
もうそういう妖怪じゃねぇか。」
T「・・・」
B「絶対にいるし、
絶対に逃げ切れねぇ妖怪なんだよ。」
T「・・・」
B「それに比べて、
いねぇし、いても逃げ切れるお化け。
どっちの方が怖いんだよ!」
T「警察。」
B「お前、失礼なこと言うなっ!」
T「もうやだ。。。」
B「警察官の方は仕事でやってんだよ。
それを妖怪とかいうなよ!
お前、最低だぞ!
謝れ!」
T「ごめんなさい。」
B「じゃあ改めて、
一番怖いものってなんだ?」
T「お前。」
B「そうそうそう。」
T「どうもありがとうございました。」
~おわり~
あとがき
変なオチ。
絶対に読んだら変な感じになるだろうなぁ。
アイディアは、
夜に町を張って、違反切符を取ろうとする警察は
やってることが妖怪図鑑に載っててもおかしくない、
みたいなところから。
他のほぼ妖怪みたいな人間の行為を
挙げていくのもありかなぁ。
警察官の方、お気を悪くされたらすみません。
町の安全を守るお仕事、尊敬しております。