コント台本『友達代行』

東京NSC29期になる予定の安斉です。

よろしくお願いします。


タイトル「友達代行」


友達代行で飯を食べてる男、内山和義と山岸浩平。
今日の依頼は結婚式。
無事に、ばれずに式を終わらせることができるのか。。。


内山:仕事人。その道のプロを自負している。

山岸:新人。


ナレーション
「それでは、新郎新婦の入場です。どうぞ。」
※結婚式で流れるBGM

内山「(拍手をする。)」
山岸「(内山を見て真似をして拍手する)」
(新郎新婦と新婦が歩いている様子を見る内山と山岸)

内山「たけし~!いいぞ~。」

山岸「ヒュー。」

内山「こっち向いて~たけし~。」

山岸「ヒュー、ヒュー、ヒュー」

内山「たけし。あいつ美人な嫁さんもらいやがって。なぁ?」

山岸「ヒュー。」

内山「ちょっとごめんごめん、一回外でよっか。」

内山と山岸、下手に移動。
※BGMが収まる。

内山「お前ヒューヒュー以外言えねぇの?
   過呼吸みたいになってたぞ。」

山岸「だって難しいですもん。」

内山「泣き言いうんじゃんねぇ。仕事だろ!」

山岸「俺むりですよ。」

内山「適当に褒めればいいんだよ。」

山岸「俺、依頼主さんのこと、全然知らないですもん!」

内山「バカっ、依頼主っていうな。
   たけしって呼べ。
   ばれるだろ。」

山岸「ばれるに決まってるじゃないですか!
   結婚式に友達代行を呼ぶなんて。」

内山「馬鹿ッ、友達代行って言うな。ばれたらどうする?」

山岸「こんなバカげた仕事、もうたくさんだ。」

内山「馬鹿っ、仕事っていうな、ばれたらどうする。」

山岸「さっき思いっきり「これも仕事だろっ」って言ってましたよね!?」

内山「依頼を受けた以上、俺たちはプロだ。
   絶対にばれずに依頼主の友達代行の仕事を成功させるぞ。」

山岸「もう全部言ってるじゃないですか。」

内山「いいか!
   今回の新郎、たけしは友達がいない。
   一人もな!
   けど新婦のみちこさんに嘘をついている。
   友達が多いから結婚式も、
   派手に300人くらい呼ぼうって。
   で、新婦側が友達、親戚合わせて150人、
   対して新郎側、親戚20人、友達代行130人だ。」

山岸「おかしいでしょ!
   友達代行って、
   合コンで一人足りない時とか、
   隙間を埋めたいときに使うんですよ。
   なに全部いってんすか!
   130人雇うって、結婚式の費用より高いでしょ。」

内山「これだけの人数の結婚式だ。
   結婚式の費用は、500万円くらいか。
   だけど、ご祝儀ではらえるだろ。
   実際にさっきみたけど、すごい数あったぞ。
   単純計算で300人かける3万円だから900万円だぞ」

山岸「900万円!」

内山「まぁその内130人かける3の490万円は、
   たけしが自腹で用意したやつだけど。」

山岸「大赤字でしょ絶対!」

内山「とにかくいいか。友達らしく振舞え。
   新婦側の知り合いに絶対にばれるなよ。」

山岸「わかりましたよ。」

席に戻る二人。

内山「よっ!たけし!」

山岸「たけしー。」

ナレーション
「それでは、友人代表のご挨拶です。」

内山「じゃあ行ってくるわ。」

山岸「マジすかっ!」

内山「いいか、俺が合図したら、
   おい、泣いてるのかー。って言え。」

山岸「合図?」

内山「いいからいう通りにしろよ。」

内山、上手移動

内山「えー、こんばんわ!
   たけしくんの友人、いや親友の、内山です。
   たけしくんとは、いや、たけしでいいか!
   たけしとはね、小学校からの付き合いで、
   今でこそこんなちゃんとしてますけど、
   昔は相当なバカでね、
   俺が夜の小学校に忍び込むぞなんて
   言い出して、まぁばれるじゃないですか。
   担任の先生に怒られてたら、
   こいつが、俺が全部悪いんですっって。
   こいつ、おれのことかばったんです。
   俺、ばあちゃんと二人暮らしで、
   ばあちゃん悲しむやろって、こいつが、
   ううう、」

山岸「全部嘘なんだもんなあ。すごいなぁ。」

内山「うう、うう」
(内山、泣きながら合図)

山岸「あ、あれ合図か!
   おい、泣いてんのかー!」

内山「うるせぇバカ野郎!
   今の山岸っていってね、
   あいつとたけしと三人で、
   つるんでたんですよ。
   いやでも、本当におめでとう、たけし!」

山岸、拍手
内山、戻ってくる

内山「ふぅ~。」

山岸「内山さん、プロですねぇ」

内山「まぁな。」

ナレーション
続いては、新郎側の出し物です。

山岸「よし、行くぞ。」

内山「僕も行くんですか!?」

山岸「当たり前だろ、親友の結婚式だぞ。
   大丈夫だ。俺に任せとけ。」

内山「何も聞いてないんですけど。」

山岸「俺の言う通りにすればいいから。」

内山と山岸、上手に移動。

山岸「ええ、僕たちはね、
   なぞかけを披露したいと思います。」

内山「僕そんなのできないですよ!」

山岸「じゃあ内山は、誰かからお題もらって。」

内山「ええと、誰か、お題がある方、
   なんでもいいですよ。
   あ、じゃあそこの黒いスーツの。
   え、新人アーティスト?
   すごいお題ですね。」

山岸「はい、できました。」

内山「早いなぁ!」

山岸「新人アーティストとかけまして、
   結婚式とときます。」

内山「その心は?」

山岸「どちらも神父がかかせないでしょう。」

内山「あ、新しい楽譜の新譜と、神父さんでね。」

山岸「ありがとうございます。
   次いきましょう。」

内山「じゃあそこの、赤いネクタイの、はい、
   え、プライドの高い人間?
   それはいくらなんでも。」

山岸「整いました。
   プライドの高い人間とかけまして、
   嫁と、婿とときます」

内山「その心は?」

山岸「どちらも、はなにつくでしょう。」

内山「ああ、花嫁と花婿!」

山岸「ありがとうございました。」

二人、席に戻る。

内山「今のって。」

山岸「新郎側の人間だ。」

内山「ですよね。仕込みですよね。」

山岸「だいたい式は終わりだな。
   ふうなんとか無事にすんでよかったな。」

内山「そうですね」

ナレーション
「緊急事態です。ご祝儀がすべて盗まれました。
 犯人は現在捜索中です。
 どなたか心当たりのある方はお知らせください。」

山岸「ええ!」

内山「ちょっと、うちの社員の誰かじゃないですか?」

山岸「いや、そうとは限らないだろ。」

内山「でも、一番怪しいでしょ。
   もう正直に言ったほうがいいですよ。」

山岸「新婦側にばれるだろ!」

内山「そんなこといっても祝儀がなかったら、
   ぼくたちただ働きになるんですよ!」

山岸「くそ、こうなったらあれしかねぇか!」

内山「何か考えがあるんですか?」

山岸「ただで働くしかねぇか。」

内山「ノーアイディアじゃないですか!」

山岸「皆さん聞いてください!
   僕たちは、いわば身内だ!
   この中に犯人がいるわけがない!
   だから、犯人捜しはやめておきましょう。」

内山「逆に怪しいですよ!」

山岸、警備員が来たマイム

山岸「あ、ちょっとなんですか?
   僕が盗んだかもって?
   僕はたけしの親友ですよ?
   なぁ、たけし、あれ、たけし?
   おいやめろ!
   親友の晴れ舞台を汚すな!
   おい!ああ~。」
   
山岸、連れ去られるマイム。

内山「あの~、実は、」
※暗転

~終わり~

   


あとがき
このnoteは毎回成り行きで書いています。
思ったところに全然いかないのが通常運転です。
計算通りに書いたやつは、
本当のコンビになったときか、
ぜひ舞台で見に来てください、
以上、後書きという名の言い訳でした。
明日はもっといいもの書くぞ。

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