逗子アートフェスティバル2018のキックオフMTGを開催しました!(開催レポート)
2013年から始まり、2017年にトリエンナーレとして開催された逗子アートフェスティバル(ZAF)。
いま、逗子市の財産難により、2018年からは予算がつかなくなりました。
いろんな難しいことはあるけれど、「それでもやろう!」という呼びかけでZAF2018キックオフミーティングが開催されました。
「ピンチはチャンス!」と立ち上がり、動き始めた新しいZAF2018の様子をお届けします!
いま、この逗子アートフェスティバルに起こっていること。
3月3日土曜19時。市民交流センターに集まったキックオフミーティングの参加者は42人。20代から70代まで幅広く、実行委員も初めて来てくれた方も、多くの人が参加してくれました。
呼びかけたのは、柴田雄一郎(shiba)、菊池尚、長島源の3人。
この場は、ZAF2018を取り巻く環境について、お金の話、人や組織の話、感情や価値観や、夢やあきらめや皮肉、今起きているすべてのことを、洗いざらい出して、みんなで確認する会です。
ここで出し切らないと、何かひっかかりがあっては前に進めないですものね。
今日は、あえて客観的な視点のファシリテーターがいいのではないかということで、shibaさんご紹介の江上広行さんと、山藤惟久乃さん。大手広告代理店/グロービス経営大学院で会議をまとめるプロフェッショナルの方です。
「普段のことや、立場・経歴・こだわりは横に置きましょう。何が正しい、何が間違っていることは問題ない。いろいろあるが、この場を楽しんでいきましょう!」
という言葉でスタートです。
全くお金はありません!!!
まずは、逗子市の現状、方針はどうなっているの?というファクトを確認する場です。
逗子市文化スポーツ課の鬼原さん。今日は肩書関係なく集まる場ですので、(ゆかぽん)です。
「御存知の通り、逗子市は財政がすごく厳しくなっています。そのため、H30年度についてはZAF実施のための予算がとれなくなりました。その先も同様です。今までと同じ方法ではできない、ということになりました。全くお金はありません!ここにいるみなさんの強い思いしかありません!」
冒頭から、どんよりしちゃいそうな内容だけど、思わず会場に「おおー!」と明るいどよめきが広がります(笑)
「ZAF2017の振り返りミーティングが12月に行われ、このことを話しました。自分たちの力でZAFを続けたい!というたくさんの声がありました。年末から年始にかけて、たくさんの時間をかけて検討をしてもらいました。より自立的に活動できるように実行委員会の形を変えていこうということで、現在の実行委員会は“解散”しました。その上で、続けたいと強く願う3人が発起人となって、新しいZAFを一緒に作りたいと思う仲間を集めよう!ということで今日の場になりました。」
でも、逗子市の方針を、こう語ってくれています。
「2013年からたくさんの市民のみなさんと作ってきたZAFを、逗子市としてはぜひ継続したいと考えている。市としては大変心苦しいが、お金の面は難しくても、それ以外の力は出していこう!と決めています。今日は皆さんのアイディアをぜひください!」
2020年以降の課題が前倒しで来た。ピンチはチャンスなんです!
このピンチの中、なぜZAFを続けたいのか、どんな思いから出てきているかを、発起人3人にそれぞれストーリーを話してもらいます。
shibaさん(ZAF2017プロデューサー/逗子メディアアートフェスティバル)
ついつい逗子の財政難に目がいきますが、2020年以降になると日本全体がどんどん落ち込んで行政の文化予算や補助金は出なくなり、アートフェスティバルはどの自治体も中々できなくなるんです。2020年以降の課題が、逗子にはちょっと前倒しで来たということなんです。逆にこれはチャンス。市民が自立的に街のコミュニケーションを再構築していく逗子発のモデルケースになれるんです!
長島 源さん(旧ZAF実行委員/逗子海岸映画祭)
2017年から池子の森の音楽祭をはじめました。アートフェスティバルを通して、逗子市の課題を解決していくことをやっていきたいと考えていました。
池子弾薬庫という過去があり、市民発では利用が難しかった池子の森自然公園。逗子市と市民が一緒につくるZAFだからこそできた、初となる音楽祭でした。この流れを停めてしまうのは、もったいない。
菊池 尚さん(旧ZAF実行委員)
私は、逗子で商売をしているので、まちおこしまちづくりという観点で関わっています。関わっていると、アートっておもしろいなと感じることが多かった。アートが盛り上がり、結果逗子が盛り上げればいいなと思っています。
年配の方だけでなく、2016年ぐらいから若い方も含めて幅広い世代の方が参加する流れができています。実は、逗子にはこんな場は少ないんです。器は変わっても、とても充実してきたこの中身を盛り上げるべく、これからもつくっていきたいと思っています。
「ピンチはチャンス!」の発言に、沸き立つ会場!
他にも、「新しいZAFがすごくうまくいっている成功しているイメージはどんな状態ですか?」「逗子アートフェスティバルが一番残念になっている状態は?」と、これからの新生ZAFのイメージがとても素敵な雰囲気の中話し合われました。ここでは全部伝えられないので、ぜひこの動画をみてほしい!!
わたしたちは、このZAF・まちをどうしていきたいのだろうか?
3人のストーリーテリングの後、参加者全員で同じテーマで話をしました。
1つ目の問いは、「逗子アートフェスティバルがどのように実現したら、みなさんは幸せですか?」
お金の問題、組織の問題… いろんな制約はひとまず横に置いておいて、ZAFが終わった時の状態をイメージして、みんなで話し合っていきます。
どんな作家を呼ぼうかな?じゃなく、街全部が作品になっちゃっている状態。例えば、交差点ペインティング。来てくれる人/地元の人が一緒になって交差点をペインティングし社会全体の中で安全性を生み出す。そんなふうに、街自体のアートにみんなが取り込まれちゃって、一緒に参加する。そんな状態が幸せ!
池子の森は、これまで社会的には負のイメージだった。でも、アートの力で自立的に課題に向き合って、自分たちの暮らしたい街は自分たちの手でつくりだす!という空気ができている。それが、この街っていいねというブランドになって、街に主体的に関わる人、移住する人が増えていく状態!
写真の絵は印象的だったお話です。
「いま私たちは悩んでいるところ。どうしたらいいのか分からない。でも、そこから根が生えて栄養分になって吸い上げて、いろんな考え方を話し合って、花が咲けばいい。そうしたら、芽が出て世代交代していくと思うんです。」と。
制約さえも ”わがもの” に取り込んで現実的に乗り越えていく。
しかし、今日はありのままを確認する場。
次の問いは、「その実現には、どんな“制約”がありますか。その制約さえも“わがもの”に取り込んでZAFを成功させるために“私”にはどんなことができますか?」です。
先ほど話した理想像は、実現できたらいいですね。でも、そうならないのは、そうならないだけの理由がある。
現実として起こっている問題を、お金、人のこと、自分のこと、皮肉、あきらめ… そんな制約をみんなで現実的に考え、それを乗り越えていくことを探りました。
「軸の違い」。それぞれ、わくわくできる軸が違う。関わる人同士でストレスを抱える、いやな思いをする、自信がないから関われない、ということが発生する。多様性を受け入れて、いろんな人が関わって、個人個人をたてていく。その多様性がアウトプットとしてアートとして表現できるようになればいい。
「疲れ」。これまでも企画者だった人は、どうしても“無料”や“ボランティア”でやることになり、疲れてきた。人のがんばりに依存することには限界が絶対くる。みんなが負担する、参画性、主体性、役割をもつこと、みんながその姿勢であること。それが必要なんじゃないか。
何と言っても、「お金」「告知」。このチームの中でも、スポンサーを獲得できる、映像つくれる、音楽作れる、インフルエンサーになれると、いっぱい出てきた。どうコンビネーションできるか、“得意芸の一品持ち寄り”をやるだけで、誰かに集中することが分散して実現できることが増えていくのだと思う。
「人材」。人材が足りないといっても、2つの考え方がある。人数がたくさんいてほしいという考え方と、質の高い人がいてほしいという考え方。プロデューサー側の人が足りない制約がある。しかし、僕らがおもしろそうだと思っていると、この敷居はどんどん超えていける。お金がないという制約も、5,000円とかお金を払ってでもこのサークルに入って一緒にやりたいという会員制的な関わり方の改革で解消できるんじゃないか。
全部紹介したいのですが、そんなポジティブな未来の姿で、収集がつかないほどの熱気に!
この共感をネットワークに。4月14日に本当の意味での発足会を開催します。
2時間はあっという間に過ぎ。
最後にshibaさんから、今後の活動の案内をして一日を終えました。
「今日は、本当に発展的な話ができたと思っています。みなさんの共感があって、経済的・人的な制約を一緒に考えていって解決していくことが逗子らしさにつながるし、逗子アートフェスティバルの新たな出発になると思います。これからもみなさんのご協力をお願いいたします!」
今日のキックオフで話されたことに共感し、ZAFをやりたい!人たちが集まり、4月14日土曜に本当の意味での発足会を開催します。この集まりからがスタートです。
みんなで話しあった、定期的にオープンなミーティングを持つ場をつくったり、会費制の設定を検討して広報としてのフリーペーパーをつくるなど、みんなが参加したくなるものにしていきます。
これを見て賛同・共感いただいた方の4月14日発足会のご参加をお待ちしています!
\ 仮ZAF企画準備室からのお知らせ /
①ZAF企画準備室というFacebookページを作りました。
今回参加できなかった方も、ぜひ「いいね!」して参加申請してください。賛同していただける方ならどなたでも大歓迎!
https://www.facebook.com/groups/743332732536293/
②Facebookをやっていらっしゃらない方は、メールアドレスをお寄せください。登録はこちらから。適宜情報をメールで共有させていただきます。
https://goo.gl/forms/huUWvzGEo7t9kjiD2
③ZAF2018発足会(4月14日土曜日14:30~17:30予定@キリガヤ)
発足会のご案内を、①か②の連絡方法でご案内いたします。ぜひご参加下さい!
写真は、終わった後の打ち上げです。興奮冷めやらぬ中、多くの方にお越しいただけました。4月14日、さらにこの共感をつなげて、新しいZAFを一緒に創っていけることを楽しみにしています!
仮ZAF企画準備室 発起人 shiba/菊池尚/長島源
http://zushi-art.com/