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Stable Diffusion WebUI("re"Forge)のインストール方法
こんにちは!以前ComfyUI Desktopのインストール記事を書きましたが、今回はStable Diffusion WebUI (reForge) のインストールについて書きたいと思います。
Stable Diffusion WebUIにはいくつかのバージョンがあり、その中でも主に本家「A1111版」と「reForge版」がよく使われています。今回紹介するreForge版は、A1111版に比べて新しい機能やカスタマイズが豊富で、さまざまな場面で役立つツールです。どちらを使うか迷っている方も多いかもしれませんが、以下にその利点と欠点をまとめてみました。
reForgeの利点
reForgeの追加機能: reForgeには、いろいろな追加機能やカスタマイズオプションがあり(一部Forge由来の拡張機能有り)、とても使いやすくなっています。たとえば、ADetailer(生成画像のディテールを検出、改善),ControlNet等が追加されていて、本家A1111版と比べて色々と便利です!
新しい機能が早く使える: A1111版と比べて、新しい機能や改善が早く追加されることがあります。そのため、最新の技術や新しい画像生成機能をいち早く試すことができます。
例えば、A1111版だと拡張機能を入れないと最近界隈で話題の"noobAI V-pred"等の(V-Predict, V予想)モデル切り替え機能が無いです。
※最近はA1111版の更新頻度が遅くなっていて、新機能対応が遅れています。
reForgeの欠点
安定性: reForgeは新しい機能がどんどん追加されるので、動作が不安定になることがあります。例えば 10月位にControlNet のマスクが効かない問題がありました(※現在は解決)
ネットに情報が少ない: A1111版のほうが使っている人が多く、トラブルの解決情報もネットに沢山落ちています。それに対してreForgeは新しい機能が多いため、その分情報が少なく、トラブルが発生したときに解決に時間がかかることがあります。
Forge関連の不具合ならまだしもreForge関連となるとそこまでネットに情報が落ちてないので中々苦労します。
利点・欠点をかなり掻い摘んで説明しましたが、ここからはインストールの仕方を説明します!
ComfyUIと比べてコンソール(CLI,黒い画面に文字だけ)を使うので難しそうに感じますが、慣れれば簡単なのでやってみましょ!
1. 必要なものを確認しよう
Stable Diffusion WebUI (reForge) を使うためには、いくつか必要なものがあります。まず、これらを持っているか確認しましょう。
Windows10~11が入っているPC
32GB以上のメインメモリ(RAM)
※16GBでも動くと思いますが、reForgeは本家A1111と比べてRAMの消費量が多いので、16GBだと画像生成しながらブラウジングするのが苦痛になるかもしれません。モデルデータやLoRAファイルを沢山導入する事を前提に100GB以上のSSD空き容量
※インストールだけなら20GBあれば大丈夫ですが一応GPU: NVIDIA製のGPU(SDXLを動作させるにはVRAMが最低8GB必要です。12GB以上あるとより快適に生成できます)
以下にVRAMの容量ごとの具体的なGPUモデルを書きます。参考にしてください。
VRAM 8GB: RTX 3060, RTX 4060
VRAM 12GB: RTX 3060(VRAM12GBモデル有), RTX 4070, RTX 4070 Super
※出来る限りRTX3000(Ampere)世代以降をオススメしますPython: バージョン3.10以上が必要です。Pythonはこのツールを動かすためのプログラム言語です。
※個人的には3.10.6か3.10.9をオススメします。Git: プログラムのファイルをダウンロード,アップデート等管理するために必要です。Gitを使うと、ツールを最新の状態に保つことができたり、不具合が起きた場合ロールバック(バージョンを巻き戻し)出来ます。
自分のパソコンがこれらの条件を満たしているか確認しましょう。特にGPUがNVIDIA製で、VRAMが十分にあるかをチェックしてください。
なお、AMD RadeonやIntel ARCでの導入は少し難解で、トラブルが多くなる可能性があります。例えば、Radeon,ARCのドライバーの互換性や、CUDAに代わるROCm(Radeon用のAIコンピューティングプラットフォーム)やoneAPI(ARC用のAIコンピューティングプラットフォーム)を使う必要があり、設定が複雑です。また、拡張機能の一部機能が制限されることもあるため、初めての方には難易度が高いです。そのため、今回はこれらのGPUでの導入方法については説明しません。
2. 必要なソフトをインストールしよう
ここでは、Stable Diffusion WebUI (reForge) を動かすために必要なソフトをインストールします。
2-1Python をインストールする
Python公式サイトにアクセスして、Python 3.10.6か3.10.9をダウンロードし、適宜インストールします。
※インストールの際、「Add Python to PATH」にチェックを入れることを忘れないでください。このオプションにチェックを入れることで、Pythonがどこにあるかをパソコンが認識できるようになります。
2-2Git をインストールする
Git公式サイトからGitをダウンロードしてインストールします。Gitはファイルの管理や共有に役立つツールです。
インストールはインストーラーの画面に沿って進めるだけで大丈夫です!
3. Stable Diffusion WebUI (reForge) をダウンロードしよう
次に、Gitを使ってWebUIのファイルをパソコンにダウンロードします。まずは、どのフォルダにインストールするかを決めましょう。
推奨するインストール場所
自分の使いやすい場所にインストールすることが一番。
例えば、私の場合は自分のユーザーフォルダに「SDWeb」というフォルダを作り、その中に各種WebUI環境を入れています。
例:
C:\Users\(自分のユーザー名)\SDweb
このように、自分のユーザーフォルダ内にWebUI用のフォルダを作ることで、管理がしやすくなります。また、他のソフトウェアやシステムファイルと混ざらないため、誤って削除してしまうリスクも減ります。
※Pythonの仕様上全角文字や半角スペースが含まれないフォルダ階層を指定してください。エラーの原因になります。
次に、Gitを使ってWebUIのファイルをダウンロードします。
まず、インストールしたいフォルダ内で右クリックし(※"SDWeb"内のフォルダには触れないようにしてください。)"ターミナルを開く"をクリックしコマンドプロンプト,PowerShell等のターミナルアプリケーションを開きます。
ターミナルアプリケーション内に以下のコマンドを入力して、WebUIのファイルをダウンロード(クローン)します。
git clone https://github.com/Panchovix/stable-diffusion-webui-reForge.git
3.ダウンロードが終わったら、次のコマンドでreForgeがあるフォルダに移動します。
cd stable-diffusion-webui-reForge
4.その後gitのブランチ(アプリの形式)を"Main"版(安定版)にします。
git checkout main
5.これで必要なファイルをダウンロードできたので、次のステップに進みましょう。
4. WebUI を起動しよう
と、......その前に、先にモデルデータをダウンロードして、所定の位置に置くのを忘れないようにしてください。このあとの手順で自動的にStable Diffusionのモデルも同時にダウンロードされますが、このモデルのダウンロードは物凄く時間がかかります。
最悪ダウンロード失敗してその他必要なファイルををダウンロードするのも失敗する可能性がある為、必ず先に先にモデルデータをダウンロードして、所定の位置に置いてください!
置く場所は
~(省略)\stable-diffusion-webui-reForge\models\Stable-diffusion
です。
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準備が整ったら、いよいよreForgeを起動してみましょう。
"stable-diffusion-webui-reForge"フォルダ内にある
webui-user.bat
を見つけてダブルクリックしてください。
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必要なファイルをダウンロードして適切に配置します。時間がかかるので気長に待っていてください。
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しばらくするとWebブラウザ(ChromeやFirefox等)が開き、WebUIが立ち上がります。これで画像生成ができるようになりました!
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おわりに
これで、Stable Diffusion WebUI (reForge) のインストールは完了です。
これでPCのストレージが許す限りイラスト生成を楽しめますね!
ではまた!