雨の日にはカサをもたない
今となっては誰も信じてくれない話なのだけれど、実は昔は話すのが結構苦手だった。
同じ日本人同士ならともかく、海外留学をしてシェアハウスで暮らし始めた時、どうしても写メと話ができなかった最初の頃。
雨の日はキライ
僕は雨の日が嫌いだ。傘をさすことが嫌いだ。
濡れたアスファルトから放たれるあの不思議な匂いも、つるつるになった地面の滑りやすさも、全部嫌いだ。
でも、1つだけ、今となっても思い出すことが1つだけある。それは今でも思い出になっているこの出来事。
きっかけはカサだった。
オーストラリアでは雨はめったに降らない。
降ったとしても1日中降る事はまずない。
でもあな時は珍しく1日中降っていた時。
朝起きて学校に行く準備をしていたとき外に出ようとして外がザーザーぶりの大雨になっていることに気がついた。こういう時ってどうすればいいのかよくわからないけど、とりあえず傘なんて持ってないからそのまま出るしかないかな、
雨の中でそのまま歩いていこうとする僕を見て
シェアメイトが話しかけてきた。
傘持ってないの?
これが僕とシェアメイトとの初めての会話。
そこから仲良くなった
その傘のことについて会話した時から、
ふっと今までの魔法が解けたように話ができるようになった。
傘持ってないのって言われた後、実は傘キライだからささないんだよって話して、
そのまま車で学校まで送ってもらった事は実はナイショ。
実は優しかった
その日から、雨の日には電話が来て、
迎えに来てくれたり、大学から一緒に帰ってきたりするようになった。
車での移動中、シェアメイトと話をするのが楽しくて、傘を持たないクセがついてしまった。
そして大嫌いだった雨の日も、それを思い出すから、今ではちょっぴり好きになれたような気がした。
今では、僕らは同じ家に住んでいないし、
そもそも住んでいる国も違う。
雨が降っても電話はならないし、
迎えもこない。
それでも僕が傘を持たないのは、
もしかしたら待っているのかもしれない。
そんなことを思った
ある雨の日。
めっちゃよき
ざっく
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