見出し画像

移住生活1ヶ月目

前回のnoteはこちら。


2022年8月、移住。
新しい環境で知り合いもいない状態でやっていけるかなという不安と、これからどんな未来が待っているんだろうというワクワク感を抱きながら新しい生活が始まった。
中山間地域なので朝晩は涼しくて、面積のほとんどが森林ということもあっって自然に囲まれていて気持ちよかった。

僕は施設の中のものづくりスペースの担当で、そこには3Dプリンターやレーザーカッターみたいなデジタルの工作機械からドライバーやノコギリみたいなアナログの工具まで様々な道具があった。

ただ、僕はデジタル工作機械はもちろん、インパクトドライバーみたいな電動工具もほとんど使ったことがなかったので、まずは使い方を学ぶところからだった。

まずはDIYレベルからスタート
デジファブ※で使うデータ作りのため、Illustratorを学習

※デジタルファブリケーションの略。デジタル工作機械を使ってデジタルデータからものを作る技術。

学習期間に作ったサンプル


そして、移住後初めての大きな仕事となったのが、イベント内で行うものづくりワークショップの企画だった。

まだものづくりの知識もままならない状態だったので、正直自分がワークショップを受けたいくらいだった。
あと、前職では基本的にお客さんの要望に対してシステムを設計して作るという流れだったけど、今回は「とりあえずワークショップ考えてみて」という感じで、来る人や人数は当日までわからず、内容は任せるとのことだったのでとても困った。

制約が多すぎるのも窮屈だけど、自由すぎるのも逆に困るなぁ、なんて思いながら、そんなことを言っていてもしょうがないのでとりあえず自分で条件を考えることにした。

考えた条件としては、
・デジファブを体験できる
・大人から子どもまで楽しめる
・イベントにふらっと来た人が短い時間で体験できる
・拡張性がある

あと、僕はバタバタするとテンパってしまうしアドリブもあまり得意ではないので、事前に準備できて、当日はデモで機械を動かしつつ、たくさん人が来た場合は用意したものを使えば成り立つ状態にしておきたかった。

何がいいかなぁと考えていたところ、前に本屋さんで木のパーツを組み立てて作る車や建物の立体パズルを見たことを思い出した。

立体パズルであれば事前にレーザーカッターでパーツを切り出して用意しておけるし、組み立てるだけなら短時間で体験できて、色塗りなどのアレンジもできるから拡張性がある。
あとは何種類か用意しておけば難易度を分けたり来た人の好みに合わせて対応できそう。(そしてなにより自分が作ってみたい!)

ということで、今回は自分で組み立てる立体パズルのワークショップをすることにした。
ただ、木を使うと費用が嵩むし、車や建物だと構造が複雑になりそうなので、今回はダンボールを使い動物の立体パズルを作ることにした。

もちろん立体パズルなんて作ったことがないので、既存の製品を参考に構造を学びつつ、動物の横向きのイラストを適当なところで分解したパーツと楕円形に切り込みを入れて立体的に組み立てられるようにした。

最終的に猫、カブトムシ、ティラノサウルスの立体パズルを作ってみた。

ワークショップの内容が決まったので、次は広報。
中学校の美術の授業でいくら頑張っても5段階中3の評価しかもらえなかった僕は絵やデザインに対してすっかり自信がなくなっていたので、これまでの人生ではそういうセンスが問われそうな作業をできるだけ避けてきた。
でも、ここでは担当が僕一人ということもあり、人生で初めてチラシを作った。(こんな簡素なチラシを作るのに半日くらいかかった…)

広報を終えたあとは当日に向けて準備。
僕はとても心配性なので、前日は材料の用意などで結局23時くらいまで準備し、帰った後もソワソワしてあまり眠れなかった。笑
(結局用意していた材料は半分くらいしか使わなかった。笑)

迎えた当日。
地域の子どもたちが遊びに来てくれたり、県外から家族で来てくれたりと、合計10~20人くらいの人たちが参加してくれた。

みんな手や顔を真っ黒にしながら(レーザーカッターは素材を焼き切るので切断面が焦げる)組み立てたり、好きな色を塗ってポールスミスのような柄の恐竜が生まれたりと、それぞれが思い思いの動物を作っていた。

ダンボールなので厚さにムラがあってパーツが入らなかったり逆にスカスカになったり、最初にパーツを全部切り離してしまってどのパーツかわからなくなり、投げやりになってしまう子がいたりしたけど(笑)、来てくれた人たちに楽しんでもらえて嬉しかったし、何より無事終えることができてホッとした。


今回ワークショップを作っていく中で、どうやったらできるかなと思いを巡らせている時間や、自分が想像したものに少しずつ近づいていくワクワク感、そしてそれが形となって目の前に現れた瞬間の感動、そんないろんな感情と触れ合うことができて、やっぱり自分はものづくりが好きだな、と思った。
それと同時に、何かを思いついては作り、今思えばガラクタのようなものを発明品のごとく家族や友達に見せていた小学生の頃をふと思い出して懐かしくなった。

そして、小学生の頃と違うところといえばデジファブという新しい手段を得たことだった。
今回のような細かいパーツを自分の手で切るのはかなり大変だし、そもそもレーザーカッターがなければ自分で作ろうという発想すらなかった。
レーザーカッターを使うことで細かい部分も早く正確に切ってくれるし、なんか違うなと思ったらデータを修正すればすぐにその通りに加工してくれる。
デジファブと出会えたことによってものづくりの幅や自分自身の可能性が広がっていく、そんな感覚があってこれからが楽しみになった1ヶ月間だった。


ここまで読んでくださりありがとうございました。
続きはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?