#18 明訓vs信濃川 <2年・センバツ甲子園 準決勝>
今回は元明訓監督・徳川率いる、信濃川高校戦です。
たいへん、不気味なつかみどころの無いチームである信濃川高校。
注目の一戦です。
<先攻:明訓高校>
①5岩鬼 ②4殿馬 ③8山岡 ④2山田 ⑤7微笑 ⑥6石毛 ⑦3仲根 ⑧9北 ⑨1里中
<後攻:信濃川高校>
①7西堀 ②9舟江 ③2寄居 ④8万代 ⑤3本町 ⑥4東堀 ⑦6小針 ⑧5上大川 ⑨1古町
左打者0。.300打者は四番の万代だけ。チーム打率.220の打線です。
右アンダースローの里中には投げやすいか?
かたや、投手・古町はここまで防御率1.33の好投手です。
さて、どういった展開になりますことか?
プレイボール!
初回、先頭の岩鬼。投手・古町、二段モーションで岩鬼の体勢を崩します。そして、投球は顔面付近。岩鬼にとっては絶好球も、体勢が崩れており、当てるだけのバッティングになってしまいピッチャーゴロでワンアウト。
二番殿馬にたいしては、リズム打法対策として、今度はクイックモーションです。そして、捕手からの返球直後のピッチングで殿馬を翻弄。ミノサンです。
三番山岡。選手の特徴を知る徳川監督。速球には強いが遅い球には弱いと知っています。古町は指示通り、スローカーブ攻め。
山岡、ツーストライクと追い詰められますが、ドラッグバント!コレが成功し、ツーアウトからランナーが出塁し、山田登場。
前江川学院戦では全打席敬遠でバットを振らせてもらえませんでしたが、果たして・・・
なんと、敬遠です!!
キャッチャー立ち上がって敬遠球を捕球します。
山田、ボックスを外し、数回スイング。
敬遠が成立する4球目。捕手、キャッチングの体勢に。投球は本気のストレート!山田、これを一閃フルスイング!!
打球はライトスタンド上段へ!特大のツーランホームランで明訓先制です!
この一球を見逃してくれたらカウントはスリーワン。打者心理としては半分は見逃し、半分は好球必打。そして、フルカウントになれば少々ボール気味でも手を出してくる。と読んでの作戦でしたが、山田はその上を行ったと言えるでしょう。
徳川監督。打倒・山田ではなく、打倒・明訓であり、そのターゲットは・・・里中だ!と決意を改めます。
【1回表終了】
明訓2ー0信濃川
1回裏、先頭の西堀。なんと左打席に入ります。
「里中はめったにいない好投手だ!臆せずいけ」と、徳川監督。
どうも、信濃川の前監督は亡くなったみたいで、ベンチには前監督の遺影があります。
先頭・西堀、セーフティ成功でノーアウト一塁。次打者にはヒットエンドランの指示。コレを読んだ捕手・山田はウエストも、二番舟江、必死に飛びつきバットに当てます。一塁ランナー西堀は3塁まで進塁。
三番寄居、スクイズで一点。
三者連続バントで点を獲得。徳川監督「これぞ名付けてと金作戦!」と叫びます。
四番万代をバント。これを、ぐーーっと引いて、山田のミットにバットを当て、打撃妨害を狙う作戦。山田は気づき、カラダを後ろに引きかわします。
万代、三塁にセーフティバント。岩鬼、送球エラー!ボールはライトファールゾーンへ。万代は三塁へ。捕手・山田は里中にホームカバーをまかせ、カラッポの三塁にカバーへ。
タッチプレーはセーフ!
三塁ランナー万代、明訓内野陣の隙をつき、フッとホーム突入!
後手に回った明訓。里中がホームカバーへ。再度、タッチプレーでコレがセーフ!同点となります。
また、この接触プレーにより、里中、右手親指をつき指してしまいます。
里中、「投げれます!」と投球を志願!明訓ベンチは信濃川をだますため、里中の無傷の左腕に包帯を巻き、マウンドへ送り出します。
マウンド上の里中、ケガを悟られないよう、右手でボールを弄びます。
信濃川のバント作戦は続きます。
5番本町、投手方向にバント。山田は里中を制して一塁送球でアウトにしてみせます。
【1回裏終了】
明訓2ー2信濃川
信濃川のエース・古町はコーナーを突く丁寧なピッチング。里中は、ケガを悟られない気迫のピッチングで、3回まで得点変わらず
【3回表終了】
明訓2ー2信濃川
3回裏、信濃川はスローボール中心のピッチングを見抜き、連打でノーアウト満塁。
里中、突き指を我慢しつつ全力ピッチ。打者はスクイズも球威に押され捕手前フェアゾーンの小フライ。これを山田はワンバンでキャッチ。ホームを踏んでワンアウト。三塁送球でツーアウト。三塁・岩鬼は二塁送球でスリーアウトのトリプルプレイかんせーーい!!
【3回裏終了】
明訓2ー2信濃川
ゲームは投手戦の様相です。
7回表、明訓の攻撃。四番山田が右中間を被るスリーベースヒット。五番微笑がスクイズ成功!明訓、一点勝ち越し!
【7回表終了】
明訓3ー2信濃川
9回裏、里中の指の痛みが限界に近づきます。
コンロールが効かず、フォアボールなどでワンアウト満塁。
ここで山田、ひた隠しにし続けたケガを、
「やっぱりだめか、親指の突き指」と言いながらマウンドへ。
そして、ケガの治療の為、里中、ベンチへ。
再度、マウンドへ。里中、続投です。
信濃川監督・徳川、打者・本町に右打ちの指示。
親指のケガの影響で、投球はストレート中心になるだろう。ならば、強く叩ける右打席でのバッティングで、犠牲フライを狙う作戦!と、偵察中の犬飼小次郎が読みますが、徳川は「ストレートならば、よりバントがしやすい」とスクイズを指示。しかし、山田が里中に出したサインはシンカー!
本町、スクイズを空振り!三塁ランナー、憤死です。
本町の打席はツーストライク。
里中の投じた球は、またもやシンカー!空振りで三振です!!
ゲームセット!
明訓3ー2信濃川
明訓の勝利となりました。
ゲーム後、小次郎は「落ちる球のサインは山田が左ひざをつく」というサインを見破ります。
また、明訓監督・土井垣は里中の親指を使わないシンカーに
「さとるボール」
と名付けます。里中のさとるボールはドカベンシリーズを通じて、メインとなる決め球にしていくことになります!!
次回はもう一個の準決勝!
赤城山高校vs土佐丸高校の一戦です。
次回の配信予定二月の第三日曜日、2月20日です♬
お楽しみに