【インタビュー】No.4 牧凌平
座・高円寺劇場創造アカデミー出身のメンバーを中心として活動する、CTAラボによる演劇創作プロジェクト。2023年度は劇作家・演出家の松田正隆を迎え、小津安二郎の映画『東京暮色』(1957)をモチーフに東京の現在を描いた新作『東京トワイライト ー強盗団と新しい家ー』を上演します。
本プロジェクトに参加するアーティストへのインタビューを複数回に分けて掲載します。第4回目は、俳優の牧凌平(まき・りょうへい)さんです。
これまでの活動(表現との関わりや経歴)について
元々、物語の創作みたいなのは好きだったんですよね。身内で漫画を作る、みたいなことは昔からやってましたね。大学で学生演劇を始めました。学生の頃は、演出って、結果だけお客様の反応を見ておわってしまう、みたいなことが多かったんです。なのでもっといろいろな角度で学びたいなって思って、劇場創造アカデミーに入りました。舞台演出コースで入ったんですけど、俳優にも興味があります。演出をするときに、俳優だったらこう考えてるだろう、みたいなのは、多分自分が俳優をやっているからこその目線なのかなと思ったりします。
CTAラボに参加しようと思った理由
一番大きいものとしては、松田さんの作品に関わりたいなっていうところですね。最近の作品は見る機会がなかったんですが、過去の作品を読ませてもらったりとかで、常に興味は持っていたんです。松田さんの授業で短編を書いたりしたのも印象的でした。あとは修了生が分け隔てなくオープンに募集される、っていうような企画だったので、修了生たちで何かひとつのものを作れるっていうのも面白そうだなって思ってましたね。
今回の作品について
最初は、松田さんの作品の方法論、というか演技のやり方で、フィードバックと自分がやってることとの間でギャップを感じましたね。ある種ストイックだけど、ある種、緩い中間帯みたいなところにいることを選ぶ。その中でどう自分のやりたいことと、作品の求めてるものと合致するのかみたいな、そこの感覚を自分の中で調整するのが、前半は大変でしたね。
今回の作品がどういう人に刺さるんだろう、っていうのは考えています。見にきてくれる人が、美術館で作品を眺めるように見てくれる人の方が、見やすいのかなとか思ったりしてますね。本当に気になったことを拾っていくような、集中しすぎない人のほうが刺さるのかなって思います。
東京について
神保町とか、本屋巡りみたいなのは好きなんですよね。あと代官山とかも好きですね。
東京で初めて電車に乗ろうとしたときに、満員すぎて押しだされたんです。でもその1分後ぐらいにまた電車が来たんですよね。田舎だと、朝の電車に遅刻するとなかなか次の電車が来ないですよね。そのときに、自分の感覚にはない時間の流れがあって、圧倒されました。
ゴミが散らかってるのはだめですね。東京、というか、人なのかもしれないですけど。地方でももしかしたら、人が集まってたらごみだらけになってるのかもしれないですね。
聞き手:森田諒一