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【YZPhouse】蒼角の製作についての覚え書き

こんにちは柚Pです。

このnoteは、当ディーラーYZPhouseが販売する「蒼角」を購入された方へ向けた記事になります。
原型製作の話や、反省点、塗装見本についてのお話をいくつか書いていきます。ざっくり打ちなので誤字脱字ゆるしてね。

原型製作のお話

サブモニターで見てるのは「釣りよかでしょう。」

実は10月の頭くらいから既に原型データの制作を始めていました。
本心では、制作途中の進捗など随時更新していきたいのですが、「本申請の許諾が降りるまで作品の公開は控えるべき」という最近の考えもあるため、一人で淡々と作業している期間が長かったような気がします。

(とはいいつつ、本申請時や複製のときに我慢できずに小出ししていましたが・・・)

WF実行委員のメールでも「WFで不許諾になって供養という形で公開はするな」とは言われていますが、
私は「不許諾になったという情報とともに作品を公開する」ということに問題であると考えているため、この程度の小出しは許してもらえないかなと思っています・・・。
(マジでダメなことやってるぞコイツってときは、遠慮なく指摘してください)

データ最終段階

データが仕上がったのは11月の末頃。手が早い人からすると「2ヶ月もかかっとんかい!」と思われそうですが、私のスピードはこんなもんです。あまりZBrushとも仲良くないので、いつもトライアンドエラーばかりで超手が遅いです。

採れたての原型

ここから原型を磨く作業に入ります。
今回はショーコレジンのスーパータフで出力してみました。色はフレッシュ3。
靭性が強いレジンなので、かなり粘性の高いレジン&剥離抵抗高めで、出力難易度は高めです・・・。ブルーミングも起こりやすく、ちと手こずりました。

ただ、出力後の物性は非常に良く、細かいパーツが折れることも無く、原型使用としては最高の使い心地です。
次回からは
・折れるリスクがあるパーツ→ショーコタフ
・折れないパーツ→ショーコABS
で原型の出力をしてみようかと考えてます。

水転写デカールの試作

原型を磨きながら、水転写デカールのデータ制作も並行してやっていきます。
ワンフェスに合わせてハイキュープリントも超忙しくなるため、なるはやで入稿する必要があります。
私は瞳のデザインやロゴなどを、ZBrush内で完結させてないため、いつもアナログに入ってからデータ制作をしています・・・。なので今回も締め切りギリギリの入稿になっちゃいました。

シコリン16kg

原型が仕上がる前くらいから、大まかなシリコーン型のレイアウトを決め、そのサイズを元にシリコーンゴムを発注しておきます。
最近わたしは「モデラーズサプライ」を愛用していますね、10kg以上の注文でも入荷待ちとか無くスムーズに発送してくれるのでいつも助かっています。

レジンは「RCベルグ」のファインキャストですね。
以前は他社のノンキシレジンを使ってたこともありますが、ガレージキットの箱を開けたときの”ムワッ”と香るキシレン臭が好きなので、あえてベルグのファインキャストを使っています。無駄なこだわりです。

神絵師ふじなり

私は絵が描けない、といえば嘘になりますが、ここまで上手く描けないので、お友だちのふじなり(https://x.com/f_nari_5)さんに描いてもらいました。
私からの細かい要望とか色々聞いた上で、こんなに上手にまとめて1枚のイラストにしてくれました。購入者さんを喜ばせたいという以上に、自分が喜ぶために依頼してるからねこれ。ガレージキットは制作者の自己満足で成り立っています。

70個もあります

このnoteを書いてるときは、まだワンフェスへ出かける1週間前なので、この在庫がちゃんと売れてくれるのか超心配です。作りすぎじゃね?
広島の僻地で数ヶ月の間、一人孤独にディーラー活動してると「俺は誰のためにこんな活動してるんだ?」という気持ちに襲われます。アホみたいに時間も金もかかるし。

つっても、ワンフェスで沢山の方と話したらそんな気分も全部すっ飛んでハッピーになるんですけどね。いつも買っていただてる皆様、本当にありがとうございます!

後ろにあるのは確認用のテスト出力品

複製が終わったら、製品で使えないミスショットを使って塗装見本を作り始めます。今回のは7日くらいで塗りました。
原型~複製まで自分ですべて作業してるので、パーツ形状や、パーティングライン・湯口の位置、組み上げたあとに見えなくなる箇所は、すべて把握できてるからこその早業です。他人のキットだとここまで早く作れません。

塗装見本が完成したら乾杯します。
これまでの大きな作業が一通り終わったので、やっとひと息つけるって感じですね。

青背景は似合わなかったので没

SNS告知用の写真を撮ります。
背景紙は色々悩んだ結果、アトモスの「マリン」にしました。同系色なので少しは統一感が出たのではないでしょうか?

去年買ったパネルライトも、設営が楽でいいですね。光量の調整もできるので、表現の幅も広がった気がします。

カッコいいぜ

今回の蒼角ちゃは1/6スケール(さらに手も上げてる)なため、まあまあデカいです。いつも使っている100均のプラケースには入りそうにないので、トラスコのプロテクターケースを注文しました。

以前購入したときは4000円くらいでしたが、今は5000円するんですね・・・値上げつらい・・・

とはいえ、その作品の専用ケースが作れるので、展示・撤収は超楽になります。今後のイベント展示のことも考えての先行投資ということで・・・。

塗装について

蒼角ちゃを塗るにあたって一番難しい&悩むであろう箇所は「肌色」ですよね。
私も塗装見本を作るまでに4回ドボンして塗り直しました。マジでむずい。

何がむずいって、ゲーム画面は液晶のバックライトで明るく発光してるので、画面そのままの色味を再現してしまうと、かなり彩度高めになってしまいイメージとかけ離れちゃうんですよね。

というわけで私の考える「ゲーム内のイメージを損なわずに色味を抑え気味で気持ちの良い肌色」はこれになりました。

右がシャドーで、左がハイライトですね。

サフレス塗装用の塗料なので全てクリアカラーで作ります。微調整しすぎて細かい分量は覚えていませんが、

無色のGXクリアーをベースに、クリアーブルー少々、GXクリアーブラック数滴、クリアーイエロー微量、イエローを入れすぎて緑により過ぎたらクリアーレッド微量入れて調整、という感じに作った気がします。

あとは画像の色味とか塗料の濃さを参考に作ってみてください。

髪色について

「にへっ」

蒼角ちゃの髪はホワイト系なのですが、ゲームのシステム上、環境の光の色に大きく左右されて印象がガラッと変わります。こちらはルミナスクエアの昼間に撮影したベーシックな髪色。

チラッ

SCOTT前哨基地では、ホロウの光に影響されかなりピンク髪に。

おなかグー

夕日に当たればベージュ系に落ち着きます。影色には青みが入っていますね。

蒼角と一緒に住むことになりました

こちらはビデオ視聴イベントでリンの部屋に上がってきた蒼角ちゃ。こちらの髪色は若干のピンクが入った色味です。

実際に塗装する色を決める

これらの情報を踏まえたうえで、イメージを決めていきます。

今回は、ホワイト&グレーをベースカラーにしつつ、パール系の塗料で反射したハイライト部分だけ色が入るようにしてアクセントにする方向で進めます。

使用するパール塗料はクレオスの「クリスタルカラー アメジストパープル」です。

パール系塗料の特徴として、反射する色以外の「塗料自体が持つ色」があったりします。この色は「反射する光の補色」の場合が多いですね。
今回はパープルの塗料なので、その補色の薄緑色の色味が確認できます。

黒下地の上からパール系塗料を塗装するなら、これらの色味は気にしなくて良いのですが、ホワイト下地に塗ると話は別です。
ガッツリ下地の色味を変えてくるので、事前に対策を取っておく必要があります。

2種類のテストピースを作ってみました。パール塗料の持つ薄緑色を相殺できるよう、薄緑色の補色である「パープル(67)を少量混ぜたホワイト」を作ってみました。

このテストピースでは、半分だけマスキングして「クリスタルカラー アメジストパープル」を塗装しています。

色味がガッツリ変わってるのでわかりやすいですね。パープルの色味で相殺され下地の色がグレーに見えるようになりました。

さらに上下に分けてつや消しトップコートを塗装

グレーに見える方にはパール塗料を塗ってますので、反射させるとちゃんと紫色の色味を出してくれます。なんだか不思議ですね~。

横顔も可愛いね

そんな器用なことをやってるんですが、実際に撮影した写真を見てもパールの色味ってあんまり出てないんですよね~!!!

面光源で均一に光を当てちゃってるのが原因な気もします。はたして実際の会場で見て気づいてくれる人はいるのだろうか・・・

懺悔

今回のキットの一部に、再現できてないディティールがいくつかあります・・・。完全に入れ忘れていました。ごめんなさい。

どうしてこんなに丸モールドを入れ忘れてるかというと、パーツが仕上がった最後に、”ブーリアン”という処理で丸モールドを削るつもりだったんですよ・・・。
原型データが最終段階に進むに連れ、集中力も薄くなり、「ブーリアンでモールドを掘る」という工程自体が完全に消し飛んでいました・・・。

これらのミスに気がついたのは、KumaKumaさんちの蒼角ちゃをXで確認したときでした。私の方では、その時点で量産に入っていたので後戻りもできず・・・

というわけなので、これから製作してくださる方がいらっしゃいましたら、是非この入れ忘れたモールドを再現した上で仕上げていただけると嬉しいです・・・!

WF2025Wお疲れ様でした!

ワンフェス会場で購入してくださった皆様、本当にありがとうございました!この売上は今後の活動資金とさせていただき、より良い作品づくにり活かしていきます!(既に売上金使ってアネスト岩田の新作6万円エアブラシ買った)

次回の夏WFの参加は検討中ですが、6月のとなモ7にはエントリーしようと考えております。受かってくれ。なんか蒼角ボンプとか作れたら面白いかなとか構想中です。

長文になってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました!それでは。

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柚P
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