散髪

 散髪に行った。

 散髪はいつもチェーン店の千円床屋。って今は値上がりして1200円。最低賃金はこれと連動したらいいじゃないかな。

 某駅ビル内の店舗へ行った。平日の午前中だったがなかなかの混み具合。連休前の金曜日のせいなのか、それとも平常運転なのか。三席フル稼働だったことからこの混雑は店にとっては織り込み済みだったのだろう。客は年寄りが多い。中にはシェーバーで用が足りるじゃないかと思われるステイサム頭のサラリーマンや、母親に連れてこられた子供も。

 指定はいつも「スポーツ刈り。長めで」、以上。今回初めて「バリカンの長さは?」と聞かれた。刃に装着するアダプタのことかと思われる。思わず「普通で」と答えてしまったが、「長め」と言ってるんだからバリカンも長めでよかった。

 最後の確認でも「はい」しか言わない。後頭部も鏡を立てて見せてくれるが悪いけど見ちゃあいない。なんならこの工程は丸ごととばしてもらってかまわない。「あ、けっこうです」って次回は言ってみようか。いや、それはそれで無理だ。

「散髪が得意な人はいないでしょう」と先日の酒席で耳にした。僕についてはもちろんあてはまるが、前横後ろと細かく指定して、切り手と爽やかに会話を続ける人はけっこう見る(流石に千円床屋で会話してる人は少ない)。

 でもまあ髪型にこだわりがあるのと散髪を負荷に感じるかは別物か。髪型にこだわりがない分、僕は楽をしているのかも。

 毎度同じ指定をしても、切る人ごとに仕上がりは違う。今日は見事な板前風に仕上がった。秋晴れの日差しが頭皮に痛い。


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