蓋を閉めない病

世の中には蓋を閉めないトライブがいる。

例えば調味料のスクリューキャップ、チャック付きのプラスティック袋。酒は気が抜け、塩は湿気り、インスタントコーヒーは固まる。

怒ったり懇願したりするとある程度は収まるが、ただ頻度が下がるだけ。10回のうち9回は守っても、1回放置すればその製品はダメージを受ける。

システムで対応したいところだが、ボタン一つで開閉できるワンタッチキャップですら開けたままだったことがなんどもあるので、完全自動閉鎖のような仕組みが開発されない限り難しい。

若い頃はそれなりに戦ってみた。険悪になることもしばしば。それでも結局は変わらない。今はもう生得的な性質なのだと思うようにしている。怒っても泣いても無駄なのである。買い直せるものなら我慢するし、取り返しのつかないものは別に保管するしかない。

ただそうはいってもふにゃふにゃになった焼き海苔の束を見つけたりすると血圧が上がる。ストレスのはけ口を別途用意しておく必要はある。



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