SCPの新人コンで初めて記事を投稿する新人向けのガイド(後編)
さて、後編です。ここからは下書きの作成に移ります。
3.下書きを書こう
前回で示した計画書ができたなら、下書きの作成に移りましょう。
ここで指示することはあまりありません。エッセイなどをしっかりと読みなおしながら、記事の体裁を整えていきましょう。
誤字、フォーマットミスだけはないようにしてください。批評の時に読み手が無駄な労力を割くことになります。誤字指摘で手いっぱいになり、本題の内容に入るときには力尽きている……というのは双方にとって悲しいことです。コロンの後の半角スペース、太文字ミスなどはベテランでもやる細かなミスです。テンプレートをコピーして使いましょう。そこにないものは、他の記事から拝借しましょう。記事下部のオプションからページソースでソースをコピーできます。
スポイラーを置く場所があるので、スポイラーはしっかり置いておきましょう。と言っても、計画書を作ったのでそれを置いておけば十分です。その他に見てもらいたい場所があるときは、記事の最上部か、スポイラーと一緒においておけば大丈夫です。
ex2. 新人の批評はコスパが悪い
さて、ここでやっておかなければならない話をします(今回エッセイではなくnoteで投稿したのは、大体ここが原因です)
新人への批評はコスパが悪いです。誤魔化しようのない事実です。新人への批評は、ベテランに比べ非常にコスパが悪いです。
部活動などで後輩に練習指導したことある人ならわかると思いますが、新人への始動は非常に労力を使います。例えば野球なら、経験者に「バットの振り方に力がないから飛ばないんだよなぁ。こう、腰をもう少しひねってさ……」で通じるところが、初心者には「まずバットのグリップはこう持って、下から上に振り上げるイメージで打つんだ。まずは素振りから始めてみようか。見てるからとりあえず振ってみて……」と、かなりの労力を割く必要があります。経験者なら上のようなボヤキでもホームランバッターになるかもしれませんが、新人はここまで丁寧に指導してやっとスタートラインに立てるぐらいです。
SCPでもそうです。下書きに「展開が急かなぁ」というだけである程度改善するところが、「この部分のロジックがおざなりにされているので話が急に見えます。説明部分ではこういった内容がありますが……」とかなりしっかり話をしなければなりません。
それに加えて、正直なところ、新人への批評は返信がないことも珍しくありません。返ってきても、「参考にします」とだけのことも多いです。さらに言えば、批評という文化に慣れていないメンバーから恨みを向けられることもあります。僕自身、Twitter(X)で何度か名指しされた経験があります。そうした環境のため、「新人への批評はメリットがない」と感じているサイトメンバーも多いです。
時折、「ベテランと仲良くないと批評が貰えない」という言説を見かけます。これは半分合ってはいますが、間違いです。確かに身内同士で批評し合っていることもありますが、そういった批評に精力的なサイトメンバーは大概サンドボックスでも批評しています。
しかし、何故労力のかかる新人がベテランから批評を貰いやすいか。仲が良いから、と言ってしまえばそれまでですが、厳密にいえば、「信頼があるから」です。上に書いたような、返信がない、もめごとが起きる、といったような事件が起こらないと感じているから、批評が貰えます。掛ける労力も、相手が知り合いであれば許容できます。行った批評が無駄になるという可能性がかなり低いのが、身内に対する批評なのです。
では、これから新人コンに参加する新人が批評をもらうためにはどうするべきか?ベテランと仲良くなる?そうではありません。要は、「かけた労力に見合った反応がある」と思ってもらえればいいのです。それにはどうすればいいのか。
そもそも批評は非常に労力のかかる作業です。評価が保証されているわけではない、短くはない文章を読み、その構造を分析する、というのは非常に疲れます。前回のnoteで100記事を読んでもらいましたが、その作業が苦に感じることはありませんでしたか?面白くない記事を流し読みしてしまうことはありませんでしたか?
このnoteを前後半に分けた理由は、「文章を読むことは時に苦痛」ということを実際に体感してほしかったたためです。この練習をしっかり積んだ皆さんは、批評がどれだけ善意によって運用されているものか感じていただけたと信じています。
下書を作成する際には、エッセイをしっかり読み、下書きから誤字やフォーマットミスをなくし、スポイラーを設置しましょう。あなたがその下書きにしっかりと時間を掛けていることが伝われば、相手も雑な返信が返ってこない、容易にネタを没にはしないだろうと感じるはずです。
最後に、その返信のテンプレートについて触れましょう。
4.下書きに返信しよう
批評の内容には大別して2つの種類があります。
・誤字、文章校正、フォーマットミス指摘
基本的にはまとめてでオッケーです。「指摘された誤字の部分は修正しました」と返信しましょう。あるいは、よりブラッシュアップできた修正があるなら、「ここの部分はこう修正しました」と返信してもよいでしょう。
・異常性や展開への指摘
こちらが最も批評者が本腰を入れている部分です。ですので、こちらも気合を入れて返信する必要があります。1つの指摘に対して、1つの返信を行いましょう。例えば、
「インタビューでの展開が急だと感じました。被験者の考え方の変わり方がうまく表現できていないと思います」
→「被験者の考え方の変化が分かるようにバッググラウンドや過去を語るシーンを入れてみました」
のように変更点を具体的に伝えたり、
「異常性の内容が分かりづらいと感じました」
→「説明の追加を行いました。もしくは、実験記録を追加することで具体的に異常性を示したいのですがどうでしょうか?」
のように、批評内容に対して質問を返しても構いません。批評の内容は無条件に受け入れなければいけないわけではないので、疑問を感じることがあれば積極的に質問をしてみましょう。
一番良くないのは「指摘の通りにしました」とだけ返信して、どういった内容の変更があったか伝えないことです。変更点を確認する作業が批評者のものになって、負担がかかりますし、時折、「変更しました」とあるのに一部だけ批評を反映していないこともあります。この場合には、批評者から「何故ここは変えなかったのですか?」と聞きにいかないといけないのですが、ここまで他人の下書きに労力をかける批評者は居ません。納得できない部分があれば、「この部分は私のやりたいことと異なるので、変更しません」としっかり伝えましょう。批評者も、相手の熱意が伝わればしっかりと対話してくれます。
終わりに
新人が新人コンテストに参加するための手引きとしての内容を投稿しました。かなりぶっちゃけた内容まで話したので、参考になれば幸いです。今回は技巧的な物は特に書かず、サイト内での立ち回りについて話したので、そういった技巧面は他の方のnoteやエッセイを参考にしていただければと思います。
https://note.com/owlcat291/n/n8e33daf9b249
(参考になりそうなnote)
実は、新人コンテストの批評エキスパートは毎年十数人しかいません。数百の下書きを十数人で批評を回す新人コンテストはサイトにかなり負担のかかるコンテストです。コンテストの後半には、批評者が疲れ切ってしまい、批評も力を入れられず……ということもあります。そんな中で下書きの質が上がれば、批評の質も上がり、エキスパートのモチベーションにもつながるということで書かせていただきました。このnoteをサイトでの参考にさせていただければ幸いです。
最後に、このnoteを書く際に作成した計画書を載せておきます。読み返すことがあれば、この下書きの構成についても再確認してみください。
計画書
ラフコンセプト
新人向けに、必要かつサイト内では話しづらい内容を纏める。
読者に与える感情・感覚
記事を書きたい!という前向きな感情だけではなく、失敗をしないためにしっかりと危機感を持ってもらう。
展開
サイト参加後の流れを順に示す。
構造
今回使う構造はどういう要素をどういう順番で配置するもの?
→やるべきことを時系列順に配置する
この構造を使うと、どういう流れでどういう感情を喚起できる(面白さがでる)?
→最初に新着記事や下書を読むことで、「読むことのコスト」を認知してもらい、批評を受ける際の心構えを、しっかりと持ってもらう。
その構造はどこで学んだ? 実際に使われている例は?
→経験則やマネジメント本など。人は教えられたものではなく、実感を得たものでないとしっかりと理解するのは難しい。
その構造に必要な要素と順番はあなたの記事に(読者が理解できる形で)しっかり含まれている?
→はい。前半と後半を分けて投稿した。
その他面白さを出す要素・工夫は?
→あまりないが、ぶっちゃけた話ということで価値を感じる人はいるのではないかと思う。
長すぎない?(不要な要素はない?)
→長い。ただし不要な要素はないようにした。
内容
内容は具体的か?
→はい
内容を要素分解しよう。
この異常性のどこが新しい?
→新着を読め、新人育成はコストが高い、という部分。サイト内では中々言えない内容。
それらの要素は記事の展開に必要?
→はい