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日記5

日記と言いつつ月記、いやそれ以上になってしまっている。反省。

独身時はふと思いついたらその日に出発して登山に行ったり、自転車積んでソロ遠征したりしていた。週末家にいる事は殆ど無かった。
30過ぎてもそうやって遊び回っていた自分としては、結婚し子供が産まれてからこんなに身動き取れなくなるとは思いもしなかった。
 
6年前、父親となり、自分の子供と登山できる日がくるかなぁと考えた。
そんなの夢みたいで、漠然としか考えていなかった。
無理強いしてまで連れて行くなんて事はありえないし、自ら山に行きたいと言ってくれる子供になんてなってくれるか?
いやーそんなんありえないよなぁー…と考えていた。
なので今回の登山は自分の夢がかなった、と言うより、人生の到達点の一つだと思っている。
なーんて面倒臭い表現をしてみたが、端的に言えば嬉しくて仕方ないって事だ。

金峰山

大人の足で往復5時間程度で難易度も低い、山頂には五条石という自然でできたと思えないような巨岩があり面白い。
結婚前に妻と登った山である。
先日長男は筑波山を妻と登り、余裕だったのでこちらの山を選定。
夜に妻の実家を出て、登山口にて男2人で車中泊。
家と同じマットレスと布団で寝れるので普通にちゃんと寝れるのがハイエースの強み。
夜中に息子がトイレに行きたいと言うので一緒に外に出たが、そこは日本一高い車道峠。
深夜の2360mの空は下界では見られない満点の星空で、二人で見上げてテンションめちゃ上がる。
けどもはや冬山の空気で寒すぎる。すぐにクルマの布団に潜り込み2人でくっついて寝た。

朝日岳

5時に息子が先に起き、早く登ろうと起こされる。
日が出て暖かくなりだす7時くらいにスタートのつもりだったが、余裕あるほうがいいしと準備して6時過ぎに出発。
 
下界は夏みたいな暑さだったので、秋山の寒さを忘れていた。
息子は手袋をしていたが手が冷たいと文句を言いながら登り続ける。
途中手を息で温めてあげながら登る。
雪もチラホラ残っており霜柱も見かける。
80分ほど歩くと岩場となり、朝日岳に到着。
眼下には紅葉した木々でビッシリと赤色で埋め尽くされ、富士山は裾野からテッペンまでハッキリと見え、南アルプスの山嶺もクッキリと見える、もうずっと見ていられる風景。
息子は一目みたら満足。まぁ子供はそんなもんよね。。
甲斐駒ヶ岳が見えた。
私が最も好きな山である。
息子の名前、凱、は甲斐駒ヶ岳からとった。
甲斐駒黒戸尾根ルートは4回ほど登った。
長い道のりに大昔の修験僧が残した剣などの遺物が所々に残っている神秘的な山だ。
いつか凱と甲斐駒ヶ岳に登る事ができたらどんなに嬉しいだろう。
それまで黒戸尾根ルートを20kg背負って登れる体力は維持しておきたいところだ。

朝日岳に着いたところで、息子はそれなりに疲れてる様子。
まだ全行程の4分の1だけど、無理して登るよりここでゆっくりして余裕持って帰る方が楽しいだろうって事でお湯を沸かしてカップ鶏白湯飯を作り、お菓子やらなんやら食いまくる。
疲労困憊まで無理して頑張って登る楽しさはもう少し先にとっておこう。
外で、山の上で食べるメシの旨さをわかってくれただけで充分だ。

下山し、帰り途中、大菩薩嶺近くの大菩薩温泉に寄る。
登山後の温泉は欠かせない。

風呂を出てのんびりと国道411で帰る。途中の富士山の見える展望台からの景色は素晴らしかった。オヤジはテンション上がってスゴイスゴイ言ってるが、お疲れの息子はまどろみながら一目見て寝てしまった。

金峰山までは行けなかったが、別にいい。
疲れたら帰ればいい。
何か一つでも楽しい事を感じてくれたら充分。
景色もメシも風呂も、準備でさえ、登山には楽しいと感じられるポイントが沢山ある。
そのポイントは他の何かに繋がる事もある。
色々と経験して成長して欲しい。

ちなみに今回オヤジの楽しかったポイントは、
夜中のトイレからクルマに戻り、さみいさみいと言いながら布団にくるまり、ふたりで窓の外の星空を見た事だ。



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