見出し画像

「K症候群 ユダヤ人を救った謎の感染症」

原題 K Syndrome
製作国 アメリカ
製作年 2020

ナチスが占領したローマ。ユダヤ人の間で謎の感染症“K”が広まり、バチカン近くの病院に収容された。しかし、すべては強制収容所送りから救うための偽装工作だった…。
第二次世界大戦末期のテベネフラテッリ病院。ユダヤ人居住区から多くの住民がホロコースト送りとなる中、イタリア人や若いユダヤ人の医師団が「K症候群」という謎の感染症をでっちあげ、ドイツ軍のガサ入れから収容者を守った。ヒトラーに“そんたく”を続けた時のローマ教皇の姿も交えた、奇想天外な歴史の一幕を、再現ドラマやアニメを交えた演出で。
(BS世界のドキュメンタリー)

1943年のイタリア降伏後に繰り広げられたイタリア戦線によってイタリアがナチスドイツに占領されていたという背景を頭に入れた上で見るとより良いかもしれない。
ローマでもユダヤ人への差別や迫害はあったものの、ナチスドイツのように強硬な手段に訴えることはほとんどなかったため、差し迫った危機感は薄かった。
ナチスによる占領後ローマには多くの教会や修道院があったおかげで多くのユダヤ人の命が救われた。
バチカンとの繋がりがあったファーテベーネフラテッリ病院では、ユダヤ人を架空のK感染症で入院させ、偽名で退院させた後、修道院に避難させていた。
また、通信機なども地下に隠し、連合国と連絡をとったりもしていた。バチカンと病院を位置関係地図で見ると以下のようになる。


医師たちが作り上げたK感染症のKにはイタリア戦線司令官ケッセルリンクとローマのゲシュタポ長官のカプラーの頭文字の意味も込められていたという。
ピウス12世についてはあくまで中立を保とうとしたその姿勢に厳しい評価も多いが、国務長官はユダヤ人の保護に積極的だったようだ。
余談だが、ピウス12世の祈りの姿などがジュード・ロウがThe Young Popeで演じた教皇にそっくり。役名はピウス13世だったが、きっと名前に何かしらの意味が込められているのだろう。


いいなと思ったら応援しよう!