海外ドラマ「ニュー・トリックス〜退職デカの事件簿〜」Season8
原題 New Tricks
製作 BBC
製作年 2011
キャスト デニス・ウォーターマン、アマンダ・レッドマン、アラン・アームストロング、ジェームズ・ボラム他
評価(10段階): ★★★★★★★★☆☆
あらすじ
ある誘拐事件の捜査ミスで左遷されたロンドン警視庁のサンドラ。刑事未解決事件捜査専門のUCOS(Unsolved Crime and Open Case Squad)のボスとして、退職した刑事を率いて解決に挑む。
オリジナルメンバー4人が揃う最後のシーズンとなる。
各回の感想。(ネタバレ含む。)
1.化石の証人/Old Fossils
ロンドンの自然史博物館が舞台。見ているだけで行きたくなる。
事件は内部の人間関係や化石の密輸、スポンサーである石油会社との関係など様々な方向に展開。映像的にもストーリー的にも楽しめた。
2.鉄路の果て/End of the Line
ロンドンの地下鉄で身元不明のホームレスの遺体が発見された事件。
その身元を判明させるところから捜査は始まる。ホームレスの面々から事情を聴くが、皆なかなか癖のあるキャラクター。
エスターとブライアンが相変わらず仲良し。
結末はすっきりしないものとなってしまったが、最後にジャックが犯人の思い通りにはさせまいと意地をみせる。
妻が亡くなって以来、地下鉄に乗ることのなかったというのはなんだか切ない。
3.訳されなかった事実/Lost in Translation
十字架に貼り付けられた男性の焼死体が発見された事件。
警察関係者の妹のDNAと一部マッチし、その男性が彼女の兄でアルバニア人の男性だと判明。
事件の背後にあるのは血で血を洗う家族同士の終わらぬ復讐。
ジャックのキャラクターの深さにまたまた驚く。
フランス語が話せる意外な面を見せたと思ったら、アルバニア人マフィアの結婚式に勝手に押しかけたり、さらに人質現場に単身で乗り込むところまで振り幅が大きい。
証拠隠滅や殺人未遂の罪はありつつも何とかしてアンナを救ってやりたいという強い思い。それは時にはサンドラと対立するが、サンドラといえどもやっぱりジャックには敵わないのだと思わせる。
4.母と娘/Setting Out Your Stall
ロンドンの連続レイプ事件。移動販売コーヒーに薬物を混ぜ、意識が朦朧となって車を停めたところを襲うという恐ろしい事件。有力な容疑者はいるものの状況証拠のみで逮捕に至っていない。
UCOSが追うのは一連の事件の始まる前に起こった、構図の似た事件。
タイトルのset out your stallは実力を十分に発揮すること。
サンドラの母が登場。職場にもやってきて、ブライアンやジェリーもその親子関係には困ったという感じ。こういう時に母に声をかけるジャックの優しさ。
事件に出てきた被害者の養子に出された娘。人のことであれば、母がいかに娘を思っていたのかが分かる。
サンドラも間に合ううちにゆっくりと話をして母親と向き合って欲しい。
皆が何とかして逮捕に漕ぎつけたいと思っていたレイプ事件の犯人はしっかりとブライアンが証拠を掴んで解決に向かいほっとした。
5.動く標的/Moving Target
ある調査に協力することになったUCOSの面々。調査の名もOMIP(Older Man In Workplace)。
調査で来たサマンサ。彼女の弟は数年前にひき逃げにあい記憶喪失となっていたが、最近になってあれはひき逃げではなく自分は標的にされたと言い出したという。
街中で渋滞を引き起こして自動車の駆逐を目指すサイクリスト集団からブラックダイヤモンドの取引まで話は大きく展開して面白かった。
6.欲望の代償/Object of Desire
事件を持ち込んできたのは昔サンドラと不倫関係にあったラーソン警部。今は美術品の捜査班を指揮していた。
盗難美術品の取引の世界が難しい上に、登場人物が多くて事件は複雑。その上に、ラーソンに疑惑が及び、基本的にUCOSの他の面々には知らせずサンドラだけで捜査方針を進めていくので更に複雑。
不倫関係にあったことを知っているジャックの目が厳しくそして優しい。サンドラが成長し、しっかりと前に進んでいるのだということが分かった回。
7.消えた紳士/The Gentleman Vanishes
フランスへ向かう列車の中で忽然と消えたマッケナ博士。博士は常温核融合に関する研究者。
かなり満足度の高い一話。
凄腕ハッカーのアリスの思いと、政府側の思惑とが入り乱れる。
アリスのハッカーとしてのハンドルネームは九尾。日本の妖怪が登場する上に、日本語のキツネというダイイングメッセージまで出てくるとは。
政府が出てきたりして解決しないまま終わってしまうかもと思ったが、すっきりしない終わり方にならなかったのも良かった。
8.勇気ある者/Only the Grave
いつもと違う感じで始まる。これから殺人がおこるかもしれないから止めてほしいとやってきたステファニー。彼女の恋人は暴走族のメンバーで、正式なメンバーとしての”儀式”として対抗するグループのメンバーの殺人をするつもりだという。
暴走族といってもバイクを乗り回すという程度のものではなく、麻薬取引などにも手を染め、ヨーロッパ各地にその組織は広がっている。リーダーは殺人や麻薬で何度も逮捕されながら、いつも証拠不十分で不起訴となっていた。
その組織を追っていたのがサンドラの同期のステュアート。
同期ということで分かりあったところがありつつ、最前線に立たずに老人と後始末ばかりしていると言われてムッとするサンドラ。2人のやりとりが面白かった。
9.過去のない男/Half Life
身元不明者の情報などを募るインターネットのサイトから上がった情報をもとに捜査が始まる。
過去の経歴が一切出てこないことから調べると被害者は証人保護プログラムを受けていた。他のドラマでもよく出てくるけれど、これだけ狙われたりシステムが杜撰だととてもじゃないけど利用できないと思わせる…
警察組織も”効率化”のもと人員削減の情報が流れる。
自分たちが真っ先に切られるのではないかと心配するUCOSの面々。削減してもほとんど効果がないくらいに薄給だから廃止されないとのこと。
10.危険な悪戯/Tiger Tiger
動物園の虎の檻で飼育員が襲われ亡くなった事件。事故だと思われていたが事件の可能性が浮上し、再捜査。
事件が凄惨ならそこから明らかになる事件の背景やらも凄惨。
急に目立ったジャックの単独行動。ジャックがいなくなるカウントダウンのような回だった。
これまでの感想
【ニュー・トリックス Season1 感想】
【ニュー・トリックス Season2 感想】
【ニュー・トリックス Season3 感想】
【ニュー・トリックス Season4 感想】
【ニュー・トリックス Season5 感想】
【ニュー・トリックス Season6 感想】
【ニュー・トリックス Season7 感想】