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日本令和研究所より

もうすぐ終戦記念日、8月15日を迎えます。
天皇陛下におかれては、
毎年8月15日に日本武道館で行われる、
全国戦没者追悼式において、
追悼のお言葉を述べられています。

今回のメルマガでは、
天皇陛下の全国戦没者追悼式のお言葉と、
イギリスご訪問時において、
いくつか戦争に関することについて
触れられているので、
そのお言葉を中心に、
天皇陛下の慰霊の御心を偲びたいと思います。

昨年の全国戦没者追悼式では、
次のように述べられています。

―――
本日、
「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、
全国戦没者追悼式に臨み、
さきの大戦において、
かけがえのない命を失った
数多くの人々とその遺族を思い、
深い悲しみを新たにいたします。

終戦以来78年、
人々のたゆみない努力により、
今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、
多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、
誠に感慨深いものがあります。
これからも、私たち皆で心を合わせ、
将来にわたって平和と人々の幸せを
希求し続けていくことを心から願います。
 
ここに、
戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、
過去を顧み、深い反省の上に立って、
再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、
戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、
全国民と共に、心から追悼の意を表し、
世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。
―――

このお言葉の中で、
「終戦以来78年、
人々のたゆみない努力により、
今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、
多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、
誠に感慨深いものがあります。」
という一文に注目したいと思います。

前回のメルマガで朝倉さんが
戦後における、
昭和天皇、上皇陛下の英国との交流の軌跡について
紹介されていましたが、
それを読んで、
戦後78年の多くの「苦難に満ちた道のり」、
というものが具体的に迫ってきました。

天皇陛下は、
6月25日にバッキンガム宮殿にて行われた
晩餐会のご答辞にて、次のように述べられています。

―――
日英両国には、
友好関係が損なわれた悲しむべき時期がありましたが、
苦難のときを経た後に、
私の祖父や父が女王陛下にお招きいただき
天皇としてこの地を訪れた際の想いが
いかばかりであったかと感慨深く思います。
そして、計り知れぬ努力をもって、
両国の未来の友好のために力を尽くしてこられた人々に、
皇后と共に深い敬意と感謝の念を表します。
―――

このお言葉にふれ、
天皇陛下にとって英国というのは、
ご自身が留学された思い出の地であるのみならず、
祖父、父である昭和天皇、上皇陛下、
そして多くの両国民が
「計り知れぬ努力」をもって、
かつて敵国だった英国との関係を築き直し、
未来の友好のために尽力してきた、
そうした足跡が残る地であるのだと、
偲ばれてきました。

また、
戦後における両国の関係に尽力した人々について、
英国ご訪問前の記者会見(6月19日)にて
次のように述べられています。

―――
現在、英国とは、経済、文化、科学技術、教育など、
幅広い分野において
緊密な協力関係を構築するに至っていますが、
その陰には、戦争の傷を癒やすために
両国の人々が地道に積み重ねた努力があったことを
忘れることはできません。
―――

陛下は、晩餐会のスピーチの中でiPS細胞の研究や、
高潮予測の開発、絶滅危惧種の回避など、
日英で取り組んでいる具体的な事例を挙げられました。
こうした様々な分野において
緊密な協力関係を構築することができているのも、
「戦争の傷を癒やすために
両国の人々が地道に積み重ねた努力」
があったことを決して忘れられないこととして、
ご指摘になっています。

天皇陛下は、戦後のお生まれであり、
戦争を体験されていません。

英国ご訪問前の記者会見(6月19日)では、

私と雅子は、戦後生まれであり、
戦争を体験していませんが、
亡くなられた方々や苦しく、
悲しい思いをされた方々のことを忘れずに、
過去の歴史に対する理解を深め、
平和を愛する心を育んでいくことが
大切ではないかと思います。

と述べられています。

祖父、父である昭和天皇と上皇陛下を仰ぎ、
そして地道に努力してきた人々の歴史への理解を深め、
敬意を払う。
そうした過去の歴史との向き合い方は、
戦後世代である私にとって、
大事にしたいお姿として心に刻みたいと思います。

日本令和研究所 R0608140 メルマガより 抜粋

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