ホンモノを見極める眼を身につけたい 「小池百合子東京都知事の学歴詐称問題」
小池百合子東京都知事の学歴詐称問題が再燃しています。彼女の「エジプト・カイロ大学首席卒業」という経歴は以前から「ウソではないか」との疑問がありましたが、エジプト大使館を経由した大学側の「卒業しました」との声明によりうやむやのまま沈静化していました。それがここにきて「過去の声明は小池氏が捏造を依頼して出されたもの」との証言が出てきたのですから大変です。しかもその証言者が東京都の特別顧問や都民ファーストの会事務総長を務めた小池氏の最側近となると穏やかではありません。その信憑性は極めて高いものと考えられます。学歴詐称はれっきとした公職選挙法違反です。もし告発が真実なら小池氏は政治家失格、いや犯罪者と言ってもいいでしょう。わたしは自身が大学中退ということもあり、他人を学歴で評価することはありません。たしかに“偏差値”の高い大学出身者が勉強得意なのは認めます。しかしそれはあくまで紙のテストの答えをすばやく導き出す能力に優れているに過ぎず、人間としての能力が高いのとは別です。ましてや卒業して社会人となれば、そのときの自分そのものが実力のすべてであり過去の学歴なんてただの“足跡”にしか過ぎません。そんなものに小池氏がなぜ執着したのか。小池氏はテレビキャスターから政界に転身しました。すでに知名度もあり、またその職業からも「賢い(真相は別にて)」と思われていたはずです。もうそれだけでも十分なのに、貪欲なまでに「カイロ大学・首席卒業」を謳ったのは、東大卒と聞いただけで「すごい!」という人が多い中、50年以上前に外国の大学、それも首席で卒業となれば選挙においてその効果は絶大なものがあったからにほかなりません。これには有権者も肩書きや経歴でなく、候補者自身を見極める目を養わなければならないことを痛感させられます。小池氏は政界での地位を確立し、周りが忖度するようになるにつれ「わたしは誰にも攻撃されない」と自信満々だったのでしょうが、まさに天網恢恢疎にして漏らさず、報いを受けるときが来たようです。もし、小池氏の学歴が本当なら小池氏自身が疑惑を晴らすことは簡単です。しかし、不思議なことに彼女はその簡単なことをしようとはしません。小池氏はこれまでも「言ったことを言ってない」「やったことをやってない」など平然とウソをついてきました。今回もうまく窮地を脱することができるのか見ものです。
「百田尚樹のニュースに一言」(令和6年5月31日号より)
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