「男女別出席簿」を来春から廃止
「佐藤君」「はい」、「山田さん」「はい」学校では子供たちがちゃんと来ているかを確認するため毎朝、点呼をとっています。その時に必要なのが「出席簿」です。東京都多摩市の市立中学校が現在使っている性別で分けた「男女別出席簿」を来春から廃止することにしたというニュースがありました。
これにより都内の公立小中学校すべてが生徒を50音順に並べる「男女混合出席簿」となります。東京都では男女平等の観点から1980年代ごろから男女別の出席簿を徐々に男女混合に移行していましたが、「男女別出席簿」が不平等というのもおかしな話です。男の子がいつも最初に呼ばれ女の子が後回しになるのがダメというのなら、1日おきに点呼の順番を交互にすればいいだけです。そもそも点呼順に優劣があるというのなら、毎回最後に呼ばれる「ワタナベ君」は毎回最初の「アオイ君」を許せないでしょう。
男女間で差別的な扱いがあってはならないのは言うまでもありませんが、なんでもかんでも同じじゃなければいけないなんて無理があります。「男」と「女」を区別しなければならない、した方が合理的な場合は多々あります。トイレが男女別なのはその最も顕著な例で、決して男性トイレから「女が男と一緒なんて100年早いわ」と女性を排除しているのではないのです。
学校現場でも体育の授業や運動会の種目、からだの成長についての独自授業など男女を区分するシチュエーションは多くあります。それらの準備に混合名簿は非常に使い勝手が悪いものです。なにより最近は「義男」「順平」、「寛子」「和恵」と一目で男女が分かる名前ばかりでなく、それだけでは男女はもちろん日本人かどうかさえ判別できない名前も多くなっています。「先生は毎日忙しくて大変だ」というのなら、少しでも簡便なものを用意すべきではないでしょうか。
“差別”と“区別”を一緒くたにして文句を言うほど愚かなことはありません。そういえばこの文章のなかでも数回「男女」という言葉を使っています。行き過ぎた平等主義者に「なんで男が先なんだ、女男とすべきだろう」と言われないか心配です。