本日10月20日は上皇后陛下・美智子様の90歳のお誕生日です。 日本令和研究所たよりから
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本日10月20日は
上皇后陛下・美智子様の
90歳のお誕生日です。
過日、美智子様は大腿骨骨折の怪我をされて
手術を受けられましたが、
無事に退院され、
現在は仙洞御所でリハビリに励まれています。
術後の経過は良好で、
本日は予定通り、「お誕生日祝賀行事」が
行われるようです。
美智子様のご快復を祈るとともに、
卒寿をお祝い申し上げたいと思います。
今から30年前、
平成6年のお誕生日に際して、
美智子様は皇后陛下として
こう述べられていました。
「私の目指す皇室観というものはありません。
ただ,陛下のお側にあって,
全てを善かれと祈り続ける者で
ありたいと願っています。」
こうした皇室の祈りを支えられるよう、
私も日本人のひとりとして、
天皇陛下のもとで、全てを善かれと
祈り続ける者でありたいと思います。
美智子様は平成10年に
第26回国際児童図書評議会(IBBY)
ニューデリー大会(1998年)で、
「子供の本を通しての平和
―子供時代の読書の思い出―」
と題する基調講演を行われました。
美智子様は講演のなかで、
次のように述べられています。
「教科書以外にほとんど読む本の
なかったこの時代に,
たまに父が東京から持ってきてくれる本は,
どんなに嬉しかったか。
冊数が少ないので,
惜しみ惜しみ読みました。
そのような中の1冊に,
今,題を覚えていないのですが,
子供のために書かれた
日本の神話伝説の本がありました。
日本の歴史の曙のようなこの時代を
物語る神話や伝説は,
どちらも8世紀に記された2冊の本,
古事記と日本書紀に記されていますから,
恐らくはそうした本から,
子供向けに再話されたものだったのでしょう。
父がどのような気持ちから
その本を選んだのか,寡黙な父から,
その時も,その後もきいたことはありません。
しかしこれは,今考えると,
本当によい贈り物であったと思います。
なぜなら,それから間もなく戦争が終わり,
米軍の占領下に置かれた日本では,
教育の方針が大幅に変わり,
その後は歴史教育の中から,
神話や伝説は全く削除されてしまったからです。
私は,自分が子供であったためか,
民族の子供時代のようなこの太古の物語を,
大変面白く読みました。
今思うのですが,一国の神話や伝説は,
正確な史実ではないかもしれませんが,
不思議とその民族を象徴します。
これに民話の世界を加えると,
それぞれの国や地域の人々が,
どのような自然観や生死観を持っていたか,
何を尊び,何を恐れたか,
どのような想像力を持っていたか等が,
うっすらとですが感じられます。
父がくれた神話伝説の本は,
私に,個々の家族以外にも,
民族の共通の祖先があることを
教えたという意味で,
私に一つの根っこのようなものを
与えてくれました。」
天皇は天照大神をはじめとする日本の神々に
「すべてを善かれと祈り続ける」ご存在です。
皇室の祈りへの理解を深めるためにも、
自分や家族と一緒に神話や伝説に触れ、
わが民族が「何を尊び、何を恐れたか」を
感じ取っていきたいですね。
美智子様はご自身でも子どもたちのために
絵本を作られています。
https://www.ehonnavi.net/author.asp?n=4093
家族や友人、子どもたちには、
日本の神話や伝説とともに、
美智子様の絵本も伝えていきたいものです。
(兎角)