方位学とは
幸運をつかみ、不運をさけたいと思うのは人間だれしもの人情です。もちろん、 あなたにしても、そうお考えでしょう。それならまずこの短い文章に目をとおしてください。
幸運をつかむチャンスはどこにひそんでいるか、たとえばあなたの理想の恋人にはどうすればめぐりあえるか、あなたはそれを知りたいと思いませんか? また、たとえば自動車事故のような不運のきっかけはどこにひそんでいるか? あなたはそれを見やぶって、その悲運を未然にさけたいとは思いませんか?
そのためには、方位学の正しい知識を身につけるのがいちばんなのです。この方位学というのは、古代中国人の長い歴史的経験の集約から生まれた「九星術」という特殊な占術のもっとも重要な一部門なのです。
人間の行動には、すべて方向性がありますが、この方位学はあなたに幸運をもたらす吉方と、不幸をもたらす凶方とを、正確に指示してくれるのです。
もちろん、いろいろの占いには、それぞれに長所も短所もありますが、方位学がほかの占いにくらべて、とくにすぐれているのは、つぎの二点においてです。
1 だれにでもかんたんに理解でき、応用範囲が広く大きい。
2 ほとんど機械的に解答がでてくるために、上手下手の差がなく、専門家と素人のちがいもごく少ない。
とは言うものの、これまでの方位学の本は、だれにでもかんたんに理解できるというわけにはいきませんでした。
たとえば、判断の基準となる九星盤という図にしても、これまでの本は一冊の例外もないくらい、南を上にした書き方です。もちろん、これには歴史的な根拠もあるのですが、地図と照らし合わせて、吉方、凶方をたしかめるときには、本の上下をひっくりかえして見ないとわかりにくいというようなことさえ起こるのです。この本では、そういう九星盤の図は、ふつうの地図とおなじように、北を上にした書き方に統一してあります。たいしたことではありませんが、このわずかな親切気さえなかったのが、方位学の本をこれまで難解なものと思いこませていた理由の一つにちがいありません。
それで私は、数十年来この道の研究をつづけていらした、八十歳の老大家に協力をおねがいして、方位学の基本的な法則からあらためて再検討し、どんな人にもすぐ わかるような方針で、この一冊の本を書きあげたのです。
ですから、入門とはうたってありますが、この一冊さえ手に入れていただけば、方位学の秘法はほとんど九割まで、あなた自身のものになったと言えるのです。
あなたの幸運の青い鳥は、まちがいなく九星盤の吉方にいるのです。 そして、その吉方は古代より伝わる不思議な論理にのっとって、日々、あなたの四方をめぐっているのです。青い鳥は不死烏ではありません。ある日、ある時を瞬問的に生きます。そのタイミングを失ってはなりません。ですから、毎日、九星盤を見る習慣をおつけになることをおすすめいたします。
同じように、不幸をまねく凶方にしても、毎日変わってくるのです。もちろん、人問のことですから、時によっては凶方に向かって行勁することもやむを得ませんが、ただ、この方向には危険がひそんでいると最初から笈悟していれば、不幸も最小限度に食いとめられることはまちがいありません。
◎出典 「改定方位学入門」高木彬光著 カッパブックス及びブログ作者の収集データーによる◎