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皇居勤労奉仕             一般社団法人日本令和研究所 令和6年11月10日版メルマガより 

皇居勤労奉仕とは、
皇居と赤坂御所の敷地内を
4日かけて除草、清掃、
庭園作業などを行う清掃活動です。
参加者は15名以上の団をつくり、参加します。
また、大変ありがたいことに、
天皇皇后両陛下よりご会釈を賜ります。
※現在はコロナ対策の為、
3日間に短縮

この皇居勤労奉仕のはじまりは、
昭和20年5月に空襲で
焼失した宮殿の焼け跡を整理するために、
宮城県栗原郡(現在の栗原市)の
62名の青年たちが
勤労奉仕を申し出たことから始まりました。
それ以来現在まで続いています。

今回、私は沖縄県の皆さんと一緒に、
10月29日から31日にかけて、
勤労奉仕に参加しました。
まず驚いたのが、初日の午前中に
ご会釈を賜ることになったことです。
翌日に秋の園遊会を
お控えになっているにもかかわらず、
私たち奉仕団の為にご会釈をいただきました。

陛下からは、
日ごろの活動について、
また期間中に沖縄に台風が接近していた為、
台風の被害などがないかを
ご心配いただきました。

私が平成の時代に勤労奉仕に
参加していた際も、
当時の皇太子殿下に
ご会釈を賜っていました。
当時は次の天皇陛下になられるお方として、
緊張感のようなものを感じましたが、
今回のご会釈では、
そういった印象は受けませんでした。
国民の安寧と幸福を祈っておられる、
そうした、お優しさが自然と伝わってくるような、
ご会釈でした。

初日の清掃は、東御苑という地区で行いました。
東御苑は江戸城の名残が感じられる場所であり、
大嘗祭のお宮が建てられる場所でもあります。
江戸時代の役人が詰めていた
百人番所、展望台、天守台、
演奏会が行われる桃華楽堂、
各県の木などを見ることが出来ます。

ここは、一般公開されている場所でもあるので、
どなたでも入ることができます。

ちなみに、皇居は大きく3つの地区に
わけることができます。
儀式や陛下が公務をされる「宮殿地区」、
宮中祭祀が行われる宮中三殿や、
両陛下がお住まいの御所がある「吹上地区」、
そして、「東御苑」の3つです。
勤労奉仕では、
それぞれの地区を1日ごとに清掃します。

2日目は、宮殿地区での清掃を行いました。
現在の宮殿は、昭和43年に造られたもので、
日本古来の建築美を生かして造られました。

宮殿では新年祝賀の儀、歌会始の儀、
信任状捧呈式などの
公的儀式が行われています。
宮殿内にある正殿と呼ばれる場所では、
即位礼正殿の儀が行われました。
正殿松の間に高御座がおかれ、
新天皇陛下が即位を
国内外に宣明される儀式です。

その正殿もご案内いただきましたが、
まだ、令和の御代替りの
儀式の記憶があったこともあり、
同じ場所に立っていると思うと、
大変感動しました。
この日の作業は、
南庭で枝や落ち葉拾いを行いました。

そして最終日は、
皇居内でも最も神聖であり、
警備も厳しい吹上地区を清掃しました。

最初に、宮中三殿を回廊の外から参拝しました。
初日の雨が嘘のように空は秋晴れになり、
まるで神々様に歓迎していただいているような
気持ちになりました。
やはりここの場所は、他の地区とは違い、
静謐で厳かな雰囲気が漂っていました。

次に生物学研究所を清掃。
主に天皇陛下が御田植になる御田や
皇后陛下がなされている御養蚕の
蚕の餌となる桑、粟などを拝見しました。
ここで育てられた穀物や果物は、
宮中祭祀の神饌(捧げもの)になります。

そのように思うと、
落ち葉や落ちている柿の実も
丁寧に集めようという気持ちが働き、
普段の所謂掃除とは違った心境で
清掃しました。

最後に、
天皇陛下から賜り物をいただき、
解散となりました。

宮内庁の職員の方によれば、
コロナ期間中に中止していたということもあってか、
現在、勤労奉仕に申し込む方が大変多いと言います。
毎回抽選をして参加団体を決めているそうですが、
中には2年間、19回も申し込み続けて
やっと参加できた団体もいるそうです。

参加団体は、旅費や宿泊費、
食事代もすべて自費で賄います。
報酬が出るわけでもありません。
しかし皇居を清掃する為にかけつける国民が
全国にいる、という国は、
世界広しといえど、
我が国だけではないでしょうか。

かつて、宮城県の青年たちの、
「天皇陛下のために」という一心で始まった
皇居勤労奉仕。

その精神は、
現代の日本人にも
脈々と受け継がれていることを感じました。

この度、勤労奉仕に参加して、
改めて日本人としての誇りを強く感じたと共に、
皇室の為にお役に立てる日本人になるため、
日々精進していきたいと決意を新たにしました。
(ゆうな)

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