美菜子②

「こっちの人とお話したいんですけど!!!」
を受けてチャラ男は快く席を俺に譲ってくれた

美菜子のグイグイぶりは半端なく
「ホントに今は結婚してないの?」
「仕事は?趣味は?」
「どんなコが好きなの?」

酔っ払ってるため身体的距離も近い

俺は陽キャの綺麗なお姉さんが自分にこんなに接近してくる意味がわからず困惑しつつも平然を装い、淡々と応対していた

何か落とし穴がある?素人にドッキリ?

そんな意味がわからないことを考えていたと思う

「俺、自分が肩こりだから、肩もみ自信あるよ」

「えー!私、すっごい肩凝ってるから揉んでよぉ」

カラオケバーのボックス席で健全なマッサージ大会が開催!

「うぅん…めっちゃ気持ちいぃ!上手♡」

距離感ほぼ0から艶めかしい声が響く

たしかに肩はバキバキで揉みごたえはある

「優しすぎて好きになっちゃう」
「毎日揉んでほしい」
「やだ!チューしたくなっちゃう」

酔っぱらいの妄言は続くが美菜子が何かを発する度に俺は怖くなっていた

何が怖いって、2人になった途端に宗教に勧誘されるか高価な壺を購入させられるかそんなことばかり考えていた

あっという間に閉店の時間
チャラ男はただでは帰らず気がついたら黒髪とどこかに消えていた

美菜子は
「2人で飲み直そう!カラオケ行く?」
とノリノリだったが
ビビリのおっさんは
「いやー、今日はラーメン食べて帰るわー」
と逃げ腰発言

「じゃあ私もラーメン食べる」

と2人でラーメン屋へ

ラーメン食べながらLINEを交換

食べ終わると
「もう眠いし、うち近いから来る?」
とテイクアウトされかけるも

ビビリの…略

「いやいや、俺は(壺買えないし)帰るよ…」

タクシーで帰宅

時間は午前2時を回っていた

つづく…

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