メキシコペソ 12月1週目 メキシコ経済成長率は来年も上昇修正
サウジが音頭をとってOPECで再度関係国に減産要求して原油価格を上昇させそうと画策しましたが、少し難しいようです。なので中東でもう一波乱起こすのかもと漠然と不安を感じています。ウクライナもパレスチナも落ち着いてきているだけにちょっと不気味です。
それと中国で流行っているマイコプラズマ肺炎もアメリカでも急増しているようです。今のところ死亡に直結するわけではなさそうですが、呼吸器系統の薬剤不足が懸念されている中、無制限に外国人観光客を受け入れることには疑問を感じます。もう例の感染病と同じような騒動はこりごりです。
正直、何もなければ年末に向けて日経株価も3万4千~3万5千へと向かうと期待しています。
利下げ転換議論は時期尚早
金曜日深夜になりますが、FRBパウエル議長、利下げ転換議論は「時期尚早だ」…市場の観測をけん制との報道がありました。これで急速に円高ドル安に向かったようですが、利上げはないにしても早期利下げは厳しいかなと思います。自動車労組でも4年間、年率で5%以上の基本給賃上げしており、他業種もそれに引き続かざるを得ないので、インフレでもサービス価格の上昇は終わりません。これ以上に政府的は賃上げの波に乗れない、自営業者、契約労働者、非労働者などなどの貧困化が目に見えている層の救済にも注力させられるので、まだまだ厳しいことが続くと思います。安直に楽観論はどうかと思っています。
経済成長率は上方修正
メキシコ第3四半期の経済成長率は前四半期と比べ1.1%上昇しましたが、年率では3.3%にとどまりました。経済成長を牽引しているのは、個人消費(特に高級品舶来品の伸び)と非住宅建設(資本財の建設)と自動車産業の拡大と言われています。また、第4四半期を考慮すると最終的には3.5%~3.6%になると財務省の次官は予想しています。
年初には2024年経済成長率は1.7%ぐらいと予想されていましたが、USMCAの恩恵による記録的な外国投資の影響と米国経済の明るし見通しで3.0%ぐらいまでは行けそうとメキシコ中銀も財務省も来年度分を上方修正しました。
東南アジア5%、中国4.4%と予想されていますが、中国不動産爆弾を抱えた現状ではメキシコより上になるとは思えません。投資信託、特に債権関係とか有望かもと思っているのですが、目論見書を読んでいてもいまいち乗り気がしないので手を出していません。(持っているのは、インド、ベトナム、アメリカ、日本です)
送金額は好調でも
10月の送金額が発表されましたが、58.12億ドルで今年の累計が528.88億ドルと前年同月累計が483.39億ドルから9.4%増加と好調です。
マネックスのアナリストはアメリカのダイナミックな雇用創出と益々緊密化するUSMCAの経済関係から来年も引き続き堅調であると報告しています。
ただ、ペソベースで考えれば去年の同時期が1ドル=19.39(2022年12月2日)で9373億ペソ、今年が1ドル=17.19(2023年12月2日)で9091億ペソと残念な結果なのですが、出稼ぎする個人、NYで資金を集める企業も、最終的にはドルをペソに換金する必要が出てくるので、ペソ高の流れも継続するのかと思っています。
トピック
通貨:
先週17.14から週末は17.19
米国利上げ終了懐疑からドルが乱高下
メキシコ中銀は年末のドルペソレートを17.75と予測
シティは年末ドルペソレートを17.60と予測
メキシコ株:
週末株価は52.7から54.0
原油価格下落で企業活動に好影響と株価上昇
メキシコ中銀:
現在政策金利11.25%:次回の政策金利は12月14日
年末目標金利は11.25%
11月9日の政策金利会合は利上げなし
セハ総裁、ヒース副総裁ともに12月の政策金利据置、利下げを議論する可能性を表明
利下げ開始は希望的観測では2024年2月、8月ぐらいが順当
外貨準備高が2056億ドルで1995年来の最高水準
メキシコ財務省、中銀は来年の成長率を2.1%から3%へ上方修正
メキシコ年末経済成長率予想
3.6%・・・JPモルガン
3.5%・・・ムーディーズ、パリバ、メキシコ財務省
3.4%・・・XP、シティ、ゴールドマンサックス
3.3%・・・OECD、メキシコ中銀
3.2%・・・バークレイズ、BoA、BBVA、IMF
3.1%・・・フィッチ
金融:
9月までの銀行利益が2050億ペソ、前年同期17.3%増加で過去最高を更新中銀行は高金利で記録的な利益を継続
消費者物価指数:
10月の年間インフレ率は4.26%、前月4.45%より0.19改善
10月の年間コアインフレ率は5.50%、前月5.74%より0.24改善
11月中間の年間インフレ率は4.32%
11月中間の年間コアインフレ率は5.31%
アナリストは冬季燃料高とペソ安が物価を圧迫する可能性有りと指摘
メキシコ中銀は年末年間インフレ率を4.7%と予想
貿易収支・経常収支:
貿易収支 10月:-2.5億ドル、9月:-14.8億ドル、8月:-13.8億ドル
輸入額 10月:519.7億ドル、9月:511億ドル、8月:537億ドル
輸出額 10月:522.3億ドル、9月:497億ドル、8月:524億ドル
資本財の輸入は20%、資本金流入も20%増加
10月送金額は52.9億ドル 送金額累計は528.9億ドルで前年同時期より9.4%増加
小売り売上:
メキシコ中銀:メキシコの消費者信用総額1.36兆ペソ、実質年率13.5%増加
ANTADの10月までの累計売上は1兆2110億ペソ、10月単月の売上高は既存店で1.4%減少
INEGI:9月の小売り売上は年率3.7%増加
9月の消費者信頼感指数は46.8、前月と横ばい
雇用・失業率:
INEGI:10月失業率は2.7%、前月と同じで依然として雇用は好調
10月の経済活動人口は前月より15万人増加で6099万人
前月と比べ非正規率が54.3%から55.1%へ上昇
製造業・自動車:
10月自動車生産台数は37.8万台、前月より4.0万台増加、前年同月比は36%増加
10月国内自動車販売数は11.4万台、今年累計は109.0万台で前年同期78.1万台と比べ25.0%増加
11月の景況感は前年同月比56.0%で好況を維持
8月総固定投資は年次31.5%、前月比3.1%増加
住宅建設は3.9%減少も非建築投資は47.4%と強烈に増加中
財務省は特定10製造業で輸出50%企業に税制優遇、誘致強化
食品:
アメリカ、大豆トウモロコシ豊作のため食糧価格低下の見込み
エネルギー:
メキシコバスケットは73.35から73.59
サウジとロシアが更に減産もOPECの全面合意ならず
需要減少で価格上昇には懐疑的
USMCA:
エネルギー国有化は引き続き論点
米国遺伝子組換えトウモロコシの使用を禁止するメキシコを提訴
アメリカの対メキシコ貿易比率は年累計で15.8%で首位
USMCA以外:
アルゼンチン大統領の政策に全南米が関心
観光業: