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爺ちゃんのバーバリー
岐阜に住んでいた父方の爺ちゃんが死んだのが去年の暮れで、葬式から半年以上経っても家の整理ができない婆ちゃん。
もう着る人のいないオーダーメイドのスーツや、読む人のいない日焼けした本、一時期凝っていたカメラや囲碁盤やら碁石やらその他諸々。
家の階段が急すぎるってのもあるし、物が多すぎるってものあるし、家の整理の前に心の整理がついていないってのもある。自分の半身だった夫が急にいなくなって、自分の足で
”バケツをひっくり返したような雨”
2021年03月22日
”バケツをひっくり返したような雨”という慣用句が好きだ。
とても豊かな言葉だと思う。
突然の大雨。空前絶後、天変地異の大雨。まさに”バケツをひっくり返したような雨”。
でも、この文には、その前日の、雨の予感も感じさせない真っ青な青空の景色が含まれている。
晴々とした青空があるからこそ、”突然の”大雨なのだ。
一生振り続けるんじゃないかというぐらいの大雨。
しかし、
ワンパク公園のアウトロー
2021年03月05日
新居の近くに、割としっかりした公園がある。
名前は”ワンパク公園”。
しかし、そこに集う子供たちは、ワンパクなんてもんじゃない。
彼らは完全なるアウトロー。
ここは不良少年どもが幅をきかせたスラムだったのだ。
まず、この公園には、遊具がない。
子供たちをお行儀良く遊ばせるための、杓子定規の、決まり切った、大人の勝手で付け替えされる、退屈な、遊び道具など、ない。
あるのは
おばさんなんだかおじさんなんだかよくわからないおばさんのバイオリン
2021年02月22日
間が空いてしまったけど、前回引っ越しすっぽかして公園に行った時の話。
コーヒーとパンがあれば乙だななんて思って、とりあえずパン屋へ。
パン屋は池を跨いで反対側なので、散歩がてら池を半周する。
すると、池の水がなくなっていた。
今まで池だったところは、泥と土の境目ぐらいのベチャグチャした土地になっていた。
そういえば、水の上に浮かんでないアヒルボート、初めてみたかもしれ
夏は暑く、冬は寒い僕のアパートのこと。
2021年02月11日
いいかげん、引越の準備を進めねばならない。
とりあえず、引越当日の一週間後までに使うことのない荷物をまとめてしまおう。
午前10時に近所のドラッグストアへ向かい、持ち前の愛嬌でもって、薬剤師兼レジ担当ベテラン風パートおばちゃんを口説き落とす。大容量段ボールをゲット。
二時間ほど荷造りをしているとガムテープがなくなった。
買いに行かなきゃ。
上着を着込んで外に出る。暖か
八百屋のおじいちゃん
2021年02月07日
スーパーとかで流れてる「大特価!!大特価!!きゅうり1袋100円!!!!!トマト、1パック85円!!!!!!ぃやすぅいよーーーーーーー!!!!!ぃやすぅいよーーーーーー!!!!!」てテープ。
あれ、毎朝録音してるんだろうか?
だとしたら、いつ、誰が、どこで?
気になる。
うちの駅前には八百屋があって、そこでも大絶叫安いよテープがエンドレスで流れている。喉ガシャガシャ、滑