マーケティングよもやま話 消費者は賢い

こんにちは

先日の日経マーケティングジャーナルのどこかで
コロナ禍でメモをして買い物をする客が増えた
といった一文を見かけました。

先行き不透明な世の中ですから、その場の勢いで無駄遣いしてしまうのを少しでも減らしたいんでしょう。

支出を減らすという点において有効なやり方だと思います。

消費者は素人で賢くない、という思い込み

メーカー勤めが長いと色々な考えに出会うことになります。「立場的な知識量の差から消費者を賢くない素人扱いしてしまう考え」というものにもあったことがあります。

自転車を例に出すまでもなく、本職と一般の方とで知識量の差があるのは当然の話しです。それでもって消費者を見下していいものではありません。

クロスバイク、というスポーツ自転車の一カテゴリーがあります。
このカテゴリーはもうこの10年くらい某G社のEという商品が日本で一番売れ続けている状況です。

曰く、Eを売るときに多い口上が「日本で一番選ばれているクロスバイク」といったご案内。これで多くの方は安心して購入されるそうです(羨ましい…)。

これは尺度の問題です。
自分にとって不利益のない選択肢から、より早く選ぶという点においてEを選ぶ方は賢いでしょう。悩むこと、選択することには時間や気力を消費します。今どきの多くの消費者にとって日々の生活にそんな余白はそうそう無いのです。

単なるデータ流通量の話ですが上記リンクは興味深いデータです。
2017年比で2021年はデータ流通量が2倍以上に増えているのです。個々人が受け取る情報量は増え続けており、日々の判断力は細切れに消費されていくばかりです。

だから大多数の消費者は買いやすいものを買うのです。
それは自分以外の多くの人が買っている「品質が信用に値するもの」だからです。また、それ以外にも各自が多くの指標を持って消費活動を行っているでしょう。

だからこそ売る側は可能な限り、判断や悩みの気力と時間を消費者に捻出させないデザイン(商品であったり、訴求であったりの)が求められると思います。

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