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女の子
女の子に生まれちゃったので、女の子に全振りして生きています。
本当は納得いってないんだな、と偶に思います。
赤ちゃんのとき女の子として生まれて、物心ついた時にそのことに気がついた。
男の子っていいなと思った、いいなーって。
泥だらけになりながら遊ぶ。汗と土の混じった匂い。水を撒いて走る。虫を採る。キラキラしてる。
そんなふうになれない自分。別にいいけど。
自分のことを「本当は男の子だ」と思ったことは無いし、おそらくゴリゴリの異性愛者でもある。
顔立ちも体つきも声も思考回路も女の子らしい女の子。セーラーマーキュリーが大好きでした。
でも、男の子っていいなと思う。男の人っていいなと思う。
どんな風でも男というだけで絵になっちゃうな、とか思う。ひとつキャラ立ちしちゃうなーとか思う。
私はどうだろって何度も何度も考えて生きてきた。
私、絵にならない。どうしてもなんかダサい。
泥だらけで遊んでも泥にまみれた生白い女児。
ひとり歩いても危なっかしい女児。
ベース弾いても垢抜けない女子。
お酒飲んでも、煙草吸っても、イキってるダサい女。
大喜利してもラップしても変なおばさん。
好きなことしてるだけなんだけど、なんかちょっと違うからなんかちょっと後ろめたくて、隠れながらしちゃって。
女に生まれたからでもあるし、女の子らしいからでもある。カッコイイ女になりたいのでもなし。最初から“違う”。
今日は眼鏡屋さんに行きました。
そろそろ眼鏡を新調したくて、細いフレームを試したら
「読書好きそう」「おジャ魔女どれみの葉月ちゃん」
そういう顔立ちなのも良くない。
ずっと知ってました。いつもそういう風に見られる。物静かで地味な女の子だと思われる。
好きなこと好きなようにしたら「思ってた感じと違う」と言われる。うるせえ。
でも、知ってました。女の子に生まれちゃった。それも女の子らしい、女の子らしすぎる女の子に。
私というものを形成する要素が、記号としての女の子らしさと一致しすぎている。
女の子らしく生きていくのが、多分適してる。格好がつく。格好つけてたい気持ちは人一倍。
納得ずくで女の子らしい女の子になりました。楽しい。
だけど未だに思わずにはいられない。男の子っていいな、男の人っていいな。なりたかったな。
私にとって男性とは憧憬であり嫉妬でもある。
女の子らしい自分に納得したつもりでも、しきれない部分は絶対にある。
おそらくこの呪いは解けないだろうな。異性に生まれ変わるまで。
別記事引用ができるのすげーって思ったから引用してます。特に意味なし。
“あなたと私って友だちですか? って、相手に訊いてしまいます。”