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人間はライフスタイルでできている

【自分を変えたくて始めたマナーレッスン】

私の専門分野は「プロトコール(公式な国際マナー)・日本の礼儀作法」です。身を美しくすると書いて「躾(しつけ)」のレッスンをさせて頂いておりますが、もともとは自分を変えたくて始めました。

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ちょうど私が学生時代だった頃は、高度成長期が終わり、成熟社会を迎える中、いろいろな意味で考え方は十人十色。インターネットが普及し始め、選択肢が広がる中、自由であることは逆にとても不自由で、幸せな家庭で甘やかされて育った私にとっては、迷うことが多く過酷な時代でもありました。

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「なんとかして自分を変えたい」「自信のなさから抜け出したい」「そのためには“何か軸を持たなければ”」と試行錯誤していたときに出あったものが、プロトコール・マナーレッスン=“自分をしつけること”でした。

「なぜお箸はこう持つのか?」
「なぜ声や姿勢を整える必要があるのか?」

自分の家庭や当時の教育ではその深い理由まで教えてくれませんでしたので、自分で学ぶことにしたのです。

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例えば、第一印象を決定づける姿勢・服装・話し方。私は、「正しい姿勢・服装・話し方を学んだ結果、周りの反応ががらりと変わった」という出来事を経験しました。

学ぶ前、ある会食の席で誰もが知っているご高名な先生にお会いしたときのことです。会の格式に合った自分に似合う服装を知らなかった私は、あか抜けないスーツを着てその場に臨みました。また、猫背で声も小さくお話していたので、ほとんどいてもいなくても同じような状態だったと思います。素晴らしい仲介役の方からのご紹介であったにもかかわらず、その先生に顔も覚えて頂けませんでした。

それから1年後、服装とともに姿勢や声のレッスンを受けた後、同じ先生にお会いする機会がありました。明らかに相手の反応が違い、まっすぐにこちらを見てお話になります。そのときには話もはずみ、もちろん名前も覚えて頂けました。

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そこで私は思いました。
「やはり人はその場にふさわしい型を身に付けることは大切なんだ」と。
もちろん、話す内容や心づかいは重要ですが、適切な表現方法を知らないとお相手に伝えたくても伝わらないことがあるのです。

ここで、質問です。
和食の会食のときに、バックに入れておくと重宝するものは何だと思いますか。

答えは「懐紙」です。
日本では持ち上げられる器は持ちあげてお食事をしますが、それは神の道と書いて”神経”を曲げないため。そのときにあると便利なものです。
器が熱くて持てない場合などに、いわゆる手でお皿の代わりをする「お手皿」というマナー違反をしないで、食べ物を口に運べるのです。

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それから、現金を人に渡す場面
本来は奉書紙と水引で整えてお渡しする現金ですが、急に会費などの現金を渡さないといけなくなったとき、白い封筒をバックに常備しておくと安心です。現金を裸のまま渡すことは感覚的にも気が引けるものですが、日本のお金に対する意識や、清浄感・清らかさを重んじる慣習上、やらないことのひとつなのです。紙=神であることなど、理由を聞いて納得しました。

こういった所作のひとつひとつが腑に落ちるにつれ、そこはかとなくあった自分の自信のなさがなくなっていき、確固たる自信へと変わっていったのです。

人間はライフスタイルでできています。毎日一生行うことの積み重ねが私たちをつくっています。   

「毎日一生行うことを丁寧に行うこと」=「宇宙・自然界・ご先祖様から与えて頂いた命を輝かせること」

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“当たり前のことを当たり前にできること”は、格好いい大人の条件のひとつだと思います。そして、もしもその当たり前のことができていないことに気づいたら、人間は何歳からでも改善することができます。大人になったらその環境は自分で用意することができるからです。


私自身もまだまだ道半ばではありますが、子どもたちが見たときに「あんな大人になりたいな」と憧れられる大人が世の中にひとりでも多くなることを願ってそして、必要な子どもたちにその環境が用意できるように、今後も活動を続けてまいります。

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最後までお目通し頂き、有難うございます。よろしければまたお付き合い頂けましたら幸いです。どうぞ引き続き素晴らしい時間をお過ごしになりますように…!

ユウキアユミワールドアカデミー
校長 由結あゆ美

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