「永住権」って?日本人じゃなくなるの?
過去のポストにさんざん登場している「永住権」という単語ですが、やはり補足しておいた方がいいかな?と…
思い返せば私もバンクーバーへ来た当初はよくわかっていませんでしたし、市民権とごっちゃにしている日本人を数多く見てきたので、念のために解説しておきます。
永住権とは?
永住権とはその名前の通り、永住できる権利のことです。
カナダでは”Permanent Residency"=PRという名称で呼ばれています。
通常、カナダ人ではない人がカナダに長期で滞在するためにはビザが必要になります。観光ビザだったり、学生ビザだったり、ワーキングホリデービザに就労ビザ、さまざまなタイプのビザが存在しており、それぞれに例えば就労してはいけないとか、一年間のみしか滞在できないといった制限ついています。
永住権を得ることで、それらのしがらみから自由になれるのです。
永住権と市民権の違い
この二つの違いでこんがらかる人がとても多いのですが、永住権の他に市民権という枠組みがあり、両者は似て非なるものなのです。
"Citizenship"=市民権です。
永住権獲得で何人になるの?
実は永住権を取得しただけの段階では、まだあなたは「カナダ人」にはならないのです。永住権はあくまでカナダに永住できる権利が与えられるだけで、あなたの国籍はもともとの国籍のままです。
カナダ人ではないので、政府関連の仕事に就くことと選挙に参加することはできません。また、五年ごとにPRカードの更新が必要で、そのうちの合計二年間はカナダ国内に留まらなければなりません。
市民権を取るとどうなるの?
市民権を獲得することで、晴れてカナダ人になることができます。
政府関係の仕事に就くことが可能になりますし、選挙にも参加できます。カナダのパスポートを持つことができるので、五年間のうちの二年間国内に留まらないといけないという制約もなくなります。
市民権を取るにはPRカードを所持していないといけないので、もしあなたがカナダ市民になりたい場合、永住権獲得を目指してください。
日本人は永住権どまりが多い
カナダは二重国籍を認めているので、私の周りでは二重国籍を認めている国出身者や、インドなどのパスポートが弱い国の出身者はカナダの市民権をガンガン取りに行っています。
日本人はというと、長いことカナダに暮らしていても永住権でとどめて日本国籍をそのまま保持している人が多いです。
私も先日PRカードを更新したところです。
あえて市民権を取らない理由としてはこんな感じでしょうか。
試験を受けるのが面倒くさいから(費用も高い!)
日本のパスポートの方が下手すると強いから
老後、日本に帰るかもしれないから
手間やリスクのわりにメリットが少ないということですね。
私は今のところPRステータスでの不便さを感じたことはないです。
永住権は取った方がいいの?
もし、長期でカナダに留まりたいのでしたらば取得をオススメします。就職の際にビザが不要になるので、かなり有利になります。
カナダの永住権はポイント制で、取得のためには既定の点数を満たす必要があるのですが、その条件は毎年変わります。コロナ以降は大幅に基準が下がり、取得が容易になりましたが、それでも通常は最低でもカナダ国内にて一年ほどの勤務経験がないと厳しいです。ですので、永住権獲得のためにはまずはカナダ国内で仕事に就くことを目指してください。
このあたりについてはまた別の記事で書いていこうと思っています。