[基幹システム刷新PJT-01] PJT立ち上げ前_現場に馴染む
基幹システムを刷新する場合、事業部門とシステム部門が「水と油」では上手く行かないと思う。ある程度の良い関係性が基盤にないと、基幹システム刷新は上手くいかない。
というか、プロジェクト立ち上げ前から雰囲気は暗いはずだ。もっと言うと「勝手にやれば?面倒だし。良いこと無さそうだし。こっちは最低限しか動かないけど?」的な非協力的雰囲気が漂っているはずだ。
プロジェクトが立ち上がっても、現場は拒否に徹するだろう。
「プロジェクトを通して色々あったけど、最後はハッピーエンドとなりました」なんて友情ドラマは無いと思う。
プロジェクトどうこうの前に、常日頃から良い関係性を保っていることが必要だ。「プロジェクトのために関係改善に努める」というのもおかしな話だし、手遅れ。
まず、良い関係性を築く!
そのために、、、
【現場に馴染む】
直接部門出身だったこともあってか、私は現職に就いてから常に考えていることは「~したらもっと営業は楽に稼げるようにならないか?」「~したら負担が減らないか?」だった。
でも臆病な性格なこともあって、私は直接質問することが苦手だった。事業部門の人に直接提案しても、間違った提案だったら恥ずかしいし、申し訳ない。
だから、私は常に事業部の会議議事録とか営業日報を目を通している。他人曰く、結構これは異質らしい。
なるべく事業を知り、現場を知り、「あなたに興味がある」「役に立とうと思っている」と行動で示し、現場に馴染むのである。
●会議議事録に目を通す。
田舎企業なだけあって、議事録はワードかエクセル。保存場所はファイル共有サーバー。ある程度重要そうな会議日程は知っているので、その2~3日後に事業部の議事録を覗いている。
(因みに、そのフォルダは全社がアクセス可能なので、情シス特権で違法に覗いているわけではない。)
中身を完全に理解できるわけはないので、目を通すレベル(時間があったらもっと読み込みたいが)。
「~が今後の課題」「~の検討を進める」「~なことができないか?」みたいな内容が結構記載されている。これを見つけたらアタックチャンス!!!
「前の会議で・・・ってあったと思うんですけど、こうゆうことしたいですか?」とかで攻め込む。
あと、社員個人の苦しみとかも議事録で分かることもある。
なにかの拍子に「あぁ、〇〇の影響で今対応大変っすもんね?」と言うと「そうなんだよ!」と喜んで貰える。
●営業日報に目を通す。
これまた中身を完全に理解できているわけではない。目を通すレベル。
でも、営業日報を見ていると色々分かることも増えてくる。
・導入したら喜んでくれそうなツールが分かるようになる。(このツールを入れたら良くないか?)
・営業とその上長のやり取りを見て、上長がどんな営業戦略を描いているかが分かる。(その営業戦略に役立てることはないか?営業自信の負担を減らすることはできないか?)
・重要顧客が何となく分かる。(重要顧客が絡む内容を丁寧に対応するとか。)
・営業の苦しみが分かる(日報入力時刻が深夜になっている時がある。バックオフィスは退社すれば終わりだが、営業はそうもいかない。時間外対応を減らす仕組みを作れないか?ツール導入以外の解決策を一緒に模索できないか?)
たまに私が日報にコメント入力する時もある。これキッカケでITツールを導入したり、仕組み構築を実施したりすることになったのは結構ある。
【まとめ】
何にせよ「あなたに興味がある」「役に立とうと思っている」ということを行動で示すことだ。思っているだけでは伝わらない。
(本当は現場に踏む込むところまで実施したいが、これまでの私はここまでが限界。営業同行とかもしてみたい。ひとり情シスは会社から離れられないから辛い。)
「時間を取ってシステム担当に相談するまでもない」と現場が判断して、こちらまで伝わってこないこともある。そんな内容はこっちから汲み取りに行くしかない。
「何かお困り事ありませんか?」と言ってすぐに「~で困ってます」なんて返してくれる人はいない。
こっちから事実を取りに言って、仮説提案して、話して、提案する。
常に「あなたに興味がある」「役に立とうと思っている」ということを行動で常に示していれば、「今の苦しみを無くすために、業務見直しとシステム刷新したら良くない?」とこっちから提案したときに拒絶されることはない。反対するにしても、理由は教えてくれる。
逆に、「赤の他人みたいな人」「要望されたことだけやります」的な人に「システム刷新した方が良くない?」と言われても、現場は「は?(怒)」である。
常に寄り添ってくれる人のことには耳を傾けますよね?
私も寄り添ってくれる人のことには、耳を傾けようと思うもん。
【参考】
とあるwebセミナーで友岡さんの講演を拝聴して、考え方に強く影響されている。「現場に溶ける」。
↓ とあるwebセミナーではないけど、そんな内容の記事。