シェア
白だ。どこもかしこも白だ。 見渡す限りどこまでも白が広がるこの空間には影すらもなく、壁と天井の区別もつかない。当然足元も真っ白で、僕が寝かされていたベッドはまるで宙に浮かんでいるようかのようだ。立ち上がったら落ちるのではと不安になってベッドから足だけをそろりと下ろしてみると、素足の爪先はすぐに固い感触とぶつかった。どうやら落ちる心配はないらしい。ゆっくりと立ち上がって、さてこれからどうするかと考えた始めたときだった。 「お目覚めですか」 背後からの声に振り返ると、確かに