端っこに灯るあかり【ノトコレ応募版】
私は二十一の時、前のめりで片思いをしていた。朝起きてから眠るまで、ずーっと好きな人のことを考えては悶々としていた。
最近、なぜか思い出す。その好きな人のことではなくて、好きな人の親友のことを。
その日は、炉端焼き屋の片隅で、シシャモを一心に焼いていた。お腹の弾力を箸の先っぽで心ゆくまで確認しながらも、頭の中では好きな人のことでいっぱいだった。今後、好きな人のことはミヤモトと呼ぶ。
「おう。待たせたね」
そう言いながらドシンと横に座ったのは、セナ君だった。ミヤモト