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ノトコレブック My Curations🍊

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「文学フリマ東京」(2023年5月21日開催)にて出品の『noter Collection Book(ノトコレブック)』のうち、私がお迎えした作品を収録させていただきました。
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#やってみた

端っこに灯るあかり【ノトコレ応募版】

 私は二十一の時、前のめりで片思いをしていた。朝起きてから眠るまで、ずーっと好きな人のことを考えては悶々としていた。  最近、なぜか思い出す。その好きな人のことではなくて、好きな人の親友のことを。   その日は、炉端焼き屋の片隅で、シシャモを一心に焼いていた。お腹の弾力を箸の先っぽで心ゆくまで確認しながらも、頭の中では好きな人のことでいっぱいだった。今後、好きな人のことはミヤモトと呼ぶ。 「おう。待たせたね」  そう言いながらドシンと横に座ったのは、セナ君だった。ミヤモト

パーフェクトレモン 《ミムコさんノトコレ応募 フィクション作品》

「お、塩レモン」  冷蔵庫に顔を突っ込んだ夫が嬉しそうに言う。 「国産レモン売ってたからね」  ふふんと誇らしげに答えると 「パーフェクトレモン」  夫が、塩レモンのガラス容器を持ち上げて言った。 「あのね、レモンって完璧なのよ」  力強くそう言われてもピンと来ない。 「じゃあ聞くけど、レモンでホラーとか考えられる? 爽やかでしかないでしょう?」  いやいや爽やかなんてたくさんありますよ、おろしたてのスニーカーとか、ラムネとか。  そういう反論を、一切受け付けないのがモナミ