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どこかにいってしまった自分に向けるべき愛と性教育の薄っぺらさ

出産翌日にメモに書き溜めていた文章をようやく整理することができたのでnoteに投稿します。
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約8ヶ月前、第一子を出産しました。

妊婦健診を受け、母子手帳を受け取り、産婦人科で出産をし、たくさんの人達や支援制度に様々な形で支えられながら、現在私は一児の母をしています。

今日のnoteでは出産前後の自分の思いなんかを振り返ってみたいと思います。

産後入院中、新聞を手に取りました。
まだまったく育児をしていない、本当に出産の直後ではあるが、「産前と産後で気になる世の中の出来事は変わるのか」に興味があったので。

病院のラウンジに置いていた新聞紙を一面からテレビ欄まで目を通してみたところ、「生後0日や生後0か月児の死亡事例」のニュースが自分の目に止まりました。 

実際のところ、以前からこの話題のニュースは気になっていて、むしろますます気になるようになったな、という感じです。

以前の私の気持ちや怒りの矛先は、メディアでした。

赤ちゃんがいるということは父親がいる」ということなのに、適切なケアや世話をせずにそのまま赤ちゃんを放置して死亡させた母親だけに注目するメディアに対する憎悪の気持ちが強かったです。

ですが、妊娠・出産を経た私の気持ちは、以前にも増して父母のほうに向いていました

なんて無責任な父親と母親なんだろう。どうして適切な機関に相談せずにそのまま妊娠継続をし、そして孤独な出産に至ったのだろうと、ただただ悲しい気持ちになりました。

出産入院中の私はというと、

新生児の抱っこの仕方が不慣れで何度もやり直し、ようやく無事に抱きかかえられて静かに腕におさまる姿

生まれてまだ1日目、10分以上かけて飲むミルクの量はたったの20mlで、体力も吸う力も弱いなかで哺乳瓶を必死にくわえる姿

就寝中、周りの物音に反応して手足を伸ばしてモロー反射全開の姿

そんな姿を目にするだけで感動でした。

「産まれて来てくれてありがとう」と声に出すだけで私の目には涙が溢れていました。

入院中は3食ご飯付きで、分からないことは助産師さんに尋ねることができ、母子同室とはいえ睡眠優先をしたい時は新生児室で預かってもらえる、という完全な体制がある。

一方で、この日本には妊婦健診を受けずに自宅等で出産する人がいる。
そしてそのまま生後0日や生後1か月経たずして子どもが死亡するということが起きているそうだ。

そういう人たちは、きっと妊娠中に色んな人に心配されたり励まされたり、優遇されるような経験をしていないし、産後に栄養満点の温かいご飯を食べたりもしていないし、私が今できているようなこの命の尊さを感じることができていないはず。

環境や状況が違うだけで、今の自分自身とは真逆の位置にいることになる。

誰にも打ち明けず病院にも行けず、自宅や公園のトイレで一人で出産。出産後にそのまま遺棄・・

どうしてこんなことに・・
そして捕まるのは母親のみ。
おいおい、子の父親はなんて無責任なんだ・・
そもそも、周りの人はなぜ気がつけないんだ・・と募る疑問。

ヤフー知恵袋には、「こんなことをした」「こういうことがあった」これって妊娠しますか?と、性の知識を持っていなすぎる質問者らで溢れている、男女共に。

少し調べてみると厚生労働省が公表している「子ども虐待による死亡事例等の検証について」を見つけたので読み漁った。

生後0日や0か月児の死亡事例においては、父親の存在が不明な場合が圧倒的に多いのが現実だそう(生後0日児事例の7割、父親が不明)。

父親の存在(年齢)がわかったケースも累計で報告書にでていたので、年齢分布をみてみた。
生後0日児事例の父親の年齢が19歳以下だったケースの人数と40歳以上だったケースの人数が、同人数ということも読み取れた(第15次報告、8 参考データ)。

未成年者や若者の知識欠如だけが問題ではなく、大人の性に対する責任モラルの問題も大きいことを痛感して悲しくなった。

ニュースでは散々母親にフォーカスされているが、(年齢的に)立派ないい大人の男性も生後0日や0ヶ月児の事例の当事者であると報告書が主張しているようだった。

活発な日本の性産業だったり、学校教育で学ぶ性教育の薄っぺらさ性の話が普通にできない日本の文化だったり、社会側にある原因が気になりました。

自分がだれかの父親もしくは母親になるという責任(あるいはリスク)を本当に理解している人たちで構成されている社会であってほしい」と改めて強く思いました。

妊娠って女性の身体的にも精神的にも変化があり、それはお財布事情もダイレクトに影響するし、さらにそれらが予期していない妊娠で、パートナーがいたとしてもいなかったとしても、もし一人ですべて抱え込んでいたとすると、とてつもなく怖いことでしょう。

どんな状況でも母体と子の命は、社会に絶対に守られてほしいと強く思いました。

一人で抱え込んで守られることなく一人で出産して、生まれた子が愛されることなく死んでいく、そんな悲しいことはあってはならない、と思います。

自分の目の前にいる我が子には愛を伝え、そのうえで社会を構成する一員として、性に関して正しい理解ができるように共に学びながら、親として必要な性教育を提供していかなければ、と思います。

結局、自分にできるのはそれくらいで、でもそのそれくらいができていない親もいるから、現に生後0日や1ヶ月以内に死んでしまう赤ちゃんがいるのでしょう。自分にできることから始めるしかないですね。

そんなことを思った出産翌日の私でした。

最後までお読みいただきありがとうございました!

サムネ📷:産後4ヶ月直前に、産後ケア事業(宿泊型)を二泊三日で利用した時にいただいた晩御飯。




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