2019シーズンのベガルタ仙台選手評価 GK・DF編
クリスマスも終わり、2019年も1週間をきってしまった。
今年のJ1では平均来場者数が初めて2万人を突破するなどスタジアムは活気に満ちあふれ、数多のドラマで私たちを楽しませてくれた。
私が応援するベガルタ仙台はシーズンオフの主力流出や、開幕当初のスタートダッシュ失敗、サッカーの方向性の転換など、結構濃厚なすったもんだがありながらも、10年連続のJ1残留をみごとに掴み取った。
ということで、いろいろあった2019シーズンのベガルタ仙台に所属していた選手を勝手に総評していきたいと思う。なお、完全に主観での振り返りになるので、生温い目で見てほしい。移籍状況は12月26日現在のものである。
■GK編
1 シュミット・ダニエル (→シントトロイデン)
評価B
地元出身、大卒生え抜き、足元のある大型キーパーというロマンあふれる逸材。
昨年からちょいちょい日本代表に呼ばれるようになった。以前よりもハイボールが安定し、課題だったシュートストップのうまくなりも見られ、代表キーパーとしてそれなりのプレーをみせてくれた。しかし、オフの恒例行事になりつつあった主力引き抜きによりチームはガタガタ。シュミットもヒーローになりきれない試合が続いた。敗戦の悔しさから涙を浮かべながらキーパーグローブを引きちぎろうとするなど、青さと熱さをもって戦っていた。その甲斐あってか、夏に念願の海外移籍をもぎ取り、仙台が産んだロマンキーパーはベルギーへと旅立っていった。良くも悪くも、ベルギーでもそのロマンぶりを遺憾なく発揮しているようだ。Jに復帰する際もぜひ仙台へお越し下さい。さらっと神戸とか浦和とか鹿島あたりに移籍しそうで怖い。
21 関憲太郎 評価 C (→?)
仙台が誇るちびっこシュートストッパー関。
前半戦は代表クラスに成長したシュミット、後半戦はポーランドからやってきたスウォビィクの壁を越えられず、ベンチを温める日々が続いた。しかし、日々準備を怠らないその姿勢と安定感のあるプレーでチームの引き締めに一役買った。カップ戦で無念の重傷を負うも終盤に復帰。スクランブル時に出場しても活躍できる稀有な選手なのでベガルタにいてくれると大変助かるが、J2ならバリバリレギュラーでやれるのではないだろうか。試合中はずっと体幹を鍛えている。
22 川浪吾郎 評価 C (→?)
今季、プレーで結果を残したとは言い難い吾郎ちゃん。だがしかし、この男がいなければ今シーズンは残留を手繰り寄せるのは難しかったのではないだろうか。来日間もないスウォビィクを暖かく迎え入れたりするなど、場を盛り上げる役回りでなかなか結果の出ないチームを確実に下支えした。加入した時に握手してもらったが、本当にいいやつなんだろうなーという感じだった。ピッチで活躍している姿を見てみたいが、移籍してもおかしくはない。俺はどこにいっても応援してるよ吾郎ちゃん。
24 ヤクブ・スウォビィク 評価 A (→残留)
東欧からやってきた新守護神
日本代表の守護神が移籍するという危機的状況に、はるか東欧から満を辞してやってきた元ポーランド代表GK。代表と言っても出場は1試合だけという、なんとも言えない実績だったが、GK大国ポーランドの名に恥じぬ逸材だった。ハイボールに強く、ネコのようなしなやかさと俊敏さでゴールに鍵をかけた。ぶっちゃけ、能力値だけでいくとベガルタ史上最高のキーパーではないだろうか。楽天の試合観戦にも赴くなど、異国の地にも適応しようとするナイスガイだった。プレー良し、人柄良しの優良助っ人、なぜ仙台が獲れたのか。ベガルタがGK補強だけは外さないのは仙台七不思議の一つである。
■DF編
2 永戸勝也 評価 S (→?)
力強い左足から放たれる放物線は栄光への架け橋だー!
今シーズン、チームで最も成長し、結果を残したのがこの永戸勝也である。
プロ入りから3年、今シーズン序盤までチームが採用していた3バックによって左のWBや左HVなどを担当していたが、4バックへ変更するや否や、その能力を遺憾なく発揮。機を見た持ち上がり、パンチ力のある左足から放たれるクロスやサイドチェンジでチームの攻撃力を確実に底上げした。なんだかんだ言って彼はSBなんだなーと痛感したシーズンでもある。ルーキーイヤーからSBをやっていたら今頃どうなっていたのか、非常に興味がある。
しかしながら、空中戦や守備強度など、守備的な部分で優位性を出せたかというと何とも微妙な所である。恐らくアシスト王という栄冠を得たにも関わらず代表に呼ばれないのは、そのほとんどがセットプレーでの記録になるからだろう。
WBやHVの経験によってプレーの幅を広げたのは確実で、それが今シーズンの飛躍につながっているということは疑う余地がない。これだけの活躍をして、体力的・年齢的にも充実の時期を迎えようとする今、よりステップアップを考えてもおかしくはない。というか他チームが放っておくとは思えない。個人的にはすごく好きな選手なので、移籍するととても寂しい。
4 蜂須賀孝治 評価 B (→残留)
外野からの評価は高いのに、なぜか身内のベガサポからは微妙な評価を受けがちな蜂須賀。
そんな俺たちの蜂須賀は今シーズンもサイドを上がってはクロス、切り返してはクロス、クロスと見せかけて枠外シュートというお家芸を余すところなく見せてくれた。昨年は得点を量産したりした時期もあったが、今年は地道に仕事をこなし続けた。といっても時折DFとは思えないミスもあったりして、仙台に居続ける理由がわかったりすることもあった。だが、それを含めてもベガサポは蜂須賀が好きなのである。右利きなのに切り返して左足であげるクロスの方が可能性を感じるのはここだけの秘密だ。あまり良いように書かなかったが実はそれなりに良い選手。クロス数でいつもリーグ上位にいる。奥さんが美人。
13 平岡康裕 評価 B (→残留)
もっぱら白いポルシェに乗っていると噂の心優しきCB。
シーズン序盤はすったもんだがあってCBシャッフルが続き、メンバーから外れることもあったが、監督が島尾・平岡コンビが今年の最適解だと気づくとガッチリとその座をキープした。攻めるように守る島尾の背後を一生懸命にカバーしまくる姿は彼の人柄が滲み出るようだった。リーダーには向かないけど組織に1人居て欲しい、そんな存在だった。試合後のスタジアム周回時に声をかけると応えてくれがち。
23 シマオ・マテ 評価 S (→残留)
カニマンボ!
オフシーズンに突然舞い込んだ元モザンビーク代表選手加入のお知らせ。恐らく、ほとんどのベガサポが困惑したに違いない。モザンビーク代表ってどれくらい強いの?レバンテ?パナシナイコス?でもリーガであのメッシとガチンコかましてたっていうし…。半信半疑のままシーズンは始まり、当初はボランチを担当。確かに対人はめちゃくちゃ強いのだが、ボールを奪いに行ってはポジションを空けてチーム全体のバランスを崩す、なんとも使い勝手の悪い選手だなあ、とか思ってすみませんでした。
CBで起用されると評価は一変、驚異的なフィジカルで相手のFWをバッタバッタとなぎ倒し、飛んできたボールはとにかく弾きまくった。まさにモザンビークの壁。彼がCBで出場するようになってから失点は激減した。ぶっちゃけJで一番守備力のあるCBだと思う。島尾のヤバさがバレ出した頃には、ガチンコ勝負を避けて引き出した裏のスペースを狙われる失点パターンも確立されたのはここだけの秘密だ。胸の厚さがハンパじゃなくて肌がすごくキレイ。
27 大岩一貴 評価 D (→?)
俺たちのキャプテン。
加入からずっと掴んでいたレギュラーの座。しかし、昨シーズンからの大幅なメンバーチェンジによってチーム作りがうまくいかず、大岩もここ数年のパフォーマンスを発揮できなかった。というか昨シーズン後半からなんとなく怪しかった。特に昨季のホームマリノス戦で8失点という大虐殺をくらってから歯車が狂い出してしまった感じだ。責任感が強いのが彼の良いところだが、それが裏目に出て空回ってしまったような感じを受ける。全て自分でやらねばという気負いが負の方向に行ってしまったのは残念だった。それを感じてか、キャプテンマークも島尾が巻くようになったし。大岩にはもう少し気楽にプレーできる環境が必要なのかもしれない。
31 照山颯人 評価 B (→残留)
高卒1年目のルーキー。
主にカップ戦での出場となったが、これが思いのほか悪くなかった印象だ。バタバタと慌てる事もなく、つとめて冷静なプレーで大穴を開けることはなかった。しかし、戦力になるにはもう2段回くらい上のプレーを示す必要があるがきっと成長してくれると期待している。ルーキーとしてはまずまずの出だし。
33 常田克人 評価 D (→残留)
長身、左利き。ロマンあふれる青森山田産の生え抜きCB。
序盤の混乱期にチャンスを掴みかけるが、対人守備のゆるさと注意力散漫な部分も相まって、勝利に貢献できるプレーはできなかった。持ち味の前線へのフィードは良い味を出してはいたが、本業の守備が怪しかったのがとても残念。今シーズンで飛躍していれば東京五輪も夢ではなかったろうに…。来年は勝負の年になるだろう。釣りが好き。
39 金正也 評価 D (→?)
韓流歴史ドラマで小役人役で出てる感がハンパじゃないCB。
仙台に来る前は無骨なDFという印象だったが、昨シーズンからショートパスと持ち上がり能力が向上。モダンCBの要素を装備しかけたのだが、スタメンの座を奪い切ることはできなかった。渡邉監督がやりたいサッカーに頑張って適応しようとしていたのだが、チーム全体が方針を変えざるを得ないような展開になってしまい、その流れに乗り切れなかった。個人的にはこの年齢で成長が垣間見える選手はとても好きなので、頑張ってもらいたい。この前、フットメッセ長町で子どもたちにサッカーをダルそうに教えていた。
MF編&FW編は後ほど!
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