◆隠れたベストセラー「トンデモ本」
現在、こういったUFOや超能力や予言、前世、超常現象といった種類の本が大量に出版されています。しかも、これらの本は五万部、十万部は当たり前というほど売れているのです。大きな書店に行けば、棚丸々一つか二つ占領していることもあります。
今注目のマルチメディア本、インターネット本以上の勢いです。
これらの本に共通する特徴の一つ目は、「百億兆光年(誤植ではない)彼方からのテレパシー」とか「仏陀・キリストの生まれ変わり」とか「紀元前三二〇〇億年前(誤植ではない)の天皇家」とか「インドにはすべての人の運命を書いた葉っぱがある」とか、理性的に見るとトンデモないことが書かれている、という点です(私のサークルでは、これらの本を「トンデモ本」と名付けています)。
二つ目の特徴は「戦争はいけない」とか「愛と平和」とか「エコロジー」といった、だれも反対できないような精神的で抽象的な目標が描かれている点です。
これらの「トンデモ本」を読んでいる人の多くもパソコンネットの人と同様、内容が科学的にトンデモないことを気にしません。そんなことよりも「これらを信じること」や「愛と平和を大切にする気持ち」が大事だと考えています。
「信じる」といっても、もちろん本当に心の底から信じている人ばかりではありません。もっと軽い気持ちで、「へぇー、そうなんだ」とか「おもしろい。本当かな」とか言う人たちが大勢います。
ただ、そういう軽い気持ちの人たちも「本当かどうか」「(科学的に)正しいかどうか」を追究したりはしないのです(そんな「信じやすい純粋な人たち」の中にいると、トンデモないところを論理的に追究するのは、無粋なことのように思えてきます。ウルトラマンを楽しく見ている人に「あの中には人間が入っているんだよ。ほおら背中にチャックが見える」とツッコミを入れている気分、とでもいうのでしょうか。このごろは私も、そういう「トンデモさん」たちを赦し、愛せるようになりました)。
支援していただけるなんてチョー嬉しいんですけど^^笑