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読了~一穂ミチさん『恋とか愛とかやさしさなら』~

直木賞受賞第一作、一穂ミチさん『恋とか愛とかやさしさなら』のサイン本を入手して読みました。

今最も勢いのある作家さんの一人ではないでしょうか。例に漏れず、私も一穂ミチさんの大ファンです。

プロポーズの翌日、恋人が盗撮で逮捕されるというところから始まるお話。まさか?と戸惑う主人公。信じる、許す、結婚とは…?等、登場人物たちの葛藤がきめ細やかに描かれていて、なんかどの立場にも共感できる部分があるというか、白黒はっきりつけられない心の揺れが見事に綴られていて惹き込まれました。

表題作のほか、盗撮をしたほうの男性側の目線で語られるお話も収録されているのが良かったです。こちらも、やってしまった事実は取り戻せないけど、そこから、どう受け止めて生きていくか、苦しみがまたリアルというか、男性目線だとこうだよな、とうなずける部分もあり、あっという間に読み終えました。

どんどん惹き込まれて一気に読ませる世界観はさすがです。…が、扱っているテーマは重く、かつ誰にでも自分事として受け止められる部分もあり、素晴らしい一冊でした。言うまでもありませんが、期待を裏切らない、とってもおすすめの作品でした!

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