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キレイな会計を作る。ための土台を作る。
先週は『キレイな会計はシンプルなルール作りからはじまる』というタイトルで、会計がぐちゃぐちゃになってしまういくつかの要素の話と、キレイな会計にするにはシンプルなルールづくりが大切だという話をしました。
個人的に、会計について考える時は『作る』フェーズと『使う』フェーズに分けて考えることが多いです。そして、自分の主業務は会計を『現状把握や経営判断のために使う』フェーズにあります。
そのためにはキレイな会計というが必要不可欠!
というわけで、『キレイな会計を作る』支援も併せて行なっており、『作る』支援と『使う』支援の両輪でお仕事させていただいております。
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今回は、先週の続き的な感じにもなりますが、キレイな会計を作るための経理周りの設計について現状自分の考える最適解をお伝えしようと思います。
freeを活用した経理業務の設計
自分は、原則freee以外の会計ソフトの支援を行なっておりません。
したがってこれからの話はfreeeを中心にした話となることをご了承ください。
経理周りのツール設計
まず、経理周りをざっくりといくつかの領域に分けてみます。その上で、それぞれの領域で利用するサービスを選定します。
①会計ソフトそのもの
②売上関係
③経費・支払い(決済)関係
④人事労務関係
⑤その他
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今回出した表は基本設計、ミニマム設定だと思っていて、小規模な事業者だとfreeeだけでなんとかできそうだなと思っています。freeeだけの機能だと物足りない、不足すると思うのであればその部分に特化した別のサービスを当てはめていけばいいと思います。(もちろんfreeeとのAPI連携については検討の必須項目!)
そしてあくまでもこの組み合わせが最適だと思っているのは”現時点”でということ。日々新たなサービスが生まれたり、既存のソフトがアップデータされたりしている中、基本設計も少しずつ改良が加えられていきます。
経理周りのプロセス(ルール)設計
DXなんて言葉が流行って(?)いますが、結局デジタル(ツール)を導入するだけでは何もできなくて、うまく活用することが大切です。、もっと言うと、そもそもの業務プロセスをしっかりと見直すことがもっと大切です。
先ほどの『freeeを中心とした基本設計』は企業によっては不必要な部分もあるでしょう。なので自社の経理周りの設計を考えようと思った時には、ツールを考えるよりも前に、自社に合わせた領域をまずは考えるところから始めます。
そして何よりも、設計はシンプルに。
パターンがありすぎると、経理処理の際その都度判断が必要になりますし、パターンの数に比例してミスの原因が増えます。
例えば、BtoBの企業では『売上は必ず未決済を立てる』と事前に決めます。つまり【 現預金 / 売上 】という仕訳が発生しないというルールを作ります。そうすることで入金の際は必ず未決済の消し込みになります。
例外があるとすれば、特定の取引先から自動的に振り込まれるような売上。その場合、自動登録ルールを駆使する&上記のチェックを生かすために品目を分ける。などの工夫をして対処します。
もう一つは受取請求書の処理プロセスでしょうか。
freeeだけで完結するミニマムプロセスだと、ファイルボックスに入れる→取引登録する(未決済)→支払い管理画面より一括振込データを作る→預金口座の連携で未決済を消し込む。でしょうか。
ファイルボックスを利用する際もLINE・メール・ScanSnap連携などがあるので都合の良いものを適宜選択します。今の所下記の感じでしょうか。
ファイルボックスへの証票保存方法
紙で受け取り→写真撮ってLINE、ScanSnapなどでスキャン
メールで受け取り(PDF添付)→ファイルボックスへメール転送
基本設計の図で見たそれぞれの要素を繋いでいる『線』の部分をイメージする意識が大切なんだと思います。そして、何度でも言いますが、シンプルに。一つの枠にいくつものサービスが入っていたり、連携のタイミングが複雑だったり、複数だったり(請求書の支払いタイミングが数パターンあるなど)
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今からスタートする企業だけでなくすでに走り出している企業でも、自社の設計がどのようになっているか、一度振り返ってみるのもいいかもしれません。DXを検討している企業にとっては特に、何かしらのツールの導入の前にまずは現状の把握から。という意味でもこういった図を作ってみることはとても意味のあることだと思います。
なんだかとてもまとまりのないことを書いてしまったような気がしています…。そのままお蔵入りに…なんてこともよぎりましたが、それだと今後何も書けなくなってしまいそうなので公開することにしました。
freeeを活用して良い会計を作る。そしてその会計データを駆使して(bixidの活用)経営に活かしてもらう。そのために考えていることなど、これからも定期的に発信していければと思います。