しへん。

埋め合わせのためのやさしさなので、持ち上げればあまりに軽い。羽毛みたい。これを敷き詰めて眠れば暖かいだろうね。寒い日も、そうでない日も。

私には特に必要のない答えなどを探す。どちらでもいいことが多過ぎる。なのに、どちらでもいいことにしておいてくれない。回答を求められるような気がして、代わりに私は沈黙する。必要な時にだけ喋るのはだめ? その時のために言葉をためておくの。

私をいつの間にか知らない私へと変身させて行く。冬。君らの羽音のような風音を掻き分けて行く。私は毎朝、白い息の代わりに黒い息を吐いている。もう少しで終わりだと、毎度、言い聞かせながら。

約束のようなあかり。途切れそうな、日。

ベランダに一片の羽が落ちていた。死んだのか、生まれたのか、分からない。