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【w.o.d.】I SEE LOVE Tour 12/15 横浜ベイホール公演 レポート

毎度ご無沙汰してます、yuzuramenです。

この度初めてw.o.d.のライブに行ってまいりましたのでできるだけ詳細にレポートを記します。因みに全てw.o.d.ファン目線での感想となるので何卒ご了承ください。

経緯

「令和の時代に90年代初頭のシアトルを彷彿とさせるグランジをやってるw.o.d.というロックバンドがいるらしい」という情報は2年前くらいからぼんやりと頭の片隅に置かれていたんですが、名前を把握し重い腰を上げて聴き始めたのは今年になってから。
ハマったのは2020年にDRIP TOKYOが投稿していたスタジオライブの動画がおすすめされたことがきっかけでした。風貌とは裏腹に渋い声をきかせるボーカル、鋭利ながらも重厚で際立ったギター、バンドサウンド全体を支配するほど存在感の大きいベース、最小限のセットながらも骨太で格好良過ぎるビートを刻むドラムなど、耳に入る全ての音色に一発で惚れてしまいました。
まだこの稀代のバンドの音を知らないという方は1曲でもいいので見てください。

アルバムも全て聴き通し、特に「1994」が新たなヘヴィーローテションになりました。リフといいメロディラインといい全てが俺の好みに合致している奇跡のような作品でした。丁度ファンになった瞬間に発売された「あい」も新境地とも言える世界観ですが、グランジだしサウンドもメロディも進化してる素晴らしいアルバムで感動。

そんな訳で光の速さで5枚のアルバムを網羅したら、当然ファンたるものライブに行く欲も生まれます。しかし早速11月からはアルバムツアーが行われる予定だったので応募しようと興奮気味にスケジュールを見たら、3月の豊洲PITワンマンが自分の部活の演奏会と被るというなんだかデジャブな事象に遭遇してしまいました(今年6月の稲葉浩志のZepp公演も同じ目に遭いチケットを手放すことに…)。
対バンは演奏時間も短くなるし全く興味の異なるジャンルの別バンドを轟音で聴かなければならないのでよほどの条件が無きゃ行きはしないんですが、今回は12月15日の横浜ベイホール公演以外チャンスが無いので妥協して参加することを決めました。相手もThe BONEZというミクスチャー・ロックの割と大御所でしたので、自分が未開拓とはいえ目の前で演奏を目の当たりにしたら何か感じるだろうと一応それなりに期待値を上げました。聴き流すことだけは絶対に失礼なので。

当日

そんな訳でライブハウスにも一度も行ったことのない俺が横浜ベイホールというキャパ1,100人の箱に押しかけることに。夢にまで見たオールスタンディングのライブ、興奮ただならぬ中横浜・元町の離れた湾岸へ足を運ぶと、そこには一見ただの業務用倉庫にしか見えない会場が佇んでいました。

自分はチケットを取ったのが発売開始から2週間経った頃とあって整理番号が700番台だったので、会場外の駐車場後方で入場のタイミングを待つことに。横浜の夜景が一望できる素晴らしい立地なので全く退屈を感じず。

入場開始から15分ほど経った頃、予想以上に早いタイミングで自分の番号が呼ばれ中へ。ドリンク代を払いロッカーへ荷物を押し込んだらいよいよ待ち構えているフロアへ入ると…

(これは終演後)

近っか!!
リアルに声上げてしまいました。大物のライブばかり参加しアリーナ以上のステージしか目が慣れていない俺としては、想像の10倍以上演者との距離が近く「これが"箱"と言われる所以か」などと勝手に感動していましたね。
しかも整理番号が後方なのに客はまだ柱の前の方までしか埋まっておらず、思いがけずかなりの至近距離で演奏を観ることに。ベースのKenさん側の左端で位置を陣取り、最終的には2列目まで辿り着き初のライブハウスとしては幸運過ぎる体験に終わりました。

さて長くなりましたがここからが本番の感想となります。

The BONEZ

それなりに気楽に開演を待っていたところ、BGMのボリュームが一気に上げられると同時にそれなりに距離を保っていた観客が一斉に前へ詰めかけ、早速予想通りかなりの密集具合に。ただ呼吸ができないとか他の人の体に当たって怪我などの深刻な事態には陥らなかったので思ったよりは快適。

ただこのバンド、やはり楽曲のテンション通りというか、ボーカルがひたすら煽り観客が平然とダイブを決めフロアをかき回す、俺が最も縁遠いタイプだなと演奏を聴いて感じてしまいました。1曲目からボーカルが早くもフロアに飛び込んだり、6曲目の途中ではまさかのサークルモッシュが発生したりと自分に危害が及ばないか終始不安が募りましたが、幸運にも左端に立っていたので全ての狂乱はフロア中央で巻き起こり、俺が強制参加させられることはありませんでした。一安心。
w.o.d.では一切そういった行為は無いことを予め承知済みでしたが、対バン相手でそうなるとは少し予想外…

曲の方はというと、正直全く記憶にありません。知らないのもそうですが、ボーカルはひたすらラップ調でメロディ性も皆無で、とにかく楽器が鋭過ぎるキンキンサウンドだったので辛い感情の方が勝ってしまいましたね。目前のメンバーに失礼はないようにコーレス等は即時覚えて対応しましたが、楽しいかと言われると自分周辺の平和に耐えるので必死でした。ファンのバンドが未発表曲を演奏しても全く乗れないくらいの自分ですから、対バンなんかハナから向いてないなとようやくこれで自覚しました。BONEZファンの皆様すんません。

ただMCで「うちのベース50歳」と言っているのを聞き、若々しい勢いのある演奏とのギャップに素直に驚いたのは覚えています。w.o.d.にも20年後以上まで今のスタイルで続けて欲しいなんて思ったり。

w.o.d.

40分間ひたすら耐え抜いた後は、舞台転換を挟みいよいよ今日の目玉。おぉ生のサイトウさんのストラトにKenさんのベース…!なんて思っていたら、転換中にいきなりドラムの中島さんがセットの前に登場し突然ソロを叩き始めました(!?)。
どんな弩級のファンサなんだこれ、そんな嬉しいドッキリあっていいのかなんて驚愕していたら、周りの観客は完全なる無反応。え? 本物いるけど!? と心の叫びもいざ知らず拍手とか声掛けるとかも無くマジで完璧な無言。もしかしたら普段のライブでも当たり前のように登場してサウンドチェックするのかもしれませんが、それにしても自然過ぎてあんなに特徴的な風貌なのにスタッフかと勘違いするほどでした。

分かりづらいけど当たり前のように転換中にドラム前に居座っている

しかもこれがとんでもなく格好良い。特別複雑なリズムを叩く訳でもないのに、出力された瞬間に体を芯まで揺さぶるバスドラムやスネア、タムの音が襲いかかり、更に音が驚くほど綺麗でぶちのめされました。曲の演奏中も轟音なのにビート一つひとつがくっきり耳に入り、正直メンバーの中で一番ライブで演奏化けてるなと感動しましたね。

そしてドラムソロを叩いた後は何事もなかったかのようにステージを降り、再び開演を待つことに。本番前のまさかのパフォーマンスに期待は最高潮に達していました。

19:00を過ぎた頃メンバー登場。生で見るメンバーのビジュアルは更に磨きがかかっていました。特に位置的に終始真ん前で演奏を披露してくれたKenさん、金髪を靡かせながら寡黙ながらも一番ノリノリでベースを掻き鳴らす姿に終始うっとりしていました。

1) My Generation

1曲目は最新アルバムと同じくこの曲。「明けまして新時代〜」とサイトウさんの声が響き渡り幕が上がるのを感じるのと同時に驚きだったのが、彼のギターの音色。対バン相手と同じくらい轟音なのに全く耳の危険を感じず、更にどのコードもしっかりハーモニーが伝わる、素晴らしいじゃ言い足りないくらいの演奏でした。基本ステージでの移動は無いので至近距離でのプレイは見られず、次回行く時は絶対右側で観覧しようと真っ先に決めることに。

この曲はBメロからサビ後半が最高に楽しいですよね。しっかりコーラス部分を叫び倒しました。

2) イカロス

まずもうイントロのベースがヤバい。息できないくらい音が体にぶつかってきました。どんな曲でもライブだとベースの音量ミックスが狂っているという噂は耳にしていましたがこのイントロでそれに大納得。

そんなこの曲ですが、俺が未だに魅力を理解できていない4th「感情」に入っているのであんまり聴いてないんですよね…。ごめんなさい感想は飛ばします。

3) lala

1st「webbing off duckling」からの選曲。1stは無難に好きなんですが、この曲はその中でも特段好みじゃないのでうぅんそう来るかぁとややテンション下降。「Wednesday」や「スコール」辺りを代わりにやって欲しいななんて邪念が過ぎる中もサビのコーラスはちゃんと合唱しそれなりに楽しむ。

4) 1994

来ました来ました!!
前述した通り俺の中の最高傑作は2nd「1994」なんですが、この曲が群を抜いて大好きです。盛り上がり枠なんでやることは確信してましたが、まさかこんな序盤に来るとは準備の範囲外でいきなり興奮がクライマックスに。
サイトウさんの激しいストロークのリフが見所の本曲ですが、耳を全集中で傾けしっかり記憶に焼き付けました。やはりトーンが抜群に良い。感謝感激。

MC

対バン相手とは違い、サイトウさんはゆっくりボソボソと独り言を呟くタイプ。寡黙に盛り上げる方が好みなんで彼のスタイルは良いんですが、時々話の終わりが見えず少しの苛立ちを感じてしまうことも。もう少し手短にまとめて欲しかったですね。

5) Take It Easy

ドラムが先にリズムを刻み始まったのは、俺が「あい」の中で2番目に好きなこの曲。w.o.d.らしからぬ明るく弾けるパワーポップで、ただイントロ後の間奏などにグランジらしさは残している絶妙な名曲です。聴きたい願望が一つ叶いました。

6) 馬鹿と虎馬

前述したように「感情」は聴き込んでないので、この曲もサビが来ても「何だったっけ…?」と思い出せずに長時間経過してしまいました。終演後に改めて聴くとそこそこ幸せになったので、日頃復習していなかったことをここで悔やむことに。でも感情なら「リピド」とか「オレンジ」とか聴きたかったなぁ。

7) あばく

アルバムで聴く分には特段良い所が見つからなかったんですが、生だと結構映えてました。

8) 喜劇

サイトウさんがこの曲でのみ使用したジャズマスターに持ち替えると、束の間にこの曲の歌い出しが。いやはや間違いなくこれが本ライブのベストアクトでしたね。元々Aメロとサビでの静と動の使い分け方が大好きで「あい」で一番の大好物だったんですが、やはり生で聴くと数倍豪快でした。ジャズマスの音色も美麗。

MC

「上京した時にとても不安な中で書いた曲」と言って次の曲へ繋ぐ。

9) サニー

サイトウさんとKenさんが向かい合ってカウントを始めたところでこの曲を確信。これも「1994」の中でも特にお気に入りのミドルバラードなのでとても幸せでした。サビ前の中島さんのドラムで鳥肌。

10) 陽炎

間髪入れずに疾走感に溢れた本曲のイントロが開始。独特な哀愁がたまらんでした。

11) あなたの犬になる

「あい」のバラード枠だったらこの曲が一番好きなので、どれが選ばれるか不透明な中この曲が演奏されて歓喜。サイトウさんの圧倒的な声のパワーにただ聞き入るしかなかった。文句なし。

MC

早くもここでメンバーの手に缶ビールが渡り和気藹々としたムードに。ただ「ライブハウスが大好き」だの「でかい音が好き」だのゴールの見えない雑談が延々と続いたので演奏聞きたいなぁなんて思っていました。

12) STARS

サイトウさんがフェンダーの赤のストラトを持ち、Kenさんが同じくフェンダーのPrecision Bassに替えた時点で察してはいましたが予想通りこの曲に。

今回のライブ自体この曲と「あい」の収録曲を爆音で浴びるために行ったようなものだったので、ひたすらこの曲は楽しかったです。イントロのサイトウさんの鋭過ぎる単音リフでやはり打ちのめされる。

13) 楽園

イントロで中島さんのタムの響きの良さを再認識。それなりに盛り上がる。

14) Fullface

キター!!
もうKenさんの野太いベースのイントロからニヤニヤが止まらない。1stの1曲目ですが、w.o.d.の曲全部ひっくるめても最上級に好きなので非常に嬉しい選曲でした。
この辺では常時Kenさんが俺の真ん前で荒ぶりながら演奏してくれてたのでそちらに全集中。サイトウさんのギターも最高に尖った曲なのでそちらに少しでも意識を注いでも良かったなと。

15) 踊る阿呆に見る阿呆

カウベルがセットされている時点で来るのを確信していて、予感通り終盤の盛り上げ枠で登場。フロアも飛び跳ねまくりで最高潮の盛り上がりを見せていました(苦しくない方の盛り上がり方)。

16) エンドレス・リピート

「どうもありがとう、最後の曲です」と言っていきなりの締め。既に声カラッカラに枯れながらも、直感に任せてサビを叫び散らしました(皆歌ってるけど爆音過ぎて全く聴こえないから問題ナシ)。Aメロのリズムの当てはめ方がかなり格好良くて好きなんでしっかり聴けて最高のエンディングでした。

アンコールは無く、そのまま終演でした。

感想

評判通りの凄まじい迫力のサウンドとパフォーマンスでしたね。このライブの2日後まで耳鳴りが続いたのも頷ける轟音ながらも素晴らしい音響でした。

選曲も結構嬉しいものが多かったですが、冷静に振り返ると「Maydayが無い…」とか「LIFE IS TOO LONGの曲全然無い…」など全てが満足だった訳では意外と無いことに。まぁこれからも何回か確実に足を運ぶことが決定したので様々な曲を聴けることに期待しながら次のワンマンを待ちたいと思います。この上ない最高のライブハウス初体験でした。

サイトウさんの使用ギター

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