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「中原淳一展」感想

わたしの叔母はとんでもなく少女らしい。

わたしよりもずっと人生経験を重ねていて、ずっと酸いも甘いも感じてきているはずなのに、わたしよりもずっと少女らしく、お姫様のようで、可憐という言葉がよく似合う。

叔母の少女らしさについては未だ言語化するにはおこがましく、まだまだ表現力が足りないのだが、いつか今回の「中原淳一展」のエッセンスを引用しながら、noteを書いてみたい。

■中原淳一展※一部撮影可
会期:2023年11月18日(土)~2024年1月10日(水)
会場:そごう美術館(横浜駅東口 そごう横浜店6階)
開館時間:10:00-20:00(入館は閉館の30分前まで)
※12月31日(日)、1月1日(月・祝)は午後6時閉館。(そごう横浜店の営業時間に準じ、変更になる場合がございます)とのこと住所:東京都港区六本木6丁目10−1
アクセス:https://goo.gl/maps/ZyotGUBHdUSLTpe68
料金:一般1,400(1,200)円、大学・高校生1,200(1,000)円、中学生以下無料
展覧所要時間:約50分
URL:https://nakahara111.exhibit.jp/

「窓辺に一輪の花を飾るような心で」

ごあいさつ
一番気に入ったスタイル画


少女の友

日中戦争が長期化し戦時色が強まると、中原の描く少女は「華美で不健康」とされーー同誌を去ります。好ましい少女のイメージが、戦時下の社会では一転して非難の対象となったのです。


それいゆ

新しく世に送り出すソレイユを花に例え、私たちは「花を飾るような心」を持つ「人間」なのだー、と強く訴えかけています。そこには、長く続いた戦時下の暮らしと敗戦後の混乱の中で、多くの人々が失いかけていた「人間」であることの尊さを、この雑誌を手に取ることで再び思い出してほしいという願いがうかがえます。

夢と希望は大切だ。
戦後まもなく生きることに必死だった時代、芸術を通して生きた先にある夢や希望を少女たちに届けようとした中原淳一の高潔さを感じた。

ひまわり

川端康成や吉屋信子の作品の挿絵に道場

戦後間もない時期に「若い少女の心の糧」となるようにと、川端康成、吉屋信子をはじめとする多くの作家の少女小説を「ひまわり•らいぶらりい」として紹介しました。

誰かのために何かしたいという気持ちが、ビジネスに繋がり、みんなが幸せになれるようなものが作られると、一番幸せだ…
社会人になっても、ビジネスは少し怖いもの、と思っていたけど、先輩や主任さんがお客様に対応して成果を上げて喜ばれている姿をみると、本当に、幸せにした人の数だけお金をもらっているということがわかる。色んなことを考えるのは良いことだけど、良いも悪いも白黒決めつけないで、とりあえず前に進むのが一番大切なんだよね。


美しさという知性や審美眼

「こんな時代を乗り切って美しく愉しくというのは、結局知性を高め、工夫する精神と美しさをキャッチする目を肥やすことであろう」と記す限り、通常の「暮らし」すら困難であった敗戦後の混乱期に中原という「美しさ」とは、知性や審美眼を鍛えていくことでこそ得られるものでした。

美しくが知性を高めるという言葉にハッとさせられた。日ごろ、美しいかどうか、生活に集中しているとついつい自分のことがおざなりになってしまい、意識できていない。
これから益々色んな人と関わっていくであろう自分には、自分からも他人からも、内面から、外面からも美しく見えるか、ということは大切。
改めて、意識していかねば。


生活

スカートいろいろ
1953(昭和28)年頃から、スタイル画として描いていた洋服や和服を実際に制作し、写真に撮って雑誌に載せるようになります。ここで紹介するスカートは撮影のために制作されました。
パッチワークやアップリケを施したもの、着物に使われる絣や、端の処理が不要で扱いやすいフェルトを用いたものなど、いずれにも中原の提案する洋服でしばしば用いられる技法、素材が見られます。


ゆかたを着る
戦後には洋装が一般化し、着物を着る機会は限られていきますが、夏にゆかたを着る習慣は残っていました。中原は「ゆかただけはまあ生活の中にとけこんで、普段着として」”残っていると記し、『それいゆ』でゆかた地の通販売を行います。中原をはじめ猪態弦一郎、三岸節子、東郷青児といった著名な画家による、伝統的な図案とは趣の異なるデザインの生地が「それいゆゆかた」や「ひまわりゆかた」として売り出されました。
中原がデザインした「ひまわり」や「リボン」などポップな柄のゆかたも、『それいゆ』誌上で紹介されました。

ゆかた

モノトーンでありながらも可愛らしくここにも「少女らしさ」を感じる。
夏にこれをきて、夏祭りにいく嬉嬉とした少女の姿がありありと浮かんだ

昔は今よりも家にあるミシンで裁縫をするという習慣があったから、ゆかた地があれば良かったのだろうな。ゆかた地であれば完成品よりもお金がかからないだろうから、たくさんの少女に届けられたのだろうか、などと考えた。


髪にも気を配って


「ひまわり」では女学生に向けて、身の回りのことを中心に、普段の暮らしをよりよくしていく工夫をいくつも提案しました。ーー戦後まもない時期に、少女が自分で好きなようにできる空間を持つことは難しかったかもしれませんが、こうした記事は、「工夫」を積み重ねることでより良い「暮らし」が「実現できるかもしれない」という夢を与えるものでした。

最近心にゆとりがなく、部屋が散らかっている。整うって大事。自分1人だけになって心地よくいる時間が結局誰かのために尽くせるエネルギーになる。

印象に残った垂れ幕


整えて楽しく暮らす
『それいゆ』ではインテリアの記事もたびたび掲載されました。
住宅事情が厳しい戦後間もない時期に、室内を心地よく過ごせるように整えることを提案。コンパクトな空間にさまざまなものがきちんと収まっているさまを、細部まで丁寧に描いています。
「断捨離」が流行る現代とは全く異なる、生活必需品に事欠く時代に「すてきなもの」を詰め込んだ自分だけの空間を持つことは、多くの読者にとって現実的ではなかったかもしれません。
だからこそ、こうした記事は読者に憧れや夢を与えました。





美しく聡明という言葉の似あう造形。西洋風の美人とは違う、きちんと日本人という面影もあり、強さも感じる。



壁掛けのイラストなど、色々購入してしまった。これを見るたびに美について意識するという自戒を込める。

幸せだった…

1月にもう一回先輩と行ってくる❣️楽しみ。


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