「創る側へ」アニメの分析と小説の分析
「千と千尋の神隠し」授業の続き〜
授業で取り上げはじめた当初は触れていませんでしたが、数年前から触れるようになった内容です
「千と千尋の〜」というタイトルが示されるタイトルバック
テーマ曲も流されるこの場面はどこにでもありそうな、丘を切り拓いた新興住宅地です
千尋が引っ越す家がそこにあるからですが、その他にもその風景がタイトルバックなのには意味があるよね
ということで分析〜
「え?わからん」ざわざわ
千尋たちが乗った車が止まるシーンなどをヒントとして「考えてみて〜」
「あ!」「わかったかも」
千尋たちの住む家は開発が進んだ住宅地と、まだ開発されていない森との境目に建っている。千尋たちが入って行くのはまだ開発が及んでいない森などなど
「じゃぁタイトルバックとあとで千尋が活躍する場面の関連を考えてみよう」
ということで「くされ神(実は名のある川の主だった)」の抱える問題を千尋が解決し八百万の神から喝采を浴びる場面との関連を考えてもらいました
「くされ神は何であんなに嫌がられるの?」
「臭いから」「汚いから」
「それだけ?」
「人間のせいで環境が破壊され汚染されて、くされ神になるって、なんか論理の飛躍がない?」
「それに千尋は人間。千尋に罪はないかもしれないけど、環境を破壊し汚染した人間の一員である千尋がそれへの気づきも反省もなく解決にいたるというのは筋が通らなくない?」
生徒のみなさんも何となく筋の通らなさは感じるよう
ということで「穢れ」のお話をする
「自然環境の破壊と汚染、住宅地に造成することも同じだよね。それがなぜ『穢れ』を生むのか考えてみようね。すると千尋が解決できる存在である理由もみえてくるよ」と伝えてこの日の授業は終了
正しい解釈・分析なのかはわかりません。じつは「正しさ」はどうでもよくって、消費者から分析できるスキルと態度を持つ存在にーそれは生徒のみなさんが「創る側」になることを助けるーしていくことを目的とした学びです。
小説の冒頭部分の分析とも関連づけています。そうすると、読むことの分析力(とくにメタな文脈)とストーリーを編む力が上がります。そちらはまた別の記事で書きます。