テキトーを重視して─────────────

「あの~、昴君いますか~?」
かわいこぶった声でユマ・ヌイが言った。俺はビクッと身体を震わせる。嫌な予感がしたのだ。そろりそろりと逃げようとするが、隷下が
「お客さんから逃げようとするな!」
と言って引き止めて来た。俺はビクビクしながらユマ・ヌイの所へ向かった。
ユマ・ヌイは俺の事を教室から引っ張り出すと、
「ねね、あの子怪しいと思わない?」
と言った。あの子?
「だ~か~ら、あの転校生!怪しそうじゃない?」
名前だけで疑うのは辞めといた方が良いよ、多分。
喧嘩しないでユマ・ヌイと会話したのって何時だっけ?そんくらい喧嘩してる。
「怪しくないだろ、どこをどう見たんだ?」
と俺は言った。ユマ・ヌイは
「え~、だってあの子、腕に大きな怪我があるんだよ、おかしいと思わない?しかも、上靴はめっちゃ新品なのにサイズはあんまりでかくない。なんか、事情があると思わん?」
と突然の関西弁を使った。そうか、ゆずまると恋無の合体したものだからゆずまるの関西弁が映されたんだな。
「え、なんなんだろ。。。」
考えられるのは、、、いじめ?
まさかっ、こんな平和な世界で・・・・・・。あっ、全然平和じゃなかったわ。俺めっちゃ殴られてた。
「それはアンタがメタ発言ばっかりだからでしょ!」
とユマ・ヌイ。あ、これきっと、ゆずまるの代弁をしたんだ。
「えぇ、」
と俺は不満げに言った。ユマ・ヌイはイライラしたように
「何、なんか不満あんの?」
といった。俺は
「え、だってこの物語さぁ、メタとネタで出来てるじゃん?」
上手い事かけたつもりだった。え、俺上手くね?調子に乗っていた時だった、ユマ・ヌイの右ストレートからの左アッパーが俺に炸裂した。

””ガゴン、バタッ‼””

俺は倒れた。受け身を取ったからあまり痛くはない。
「これでメイド役しなくて済むね☆」
サイコパスやんユマ・ヌイ。こんわ、今度から怒らせない様にしないと。。。

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